日記(クリスマス)
クリスマスだ。
今日は、七面鳥の鳴き声で目を覚ます。
寝室を出て、リビングに行くと家族が朝ごはんを食べていた。
「メリークリスマス」
「メリークリスマス」
「メリークリスマス」
「メリークリスマス」
あいさつをして席に着く。
「今朝はシュトーレンよ」
と母親。
みんなはすでにシュトーレンを食べ始めている。
私シュトーレンを食べていると、
「お向かいの田中さんのところのトナカイが逃げちゃったらしいわよ」
と、母親。
「ええ、それじゃあソリに乗れないじゃないの」
と姉。
「今年は田中さんのところはソリに乗らないつもりなのかい」
と父親。
「そんなことより」
と妹。
「2階のクリスマスリース、床に落ちてたの私直しといたから」
と続ける。
「ありがとう、クリスマスリースで思い出したわ、クリスマスツリーはどこに置いたかしら」
と母親。
「トイレットペーパーの棚のところのじゃないか」
と父親。
「そんなわけないでしょ、そこにあるじゃない」
と姉。
「あれは七面鳥小屋じゃないの」
と母親。
「その横よ、クリスマスツリーがあるでしょう」
と姉。
「あ」
と妹。
妹は続ける。
「トナカイじゃないの」
「田中さんのところのかしら」
「よかったな」
「よかったわね」
「そうだ、クリスマスケーキの残りもあるけど食べる?」
「ええ」
「七面鳥に餌やったかしら」
「私昨日の夕方やったわよ」
「サンタクロースから電話だ」
「こんな朝早くに」
「あ留守電になった」
「田中さんが首輪を持ってトカナイと格闘している」
「トナカイは懐かないって言うからな」
「そういえばソリ?」
「私やっといた」
「ありがとう」
「クリスマスツリーのあれ買わなきゃ」
「オーナメント?」
「そう、西友に売ってないかしら」
「ないでしょう」
「ないわよ」
「あるわけないだろう」
「そうね」
私たちのクリスマスは始まったばかり。
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