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仏像の修復③(修復作業)

腐朽して弱くなってしまった部分には、合成樹脂を含浸して強化します。

虫穴には漆木屎(漆+小麦粉+木粉)というものを詰めて補修します。

目には水晶を嵌める「玉眼」という技法で作られています。裏側に目玉が描かれています。その後ろに白眼となる紙が置かれて、それを抑える抑え木が付けられているはずですが、それが、無くなってしましたので、新しく補いました。目の表情が甦った感じになりました。

接着剤と、錆びないステンレス釘を用いて組み立てていきます。木は収縮していたりするので、プラモデルのようにはピッタリとは組めません。歪みを逃がしながら接合していきます。

小さい欠失箇所は漆木屎(漆+小麦粉+木粉)で補修しますが、大きな部分はヒノキ材を彫って欠失部分を補います。これは別の御像のものです。


矧目(部材の継ぎ目)もヒノキ材や漆木屎で補修していきます。
カタチをあわせていって、補修した部分にだけ色を置いて仕上げます。

色合わせの様子です。補修した部分にだけ色を置きます。この時は錆漆(漆+砥の粉)も使いました。


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