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分かってないのは誰?

大好きな人と話していて、気づいたこと。

とても気持ち良く、自由気ままに話す。

不意に、
「ちょっと聞いて」と言われた。

かと思うと、話しも漫(そぞ)ろに
「あ!聞いて欲しいだけ!」
だって。

そんで、うん、うんと頷いて聞いていると、
「何か言うことないのぉ〜」
だってさ。
へ!さっき聞いて欲しいだけって言ったよね〜。

私はとりあえず、コクリコクリとするためだけに使っていた頭を捻りに捻って、自分の意見を口にする。

「そういうんじゃないんだよなー。」

うそん。

そして、その人は再び、自分の思いの丈(たけ)を語り始める。

それはそれは自分勝手なんだろう。
でも、私が快く会話を続けられるのは、その人のことが好きという以外に理由があるように思う。
この人は自分自身のことをよく見えていると思うんだ。
メタ認知っていうのかな。
(前のnoteで少し触れました。)

すこし話を巻き戻そう。

まず、「あ!聞いて欲しいだけ!」
と言った。
もし、この一言がなければ、あの人の、少し深刻そうな話し出し方に惑わされ、私は何か気の利いた返事を求められていると気負ってしまっていたと思う。

Next!
「何か言うことないのぉ〜」
もし、あの人が、黙って話を続けてしまっていたら、私は、最後まで頷き続けるという、最悪の失態を犯していただろう。
「私のこと、分かってくれてない!」と思われるところだった。

極めつけ!
「そういうんじゃないんだよなー。」
もし仮に、私が、頷き続けるという失態に自ら気が付き、意見を発していたとしよう。そこで、あの人が、この言葉を叩きつけてくれなければ、私は、自分いい事言えるじゃんと得意になり、その後、生じうる、あの人との亀裂に、はてなマークを浮かべることしかできなかっただろう。

「あ!聞いて欲しいだけ!」
「何か言うことないのぉ〜」
「そういうんじゃないんだよなー。」

一見、私の方が振り回されているようにも聞こえる。
だけれど、私は、きちんと導かれている。

「あ!聞いて欲しいだけ!」
「何か言うことないのぉ〜」
「そういうんじゃないんだよなー。」

これが、私は言えない方だ。

でも、それが言えないと、「私のこと、なんにも分かってくれないじゃないか!」に行き着くんだと思う。

あの人は、自分自身の要望がよく分かり、的確に伝えられる。
だから、私は心地いい。
きっと、あの人自身も、機嫌よく話していることだろう。

「何も分かってない」と人に不満を抱く前に、まずは自分に「自分の気持ちに気づいてる?」と問いかけてみようと思う。

分かってないのは誰?



#言葉 #雑記 #好きな人 #日記