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作品ジャンル

稀ですが、初めてお会いする方に「どんな作品を創っているのか?」と訊かれる事があります。

「そうですね……色んな事柄を題材にしています」
ただ、このようにしか返答出来ません。

瞬時に答えられない事が体現していますが、僕が今まで制作して来た作品は、風景・動物・植物・仏画・浮世絵……と、統一性が全くありません。

無論、それは僕がアーティストとして、無個性に等しいだけなのかもしれません。

やはり、個性と言う単語の印象や意味には、〈他と異なる性質・特有の性質〉というものが存在しています。

個展などを催すと「すべて違うアーティストさんの作品みたい」とお客様から言われる事もしばしばなので、僕ならではの「表現」というのは模糊的、或いは皆無なのだと、自らも認識しています。

ですが、僕は逆に「個性を感じられないのが、一つの個性」だと考えています。
楽観的だと思われるかもしれませんが、それには二つの理由があります。

一つは、人が興味を抱くものは多種多様という事です。
ノージャンルで幅広い作品だからこそ、多くの方々に観て頂く端緒になるのでは、と思います。

そしてもう一つですが、多様な作品を創る際には、各々違った技法の応用が求められるという事です。

1.作品に適当な技法の思案
2.実際に試す
3.不本意な結果となり失敗
4.再び技法を模索しアレンジを加える
5.ようやく理想に近付く

上記のようなルーティンが、僕の制作の中にあり、その試行錯誤の中での気付き・発見を、更なる創作への糧として活かせるのです。

正直、上手く行かなければめちゃくちゃイライラしますが、もしも僕の作品が一極化すれば、こういった好循環は生まれません。

ただ、得意な表現を極める事もやはり重要な事です。

ですので、広い範疇の作品を創出しながらも、全てに於いて妥協せず、どんな被写体を木版画にしても、その魅力を最大限に引き出せるような彫りと摺りを心掛けています。

長くなりましたが、畢竟、僕が作品制作に掲げる信条は「ジャンルはノージャンル!(勿論、全作品の出来栄えを最高にする)」なのです。

ひとりごとを拝読頂き、有難うございました。

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