仏像の修復②(解体作業)
仏像に使われている鉄釘や鉄鎹は、錆びて膨らんで、材を割ったり、周りの木質を炭化させてしまい、像を傷めてしまいます。なので、これを全て除去しつつ、像を壊さないように解体します。錆びた釘を一旦叩き込んで、錆を切って、矧ぎ目に楔をいれたりして、解体していきます。
鉄釘は全部取り去ります。
部材を全部解体出来たら、並べて写真を撮ります。全部解体した証拠写真でもあり、どのような材が使われていたか、後に検証する貴重な写真になります。仏像はだいたいこんな感じで、細かい部材が組み合わされて作られています。
立体的に並べるとこんな感じになります。
部材の状態でも、製作年代のヒントになる部分もあります。
体幹部前面材が床に接地するように「心束」という部分が設けられていました。これは中世の像の特徴です。
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