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「息子のボーイフレンド」読了

 題名通り、同性愛を両親という近い立場から見た話。同性愛をメインを取り扱ったお話はモダンラブに続けて二冊目。表紙には手を繋ぐ二人と考える両親の姿。図書室目の前にいたので、読んでみました。

母親・莉緒と父親・稲男への違和感

 息子の聖将からゲイであることを打ち明けられ「バチが当たったんだ」と思う莉緒。バチとは??となって最初は悩みながら進みました。同性愛を否定しない、でも息子がゲイなのは嫌。
会社でレインボーのプロジェクトに意欲的に取り組む中で、息子の彼氏・雄哉「別れてくれ」と言う稲男。わからねぇ……身近だと嫌って、心の底では反対してんじゃん。とは思ったけど、別だと思う人もいるのかぁと思うことにしました。
「すベて受け入れるのではなく、受け入れられないことすらも認めてみたい」anone.より
この言葉が大好きなので。

自己肯定感下がるきっかけあり過ぎ問題

 雄哉の「俺さえいなければ」はもちろん、「同性愛者である自分のことが許せない」と語る人も登場。抱え込んだら、苦しいし、打ち明けても周りの反応次第では苦しい。聖将と雄也は「困らせてごめん」「申し訳ない」と謝るシーンがちらほら。そのシーンの度、その必要ないやんけ……謝らんでよぉとなってしまう。この問題は根強い。

意外に軽く読める作品

 この作品、莉緒・稲男が心を決めるシーン・聖将と稲男がぶつかるシーンがなく、あくまで横から見てる感のある作品。辛さも混乱も喜びもあるけど、いい意味でカロリー高くない。これは通過点に過ぎないという言葉と合わさり、まだまだ日々が続いていく感じがして好きなラストでした。ただ、「稲男さんは結婚してお子さんもいて安全圏にいる。だから、堂々とレインボープロジェクトにいれるんだ」という言葉はまだ浮かんでいる。声を上げたいが、上げられない人がいる。私だってそうだ。でも、私は失うものがあるわけじゃない、なら行動すべきじゃないか。
そう思えた本でした。




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