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プラスチックを量産するために収縮率を考える

プラスチックを量産する時には収縮率というものを考慮する必要があります。

プラスチックは液体の状態で型に流し込まれ、冷やされて固体されます。っその時にに少し縮みます。収縮率とはこの体積の変化率のことをいいます。
金型の寸法は、実際の製品より大きめに、つまり“液体のときの比率”に合わせて考える必要があるわけです。

 収縮率を使って実際の製品と金型のサイズの関係を表現すると、このような式になります。

(実際の製品)×(収縮率)=(金型でのサイズ)

 例えば、長さ100mmの製品を金型で作ろうとしたときに、使用する樹脂の収縮率は0.5%だったとしたら、金型での大きさは、

100mm(実際の製品)×1.005(収縮率)=100.5mm(金型でのサイズ)

となります。

収縮率はプラスチックの種類によって異なります。また、同じ種類のプラスチックでも、メーカーやその物性によっても変わってきます。さらに最近では、生分解性樹脂やリサイクル樹脂を使用する場合もあって、その収縮率は多岐に渡ります。

収縮率は金型に反映させるものなので一見すると製品設計では関係なさそうです。しかし、最初にPP(ポリプロピレン)で製作しようとした製品を途中でPC(ポリカーボネイト)に変更しようとした場合。
PPの収縮率は1.0~2.5%なのに対してPCの収縮率は0.5~0.7%と大きく異なります。そのためPPの収縮率で製作した金型でPCを成形しても狙った寸法の成形品はできないということになります。

なので使用するプラスチックの種類は最低でも金型製作前に確定しておくことが必要になります。