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親の愛という名の手目隠し🫱🫲されながら覗く世界からの脱却〜Chim↑Pom展:ハッピースプリング

えー、久々の金曜日でございます。

先日、家族でどこか美術館行こうか?という話になり、たまたま、予約の空きがあったので、六本木の森美術館でやっていたChim↑Pom展:ハッピースプリングに、行ってきました。

正直、どなたなのかも、何をやってるのも、よくわからないまま、気の向くままにおもむく。


美術館に近づくに連れて注意書きで「過激なシーンがありますのでご注意下さい」との表記に、小3息子と中3娘のトラウマになるようなのだと、困るなー、たのむぜー、六本木ヒルズ!…と緊張が走る。

小3息子は、その過激シーンとやらが目に入りそうになったら、母の愛の手目隠し🫱🫲がすぐ出る位置で、入館。

入ってすぐ、夜の工事現場のようなレイアウトの通路をゆっくりと進む。
うす暗くて何があるのか、近づかないとわからないような状態。

最初の展示物は、けたたましい音の中「こんなに取れるんだ?!」と言う叫ぶような声とビデオカメラ映像が流れる一角。

それはなにかと確認しに行く途中、それが何かであるかに気づき、即座に人の群れを掻き分けながら、愛息子を置いて、耳を塞ぎ「うわーっ!」と早足で通り過ぎる私。
「おかあさーん!」と愛息子が必死についてくる。
母の愛は何処へ。。。

それは、地下道で何かしらの周波数を出して若い人たちが大量のドブネズミを網で捕まえている映像「みたい」だった…はっきり見てないのでここは「みたい」と表記します。

その昔。
東中野の当時の彼氏のアパートに行くために東西線で落合を降りて地下道を歩いていたら真横を猫ほど大きなドブネズミが角角を激突しながら疾走していたのを見た。
それ以来ドブネズミが完全に駄目になったのを思い出した。

人の群れを通り抜けた先には、足場で組まれたミニ映画館のような映像ブースがあった。
そこでは国会議事堂や渋谷のスクランブル交差点にカラスの剥製を手にし車やバイクなどにまたがり、拡声器から仲間を呼ぶ鳴き声を流し、大量のカラスを召集している映像をずっと流していた。

その昔。
バイトの昼食休憩中、サンドイッチを買って新宿御苑のベンチで食べていたらカラスに襲われた。いつの間にか10匹以上に囲まれて、追われながら食べていたサンドイッチを投げて走って逃げたのを思い出した。

このカラスの映像は、小3息子が気に入って、2人で飽きるまでずっと一緒に眺めていた。

Chim↑Pom from Smappa!Group《ビルバーガー》



一つ一つの作品に、二十代の大昔のことを鮮烈に思い出すのは、この展示会が若いアーティスト達のものであり、この展示内容が自分があの時代の東京で過ごした(今もですけどね。)若い頃にリンクするような感覚を覚えたからだと思う。

若い頃、今も変わらないけど、より拍車のかかったバカものだったので、恥を死ぬほど掻き、間違いを反吐が出るほどして、七転八倒しながら転げるように過ごしてきた。

こんなに情報もなかったから、本当の情報を手に入れる為には手痛い失敗に失敗を重ねて体得していくしかなかったように思う。
自分から外に飛び出していかないと、井の中の蛙として一生を送るしかなかった。


今は、ありとあらゆる知識が飽和状態で、イメージでの通信はできるが、実体としては、そこらじゅうに張り巡らされた黄色い立ち入り禁止のテープに囲まれて、身動きが取れない感じ。

たしかにあぶなくないけど、これじゃ、あぶなくないことしかできないよ。

この展示会の最初の注意書きで「過激なシーンがありますのでご注意下さい」との表記に、小3息子と中3娘のトラウマになるようなのだと、困るなー、たのむぜー…と緊張が走った親の加護の元。

親の愛という名の手目隠し🫱🫲されながら見る世界。

この手目隠しが外れるのはいつかなとふと考える。
たぶん、それは彼、彼女らの性の目覚めの時だろう。

アニメを見ながら、娘と息子が悲鳴を上げ耳を塞いで男女のイチャイチャシーンを見てるのも、親としてはかわいんだけど、そのうち、前向きに検討してもらいたい。

きっと、大人になった君たちが、血が出るほどザクッと傷ついたり、自己肯定感が身体中をまんべんなく満たすほどの喜びを得るのは、理屈や親の愛じゃなくて、それは恋愛に他ならないと思う。

東中野に住んでいた当時の彼氏から教わったことは計り知れない。
(いい思い出は一つもないし今街でバッタリ会ったら走って逃げる。間違いなくw)

Chim↑Pom展:ハッピースプリングは、ドブネズミ、カラスと言った都市と公共性だけではなく、ヒロシマ(※トップ写真の千羽鶴の山。中が通り抜けられる)、東日本大震災、コロナ感染症などの考えさせられる問題提起のテーマが盛りだくさん。
過激なシーンは他にもいくつかあり。

なんだろ、いま、じぶん、こどもいるし、刺激の少ないマイルドな世界で生きてるんだなと痛感した。

映像作品もたくさんあったんだけど、展示会として、人が集まって体感することで、共犯感を覚えるというか。
心地よいものばかりじゃなくて、不快なものも織り交ぜることで、歪んだ人の顔や、見世物小屋を怖いもの見たさで見ている人の本性も、そこにはあって、そういう傍観者根性も含めて、ひとつの作品が完成されてるような一体感があった。


ウチのように来てみて…ヤベェかな?と焦った親子のみならず、幼稚園くらいから子供連れの親子もきていました。
(知って来たんなら、どういう気持ちで来てみたのかじっくり機会があれば聞いてみたい)

5月29日日曜日まで六本木森美術館でやってますので、気が向いた方はどうぞ


by 金曜日の転寝

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