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【読書感想文】     地球星人/村田沙耶香

 村田沙耶香先生の地球星人を2年ぐらい前に読みました。通勤の合間の電車内で数十ページずつ読んでいました。個人的にはかなりどっぷり浸かるぐらいには面白くて読後感も良かったです。

 フィクションですけれど、いろいろな形の幸せが受け入れられるような世界で素敵だなと思いました。受け入れられたとまでは言えないのかもしれないけれど。

 フィクションだからこそ作品としてそう(素敵だなと)思う部分もあるのだろうけれど、まあこのくらいとは言はなくても多様性とかいう簡単な言葉で済ませるのも嫌なんですけれど、多様な生き方を理解出来なくてもそういう人がいるんだなと知ってくれる人が増えればいいなと思いました。

 内面に秘めた狂気と言われるようなものが日常に溶けていて、周りの人にもそれをゆっくりと伝染というより中和させていくような、少しずつ濃度を高くしていくような!異常ではないようにしてしまう感じが主人公的でいいなと思いました。

きっかけ

 2016年頃、池袋をふらっとウィンドウショッピングした帰り道にソロで弾き語りをしている方に出会いました。
 その方の奏でる響きは童謡のようでもある親しみやすい音に、素朴なようで色のある異国のような新鮮さや急な激しさを含んでいるけれど、とても身体に馴染むようでメロディでした。等身大のようだけれど私にはわかりきらない事がわかるような不思議さがあり、でもどこか側で寄り添いたくなるような魅力的な歌詞をうたう人でした。
 もうここまで書いたら当時同じ時間に同じ空間に居た人は確実に誰の事だかわかるぐらいの情報です。

中略

 その人がTwitterでこの本を読んだけれど〝おすすめはしません〟 と言っていたので書いました。

やめろと言われるほどにやりたいだろ

↑本当におすすめをしていない気はしました

 好きな人が好きなものを知りたいという気持ちが人一倍強い私がその逆の事をわざわざする……例えば「あなたの嫌いな人はどんなタイプ?」というような相手が不快に思うものをわざわざ一瞬でも脳裏に浮かばせるようなネガティブな話題を振るようなことはそこまでしません。
 でも、好きなものが合う人よりも実際気が合う同性の友達は嫌いなものが一緒なことも多いのが事実です。もっとも、嫌いなものが合うということは好きなことも合うし、思考パターンが似ているという事なんだろうなと思います。それは多感な幼少期の頃の経験や家庭環境に基づいていることが多くあると思います。これはまた今度どこかで話すかもしれません。

ひとりの〝ファン〟として

 とりあえず、ファン的な意味で好きな人が読んでいたものを読みたいと思ったのがきっかけです。
 好きな人が見た景色を自分も観たいし、これからもっと素敵なところへ一緒に出向きたいとか、綺麗な場所や空間や時間を共に過ごしたいとか、美味しいものを食べた時にあの人にも食べさせたいと思う気持ちに似ていると思います。

結局どうなのよ

 個人的にはめちゃくちゃ面白かったので、おすすめです。これを面白いと思える人は私とも仲良くできる気がします、上から目線でゴメンと思うけれども。

他にも、映画のミッドサマーとか
漫画だとホムンクルスとか
楽しめる人は好きだと思います。

それでは
           2023年9月28日木曜日

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