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双子育児の10年間。今になってやっと思えること

母になって今年で14年になる。
双子の母になって10年。まだまだ修行の身。

双子だとわかったときにはかなり衝撃だったけれど、得体の知れない「わくわく感」が少しあったことを覚えている。 が、その「わくわく感」はそれからほどなくしてやってくる壮絶なつわりとともに消え去っていきました。


息子がお腹にいた時とは違うしんどさに毎日が苦痛で「安定期に入るまで頑張ろう」と、当時周りに言われていた「安定期になるとつわりも楽になる」というはなしを信じていたが、安定期に入っても楽になる気配が全くなかった。


目眩と吐き気、嘔吐、頭痛が一気に押し寄せてきて、症状が何も無いときがなかった。お腹は空くけど物によっては受け付けず、食べれなかったり嘔吐したり。


つわりが少し落ち着いたと感じたのは7~8ヶ月の頃。
ただその頃にはお腹がどんどん出てきて、確か6ヶ月くらいのときにスーパーのレジの店員さんに「もうそろそろですか?」と聞かれたことがあったくらいだから、相当大きなお腹だったんだと思う。
実際に出産直前の私のお腹は1メートルを超えたのだ。
今思えばあんなお腹で過ごしていたなんて、宇宙人だよな~と思う。
お腹が大きくなりすぎてどうやっても寝れない。仰向けはもちろん、横に向いても引っ張られて痛いし呼吸ができない。
検診の時、看護師さんに泣いて訴えたことがありました。


長女は頭を下にして、大きく動くことはなかったけど、次女が逆子になったり左右にクルクルとよく動いて先生を困らせていて。
狭いお腹に二人も入っているのによくそんなに動けたなと、冷静に考えると不思議でした。


妊娠中には肺炎になり入院、妊娠後期には高血圧で入院もした。
最後の入院の時、とにかく甘い物が食べたくて仕方なかったことを覚えています。
高血圧だから少し食事制限もかかっていたのに、お見舞いに来た母が私の大好きないちご大福を何個も買って持ってくる。笑
ロッカーに入れといてそれをコソコソ食べていました。
双子の妊娠中の一番笑える思い出はこの「いちご大福のはなし」かもしれない。辛かった時期だったので、母の行動に救われていたことも事実です。


いちご大福をこっそり食べるときが唯一の私の楽しみであり、至福のときだでした。


自然分娩での出産から1ヶ月間、二人とも貧血が酷く入院することになり、一足先に私だけが退院し家に帰ったんです。
妊娠中しんどくて、なかなか思うように息子との時間が取れていなかった事に申し訳なさを感じていたので、双子の退院までの1ヶ月間は久しぶりに息子とゆっくり関わることができました。
今思えば、たくさん我慢していた息子の気持ちをこの1ヶ月の時間がきれいに消し去ってくれたように思うくらい、濃い時間でした。
「なんだかうまくできてるな、、」と思ったことを覚えています。


そして双子が退院してから、いよいよ本格的な双子育児、3人の子育てが始まった。
ここから双子が4歳くらいになるまでの記憶が私にはほとんどない。
息子のこともうろ覚え。
幼稚園や保育園で撮ってもらった写真を見て「あぁ、そういえばこのときはこんなだったな」と途切れ途切れに記憶が思い出される感じ。


とにかく双子はよく風邪をひいて中耳炎になっていたので、小児科や耳鼻科の先生には本当にお世話になったし、家と病院の往復でほぼ1日の体力を使い切っていたことがほとんどで、そんな生活の繰り返しでした。


ことのきは双子育児が楽しいと感じたことはなく、息子のこと、双子のこと、家のことで一杯いっぱいでした。
それよりも「しんどい」「ゆっくり寝たい」「いつになったら、、」という気持ちの方が大きかった。
育児をしていると、こういうふうに思うことやこういう気持ちを口に出すことは「ダメなこと」と思われがちだけど、私は全然言って良いと思う。
なんで母親だけが「良い母親」であり続けなければならないのか、しんどいときに「しんどい」と言える環境ってすごく大事で、一人の子育てでも大変なのに、双子なんだもん。一度に二人なんだもん。できないことの方が大いに決まってる。
おかあさんをサポートする周りの環境はすごく大事だと痛感しました。


双子は今10歳だ。ほんとに大きくなったもんだ。
しんどい事の方が多かった双子育児も、ここまできてやっと少しの余裕と楽しさを味わえるようになった。
片付けの途中に出てくる小さい頃の写真を見て、いつも思う。
「しんどいことばかりできつかったな。もっと私に余裕があれば、楽しめたのかな」と。


「一度に二人は大変よね」という人もいれば、「しんどいことも二人一度に終わるから良いじゃん」という人もいる。
私から言わせれば、どっちもだ。どっちもある。でも、正解もない。


毎年お祝いする二人の誕生日に、ケーキを前に満面の笑みを浮かべて写真に写る二人を見て、「ハッピーバースデー」を歌ってもらっている時のあの笑顔を見るときが、私は一年で一番の幸せを感じる。このときばかりは心から「かわいいな」と思う。
しんどいことも二倍だけど、楽しいことも二倍ある。


風邪を引いてなかなか寝てくれなかったとき
離乳食がうまく進まなかったとき
片付けても片付けても部屋が散らかってどうしようもなかったとき
病院の待合で機嫌が悪くて泣き止まなかったとき
車の中で急にぐずり始めて焦ったとき
大変だったことはまだまだたくさんあるけど、自分の時間が欲しくて仕方なかったけど、この頃の子育てが、一番、とてもゆっくり流れる時間を過ごしていたように思います。今とはまた違う、貴重な時間でだったな。


最近ふと思う。
気がつけばあっという間に子育ての半分以上が終わってしまった。
大学生になり、息子が家を離れるとしたら、家族で毎日一緒に過ごせる時間はあと数年しかない。これまで過ごしてきた時間よりうんと短い。
毎日いろんなことがあるけど、子育ては今しかない。その積み重ねですね。


世の中のおかあさん、毎日ほんとにお疲れさまです。



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