【読書感想】ナナメの夕暮れ 若林正恭
この本の概要
感想
ウォーキングで「オードリーのオールナイトニッポン」を聞いてる流れで、若林と親交がある山ちゃんの本を読んだので、今度は若林の本を購入。
山ちゃん同様、とことん内省&社交性低めなタイプなんだけど、若林の方がより生きづらさへの自覚が強い感じがしました。
私自身、たぶん社交的なほうだし今はあまり人見知りもしないので、生きづらさを抱えてるか、というとそこまでではないと思うんですが、でもそんな私でも、彼の言う社会に対する生きづらさみたいなのはめちゃくちゃわかるな、と思いました。
で、そんな彼も歳をとりおじさんになっていくなかで、少しずつ考え方や見える景色も変わってきたんだそうで、その変化もまた、同年代としてはすごく共感。なんかいい感じに楽になってくるのよ、30後半あたりから。
あと、やまちゃんも若林も、自分の内面のきれいじゃない感情もけっこうさらけだしているんですが、それってすごく勇気のいることだと思うので、その勇気になんか感心してしまいました。
私たち一般人だって、自分の感情を表現するのはハードル高かったりするし、ましてきれいじゃない部分も出すって怖いと思うんです。
それなのに、印象や好感度が我々以上に大事な芸能人が、ここまでオープンに書くのか〜と思うと、なんだかホント、こういう人たちは身を削って仕事してるんだなぁと。
リスペクトしかない。
もともと好きだったけど、オードリーがますます好きになりました。
「たりない2人」もいつか観に行きたいと思ってたんですけど、この本のあとがきによると、解散しちゃったそうで、もう劇場でみれないっぽいです。
悲しみ…。
ワタクシ的名言
故前田健さんに関するエピソード。「幸せになったもん勝ちよ」とよく若林に話していたまえけんさん。
「幸せ」はかんたんなようで難しい。自分がどうなったら幸せなのか、わかっているようで意外と出てこないこともあるし、言語化することから目を背けてしまうというのも実はけっこうあるんじゃないかと思う。
まえけんさん、いい人だったんだなぁ。
他人への否定的な視線が、時間差で自分に返ってきてしまい、世界を否定するようになってしまったところから、自ら肯定ノートを作り、自分の好きなことや嫌じゃない事をかき続けたらだんだん好きなことが増えていったという話。
他者への否定が自分に返ってきて世界を否定するようになるっていう世界観がエヴァンゲリオンの世界の心理描写のようだ…。
それはおいとして、この「好きなことがあることで朝起きる理由になる」というのが本当にそのとおりだなぁと思って。
バスケの試合がある日は楽しいし、仕事終わったらBTSの動画を観ると思えば頑張れる。
自分の好きなことを他者に話して興味を持ってくれたら嬉しいし、他の人が好きなものとその魅力を聞くのも無条件に楽しい。
何かを好きというのはそれだけで生きる理由になる。冷笑なんか無視して、好きを互いに尊重し合える世界にしていきたいものよ。
AI科学者との番組のなかで、分析できるたくさんのデータがあれば、AIでいいネタが作れるという話を聞いたときの話。
私もあまり精神論は好きではないのでこういう考えの方が好きだな〜と思いました。
今の時代は情報がたくさんある分、自分の行動でデータ総量を増やしていくよりも、誰かの体験と分析結果に乗っかりたがることが多いと思う。でも誰かの体験と分析結果は、自分の環境でも通用するかはわからないので、横着せず、自分の環境用に自分で挑戦してデータをためていく作業を怠ってはいけないな、と思いました。
エッセイはその人が日常で考えてることがわかっていいですね。
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