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1.3三冠戦〜宮原健斗と野村卓矢の316日目へ〜

私は今年ひっそりと「面倒くさいことは言わない」と目標を立てましたが、もう一つ密かに立てた目標があります。それは「三冠戦全部書く」。昨年も1/3くらいは書いてた気はしますが、今年は全部書くを目標にして更新できればと考えています。

早速2023年1回目の三冠戦です。今回のカードは王者宮原健斗VS挑戦者野村卓矢。両者はタッグパートナー。そして2022年の世界最強タッグ決定リーグ戦を制し。さらに2023年1月2日には諏訪間&KONOから世界タッグ王座を奪取。単なる三冠戦ではなく五冠戦として実施される形となりました。

煽りVでも紹介されていたように、今回の戦いは2022年から始まった宮原と野村の物語の第一章の終わりでもありました。※煽りV後半のBGMが22年6月の宮原VSジェイク・リーの試合で使われた曲を流用していたことからも、それはわかります。

私は大日本プロレス所属の野村が挑戦という要素から戦前「一種の対抗戦的な匂いをさせるのかな?」と予想していました。しかし煽りVを見る限り、その要素よりもこれまでの両者の歩みを踏まえた。全日本VS大日本ではなく宮原VS野村により比重を置いていると感じました。

では実際の試合はどうだったか?最初のロープブレイクに至るまでの流れは緊張感が高く。「パートナー同士の馴れ合いではない」「お互い団体の看板を背負っている」という空気を序盤からしっかりと観客に植え付けました。静かなグラウンドの攻防に場外戦を挟んだあとはしっかりとした打撃の勝負に移行。打撃についてはキックが得意の野村が宮原を痛めつける流れになります。とはいえ宮原も己の胸を突き出し「もっと打ってこい!」「そんなんじゃ俺は倒れねえぞ!」と目を見開いて耐えきります。

そして試合終盤はお互いが相手の腕を握り合い張り手合戦。一旦は野村がそこから宮原にハイキックを決めますが、耐えきった宮原がブラックアウトを敢行。そしてフィニッシュのシャットダウンスープレックスホールドにつなげ、宮原が勝利をおさめました。

お互いが飛びあうわけでも高難度の技を連発するわけでもなく。しかし会場に集った観客が「これが見たかった」と思っていた試合をしっかり見せた両者。野村の奮闘もありましたが、やはり宮原が試合をコントロールしたかな?というのが私の印象です。また宮原が体を張って野村の領域にずいずい近寄って。逆に野村は自分の領域でしっかり見せ場を作った。宮原がグイグイ迫り野村が若干引くという両者の関係になぞらえたようで趣がありました。

決着が付いたとはいえ両者はまだ世界タッグ王者。1月22日には青柳優馬&野村直矢との防衛戦が組まれています。試合後のリング上でも次の防衛戦に向けた意思疎通もとれており、二人の関係は316日目以降も継続しそうです。

また野村が退場した後、次の三冠への挑戦を青柳優馬と永田裕志が宣言しました。私は永田がそろそろ挑戦かなあと思っていましたが、宮原は「あんたがホームで自分の居場所がないからここに上がっているなら俺は受けない」とこれを拒否。「いずれやってやろうじゃないか」と含みをもたせましたが、これは同じように他団体から参戦し、自分の居場所とファンの心を掴んだ己のパートナーとの比較だったり…と感じました。

よって次期挑戦者は青柳優馬に決定。2月5日の八王子大会での開催です。1月22日の勝敗によっては青柳に五冠の可能性があるシチュエーションです。ゼンニチ新時代を作る選手は青柳優馬か?はたまた宮原健斗の壁は厚いままなのか?年頭から面白い状況になりそうです。



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