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2024.4月読了【十戒】


前作の「方舟」と続き、夕木さんの2作目として。
亡くなった伯父の無人島のリゾート開発の視察の為に訪れた一行が島内で爆弾が作られていたことを知ってしまう。無人島の為犯人は視察に訪れた一行の誰かであり、犯人は視察団に十戒を与える。
「3日間の無人島での待機」「犯人を捜してはならない」などの戒律があり、破ったものは殺害、または犯人の手により無人島全てが吹き飛んでしまうくらいの爆弾が発動されてしまう。

方舟ほどの閉塞感がなく、殺人シーンが事細かにあるわけではないので前作よりも読みやすい印象を感じた。(前作の閉塞感が異常だった?)
犯人が暴かれる推理シーンでは「あ?そうくるの」と思った。それも全部犯人と手の内だったけれど。
なんとなくこの人怪しいなと思った人が犯人だった。なんとなく目星がついていたし、前作ほどの大どんでん返しがあるわけではないので方舟の方が人気ありそうだな~と思ってしまった。
密室殺人と浸水、誰か一人を犠牲にするって背景が方舟はすごかったからな。それに比べると十戒では少しばかり登場人物たちは楽観的に映るかもしれない。
作品の頭に出てくる島の地図が何度見ても理解できなかった(笑)こんな島実在しないとは分かっているけれど‥。
もう開けられたままのマンホールとなんだか構造が普通の島と異なる無人島には近づかないでほしい。コナンレベルで何かが起こる。

里英の父に対する、これが最期の会話になるかもしれないという描写が印象に残っている。
よく他の人たちは普通の会話が出来るなと里英の心情も良かった。

なんといっても一番の衝撃は方舟との連作と気が付いた最後のシーン。
犯人、頭回りすぎでは?咄嗟にあそこまで緻密な行動がとれるだろうか‥?と作中何度も思わされたけど最後のシーンで納得した。なるほど、そりゃ頭回るわ‥。
頭も回るし、行動も起こせるし、起きた事象について動じることもない。普通だったら咄嗟とはいえ人を殺してしまったら動じてしまうし、あんな計画立てれるわけないけど、「麻衣」ならやり遂げれてしまうわけだ。
島にいる無実の視察団たちの命を救ったという言葉に対しての「自分が助かりたいから行動している」という謙遜とも思えたセリフは、本当にその通りだったんだなと改めてぞっとした。

里英の判断能力のおかげで最小の殺人で済んだ。
これからも背負っていかなければならない里英と対象的な犯人。
きっと犯人は今回のことも「気に留めない」んだろうな。




なかなか本を読む時間が設けれず、滑り込みで4月中に1冊読み終えらた。1か月に2冊を目標にしているけど読みだすまで時間が掛かってるな~という印象。
読みだしてしまえばはやいのだけれどね。1日の間にやりたいことが多すぎる。充実しているおかげか24時間が短いとも感じる。
積読になってしまっている本があと5冊。
・7つの習慣
・ひといちばい敏感なあなたが人を愛するとき
・成熟とともに限りある時を生きる
・黄色い家
・光のとこにいてね

どれから読もうかな、と悩んでるときも楽しいよね。次は何を読もうかな。

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