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UVカット化粧品から「酸化反応」の理解を深める

化学の酸化還元反応の理解を深めるために調べる学習の課題を出してみました。
UVカット化粧品について。UVとは何か?UVカット化粧品の分類。UVカットする仕組み。肌のメラニンとUV。
酸化還元は酸素や水素のやり取りではなく、電子のやり取りという視点を持つ。
身の回りに酸化還元は溢れているます。炎を上げて燃える酸化以外にも多くの現象が酸化と呼ばれます。

太陽光で変色する酸化について学生の5分の発表と私の補足を以下にまとめました。

★UV(ウルトラ バイオレット)と肌

UVは紫外線のことで可視光より波長の短いエネルギーの強い光です。夏に日焼けしたり肌が赤くなるのは紫外線によってメラニン色素が過剰に作られるためです。メラニンは本来紫外線から肌を守る働きをする色素です。UVもエネルギー比較的弱い順からA、B、C波に分類されます。夏場にはB波は強いので特に日焼けします。メラニンが紫外線で酸化して黒いシミになります。夏場以外でもA波があるので肌の健康のため紫外線対策は大事です。

★UVカット化粧品

UVカットの原料のうち、紫外線吸収剤と紫外線散乱剤が有効成分です。有効成分は紫外線を化学反応によって吸収してくれます。また白っぽい粉の成分がチタンでできた散乱剤です。ベースには水系とオイル系があります。オイル系の場合はクレンジングオイルが必要です。

★酸化とは電子を放出する

酸化とは酸素と結びつくこと以外に、化学物質が電子を放出して変化する反応を指す言葉です。紫外線はメラニンという物質が酸化して黒くなる反応を引き起こします。モノが炎をあげて燃える燃焼を焼ける(バーン)といいます。同じようにメラニンの酸化による黒化もバーンといいます。

この光が酸化を進める現象は、銀塩写真の原理にも使われています。日光写真では日光がフィルムの銀の粒を酸化して黒くします。この黒い銀を定着液などの薬品で見えやすく安定させると日光写真になります。

★チタンと紫外線

チタンは紫外線で汚れを分解する光触媒にも使われます。もともとは水に中のチタン電極に光が当たった時に泡が発生する現象を見つけたことから、光触媒能が発見されました。水が酸化還元されて酸素や水素の泡が出来ていました。化粧品にも使われるチタンの白い粉は実は紫外線とすごく縁が深いスーパー金属です。

酸化は、実に多くの化学反応を説明する言葉で身の回りに幅広くあります。酸化というキーワードで化粧品や日焼けを見ると、酸化についての理解が進むと思います。

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