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光ある場所仙台で〜丸藤正道VS杉浦貴

トップ画像は@shun064さんの作品です。

7.11仙台サンプラザで行われる丸藤正道と杉浦貴のGHCヘビー級タイトルマッチ。丸藤と杉浦の戦いは言うまでもなくノアの歴史を築いてきた試合だ。しかし同じように歴史を築いてきた試合「三沢小橋戦」や「小橋秋山戦」そして「丸藤KENTA戦」と比べると、その全てが光に彩られた戦いではない。特に両者がGHCヘビー級王座を賭けて行った試合はノアが混沌としてた時期に行われており、満員の観客の前で行うことは中々難しかった。

もちろん全ての試合に手抜きはない。レスリングにルーツを持つ二人ならではのグラウンドのポジション取りから始まり、杉浦のパワー溢れる攻撃を、丸藤が瞬間の閃きで切り返す。そしてそうした丸藤の攻撃を杉浦がタフさで跳ね返す。タイプが異なる両者だからこそ、それが噛み合ったときは観客を大いに唸らせた。しかし試合自体の質は高くとも観客の数やシチュエーションなどの影響もあり、正当な評価を得ることができないこともあった。

杉浦はGHCナショナル王者でもある。その杉浦が動いた。奇しくも1年前の夏、2020年8月10日にGHCヘビー級王者潮崎豪とGHCナショナル王者の拳王によるダブルタイトルマッチが行われた。しかし1年前と異なり、今回は二冠戦ではない。あのときは「ノアで一番強いやつを決める戦い」だった。しかし今回はそれだけではない。

杉浦が欲したのは「ノアの中心に立つ丸藤との戦い」である。それは杉浦の「丸藤正道が持つGHCヘビーだからこそ挑戦したい」という言葉からもわかる。丸藤が輝くのはフロントではなくリング上であることを、最も理解しているのは杉浦なのかもしれない。杉浦が欲しいのは単純にベルトでもなく。最強の称号でもなく。「強い丸藤に勝つこと」その一点か?

ノアの辛い時代に、必死で団体に光を灯してきた二人の戦い。その二人の試合がようやく大勢の人の前で行われる。会場だけではない。Abemaを利用して日本中のファンが視聴することができる。そんな光ある場所で。ようやく二人に相応しい場所を用意することができた。それはこの上なく喜ばしいことである。二人のキャリアを考えれば、タイトルを賭けて行われる試合はあと僅かかもしれない。だからこそノアファンだけではなく、より多くのプロレスファンに。二人の決戦を見届けてもらいたい。

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