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プラスチックを量産するために肉厚を考える

樹脂製品を考えるときには筐体のデザインと内部機構を両立させて設計を進めます。
ここでポイントとなるのが製品の厚み、肉厚です。3Dプリンターで製作するのであれば肉厚は関係ありませんが、射出成形など樹脂を成形するのであれば最適な肉厚があり、この肉厚が薄すぎても、厚過ぎても成形不良の原因となってしまいます。

最適な肉厚については製品の大きさや形状の複雑さ・用途などによって一概には言えないところもありますが、雑貨や自動車部品など一般的な射出成形の場合だと、肉厚は1.5mmから3mm程度に収めたいところです。

また、製品の肉厚はできる限り均一がよいです。左図の様に肉厚が厚い部分があるような断面も裏側の肉厚を調整し右側の様に均一にするのが望ましいです。あまりにも急激に肉厚を変化させてしまうとヒヤやソリといった成形不良の原因になってしまいますので製品設計をする際には注意をが必要になります。

といっても、製品の機能や用途によってなかなか肉厚を均一にできない場合があるのも事実です。その様な場合には、急激に肉厚を変化させてしまうのではなく、緩やかに肉厚を変化させるなど対策をして成形不良をできる限り回避する様にすると良いです。