1.2プロレスリング・ノアの有明アリーナメインについて思ったこと

新年明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願い申し上げます。さて、新年最初のテーマは「1.2プロレスリング・ノアの有明アリーナ大会のメインについて」です。開催前のメインセミ論争から始まり、当日のメインの試合内容まで。とにかく開催から終了まで(終了数日後も)、話題が尽きない大会です。

開催前のぼくの意見は「GHCヘビーの試合がメイン(というか拳王メイン)だと一番座りが良い」。というものでした。それはノアの中で拳王が頑張っていたから。23年についてはジェイクがリング上でGHCヘビーの王者として凄みを見せていましたが、リング内外で存在感を示していたのは拳王です。

一方で丸藤VS飯伏。これは良い試合になると思うけど唐突すぎるなあというのがぼくの正直な感想でした。他団体の試合でも飯伏のコンディションも良いとは思えない状況だったことも関係しています。

では観戦終えてのぼくの考えは?最初に断っておくと、ぼくは「WRESTLE UNIVERSEで後日視聴&SNSの意見を目にした後」という状況でした。つまり生観戦でも会場観戦でもありません。また既にバイアスがかかっている状態です。

ぼくの個人的な考えで言えば「試合の質はセミの勝ち」。プロレスにおいて試合の質とは…技の精度や説得力、コンディションなどだとぼくは考えています。いわゆる「ストーリー性関係無く目の前で起きていることが凄いか凄くないか」です。拳王も征矢も選手として脂の乗り切った両者だけに、こうした試合の質についてはメインを完全に凌駕していました。

ではメインは全てにおいてセミに負けていたか?ぼくはそうは思いません。一種の情緒性や物語性。「ある意味で過去の自分との戦い敗れたこと。それを引き起こした時の残酷さ。切なさ。儚さ」。ぼくはこの一点についてはメインがセミに勝っていたと思います。かっこよさやきれいな面だけを見せるのではなく。カッコ悪さを見せることから逃げない。

もちろん「拳王征矢より丸藤や飯伏の方をぼくが長く見ていたこと」も大きいでしょう。それもあってかぼくは「丸藤飯伏の切なさや儚さ>拳王征矢の決別からの対決」という感覚になりました。

後から考えると新日本の1.4ドームとノアの1.2有明アリーナは似た状況だったかもしれません。内藤とSANADA。拳王と征矢。志を同じくした者たちが様々な原因から袂を分かち、頂点に立つために激突する。2つのメインを分けたものは何だったのか?内藤とSANADAにはEVILがいたのが大きいとぼくは思います。1.4ドームの熱狂は内藤と観客が一体となったハポンコールではなく。試合終了後にこれからは単に内藤とSANADA二人の闘争ではなく、EVILを含めた「俺たちの戦いの積み重ねを通して上に上がるという熱量」があった。

逆に言えばノアにはEVILというもう一つのキーマンがいなかった。その意味ではGHCヘビーの時期挑戦者は潮崎ではなく。マサ北宮(石井に勝っていればですが)なり稲村愛輝(流石にまだ帰国は早いか)が上がってきたら?ぼくはまた違った印象だったやもしれません。

※予め断っておきますがぼくは潮崎ファンです。しかし彼の挑戦は今ではないという考えです。

「丸藤飯伏の試合の質が2段階くらい上回っていたら?」「それでもセミはメインに勝っていたか?」「セミがメインを超えたのではなく」「メインが水準を下回っただけでは?」。ちょっと意地悪な質問もできてしまいます。

ではもう一つのテーマとして論じられる「安全性について」。これは突き詰めると外野にはわからないことだと思います。飯伏のコンディションが悪かったことは事前の本人の言葉からもはっきりしています。だからこそ「コンディション不良が原因だからそんな選手をリングに上げるな!」という意見が出るのも当然でしょう。

であれば試合前にドクターチェックが必要ですね。厳密にドクターチェックをしたら?果たしてどれだけの選手が試合の許可をえられるのでしょうか?それは言い過ぎとしても、ぼくは安全性についてノアが無頓着だとは思えません。それは現役バリバリの原田(ノアが不可欠だと思っている選手)に対して、安全性のために引退勧告を行ったことなどからの思いです。選手の安全性については外野が把握することは不可能なので、結局は見る側が信じるしかないです。少なくともぼくは安全性についてはノアをかなり信用しています。

ちなみに「三沢の件があった団体だからより安全性に気を配れ」という言葉についてはこの本を読むと色々なことがわかるので、気になる人は読んでほしいです。

少し高いですが他の本と合冊した電子書籍もあります。


※この本を読む限りあの事故は「技をかける側と受けた側どちらにも過失はない」とぼくは思いました。


結局のところ今回の件については論点がごちゃごちゃになっていることが、着地点の見つからない要因かもしれません。メインセミ論争から始まりメインについての試合の質への疑問(一方である種の感情を揺さぶるものではあった)。さらに安全性有無。飯伏やノアの運営への疑問などなど。

これだけ論点が多いと、同じ試合について語っていたも論点がずれる&着地ができません。

例.Aさんは情緒面でメインが楽しかったと話す
→Bさんは安全性をもってメインがだめだった話す
→互いに論点が異なるので着地点が見つかりづらい。

こんな感じです。
いずれにせよノアとしてはメインの後に新時代の旗手である清宮が出てきたことは好材料でしょう。

といったことがぼくの1.2ノア有明アリーナ大会のメインに関する感想です。




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