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名誉教皇の帰天

昨年末のニュースになりますが、前教皇(名誉教皇)、ベネディクト16世が帰天されました。95歳でした。

Wikipediaより

教皇としては265代目にあたり、2005年、前教皇(264代教皇)ヨハネ・パウロ二世

Wikipediaより

の帰天に伴い教皇に選出されました。

出身はドイツ。若くしてドイツでは神学者、司教として名を馳せた人物で、ヨハネ・パウロ二世が最も信頼する側近でもありました。

教義に厳格な立場を貫き、保守的な立場をとることが多かったものの、時には独走する復古派を厳しく糾弾するなど、基本的には教会の一体性と文化の継承を希求した教皇と言えるでしょう。また、カトリック教会のスキャンダルへの対処に追われ続けた在位期間でもありました。

ヨハネ・パウロ二世が冷戦末期の世界において世界平和を目指し「空飛ぶ聖座」と称されるほど精力的な歴訪活動を行った方針を継承し、海外を歴訪しました。
また、第一次世界大戦時に世界平和に尽力したベネディクト15世の名である「ベネディクト」を名乗った経緯からも、その決意のほどが伺えます。

また、ヨハネ・パウロ二世はポーランド出身、ベネディクト16世はドイツ出身で、いずれも400年以上にわたって伝統的だった、「教皇はイタリア人」の慣習とは異なる出身でした。

なお、現教皇のフランシスコもアルゼンチン出身。

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しかも、所属教派は日本でもおなじみのイエズス会です。

こう考えると、カトリックの伝統もかなり変化しつつあるようです。

ちなみに、地理的に見ると
・ポーランド
東ヨーロッパに位置し、スラヴ民族が主体(96%)の地域でありながら、宗教ではカトリックが優勢(89%)。
※一般的にスラヴ系民族は正教会の信者が多い

・ドイツ
西ヨーロッパに位置し、ゲルマン民族が主体(88%)だが、カトリックとプロテスタントがほぼ拮抗している(どちらも30%ほど)。
※一般的にゲルマン系民族はプロテスタントが多い

・アルゼンチン
南アメリカに位置し、スペイン系及びイタリア系白人が主体(87%)。宗教ではカトリック優勢(70%ほど)。
※中南米は総じてカトリックが優勢、アルゼンチンはウルグアイと並んで白人人口が多い。ブラジルは50%ほどが白人。

この辺りはチリの事項として知っておいた方がいい部分です。折角ですので是非。

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