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【読書感想】多様な自分を生きる働き方 中村龍太

この本の概要

「人的資本(経験)」「社会資本(つながり)」「金融資産(お金)」という3つの資本・資産を組み合わせて考える「複業ポートフォリオ」を紹介。実際に、この考え方で複業をはじめた先輩達の事例も掲載。副業をはじめたい人や、今の働き方に不安を感じている人に向けて、幸せな人生を実践できる“複業”のはじめ方をまとめた。「複業のバイブル」。
「BOOK」データベースより

サイボウズの社長室室長で、コラボワークス代表でもある中村龍太さんの複業に関する本です。

私もサイボウズで働いてるんですが、出社してた頃は、龍太さんとは席が近かったこともあって、ときどきざつだんしたり世間話したりすることがありました。

龍太さん、ホント、ステキなんですよね〜〜。
なんなんだろう?
空気感とか雰囲気とかが軽やか。
で、私のようなペーペーな奴にもニコニコと話をしてくださるし、話をきいてくださる。

今まで「こういうふうに生きたいなぁ」って思う人って自分にはいなかったんですけど、龍太さんの軽やかな生き方やコミュニケーションのあり方は、私の理想にけっこう近い気がしています。

イメージに近い言葉は「自然体」。
必要以上に自分を誇張することも小さくみることもなく、できることやすべきこと、やりたいことをシンプルに楽しんでいて、肩肘張らず、リラックスした状態でいる。
で、それが仕事になり趣味になり生き方になる、みたいな。
もちろん、人間なので実際はご苦労されてることもたくさんあるんだろうし、軽やかにはいかないときもあるだろうけど、それも含めて、自然な佇まいであろうとしてる様がステキだわ〜と思います。

昨年の自社イベントで久しぶりに龍太さんとお会いしてお話できたので会場で購入。サインしてもらいました(^_^)いえい!

3つの資本・資産

この本では、人が生きるうえで必要となるものを「人的資本(スキル・経験・知識)」「社会資本(人とのつながり)」「金融資産(お金)」の3つに分類し、その資本・資産をベースに、自身のポートフォリオを描いていこうよ、と伝えています。

ちなみに、この本では「副業」と「複業」は別ものとしてとらえています。

副業:
・収入を得るために携わる本業以外の仕事
・目的は副次的な収入

複業:
・副業が「=サブ」なのに対して、複業は「=パラレル・マルチ」
・目的はお金だけでなく、スキル、つながりも含む

「副業」というと、金融資産を増加させるためだけの視点で語られがちです。ですが、必ずしも対価がお金である必要はありません。「人とのつながり」や「スキル」など、自分が得たいと思うものが得られるならば、それもまた対価になりえます。

で、この本で龍太さんがとりあげているのは「複業」の方ですね。

たとえば
「会社は金融資産と人的資本の生産のために、地域のコミュニティ活動は社会資本と新たな人的資本の習得のために」
など、ひとつひとつの場で自分はなにを得るかを考え選択していくことが、自分の人生を豊かにし、他者の思惑に人生を左右されないために必要なんじゃないかな、と思います。

この本では、龍太さんの経験だけではなく、ユニークな働き方をしている人たちの事例がたくさん紹介されています。
どういう思いがあって今の働き方になったのか、働き方を変化させる前と後で、3つの資本・資産はどう変わったのかをみることができるので、今後長く続く人生、どんなふうに作っていきたいかを考えるにはとても役に立つ本です。

私の資本・資産をながめてみる

私は、企業で時短で働く「会社員」でもあり、子を育て家を維持する「主婦」という立場でもあります。さらに、昨年からは、「Gallupストレングスコーチ」という立場も加わり、ほそぼそーーとではありますが、企業研修やコーチングを行う複業もはじめました。

この本では、それぞれの人たちの働き方の変化と3つの資産の変化をグラフで表しているのですが、私も人生全体で考えるとけっこう変化してるし、いい機会だから可視化してみようと思いまして、本に倣ってグラフ化してみました。

なお、本のなかのグラフは、変化の前後という2軸だったんですが、いろんな変化のタイミングで見てみたいと思ったので、4つの時間軸でながめてみることにしました。

先に軽く時間軸について補足しておきます。

2009年 結婚してるけど子どもは産んでない状態。残業もしてバリバリ働いていました。リーダー的なポジションでもあったし、うまくいかないこともありつつ、仕事も自信を持ってやってて油がのった状態だったのではないかと思います。

2015年 子供が2人(長男5歳、次男2歳)いて転職した年です。

2020年 三男を出産後、2019年に仕事復帰し、部署移動。

2023年 未来。三男が小学生にあがる頃。

私の金融資産

お金の変化からみてみます。
2009年、前職はお給料低めなところだったので、フルタイムで働いていても大した金額ではなかったんですが、それでも子どもを産む前が私の人生でいちばんお給料が高かったです。
ちなみに産後は時短勤務で残業しない仕事に変わりリーダーでもなくなったので給料はそれはもう見事に減りました。悲しかったですが「働けてるだけマシか」と思ってました。

2015年に転職しましたが、希望年収で前職の給与ベースのまま希望をだし、それがそのまま通ったので今の会社の他の方たちの水準で言うと、ものすごく低い給与での入社だと思います。

2020年、育休復帰してから異動したりしました。会社の給与は微増って感じです。
ストレングスコーチとしての複業をはじめたのでそこですこーしだけ別の色味が追加されました。

2023年はまだみぬ未来ですけど、会社は現状維持的な感じにしつつ、複業で金融資産増やす方が現実的なんだろうな、と思っています。
会社で給与をあげるのは大変すぎるわりに上がり幅もそうでもないんじゃないかな、と思ったりしまして…。
もちろん、複業もうまくいくか未知数ですけど、複業は自分の判断で自分で好きなように舵をきれるぶん、覚悟をもちやすいしモチベーション作りやすい感じがします。

私の人的資本(スキルとか)

2009年、前職はIT系のお仕事だったのでそれ系のスキルが中心でした。

2017年、今の会社でマニュアル作ってましたが前職ではそれなりに調べたりしていたITの知識やトレンドも、そこまで細かくおわなくなってしまったのでIT系の知識は目減りしてます。たぶん、グラフで表してるよりもっと激しく減ってたんじゃないかなぁ…。
マニュアル制作の流れで製品知識も多少は得たけど、これもたいしたことないんだよなぁ…たぶん。そして人前に出ない仕事なのでプレゼンスキルも無用の長物に。
マニュアル制作がきらいなわけではないし、やりがいもおもしろみもあったんだけど、当時は、自分のスキル的な伸びしろが見えなかったというのもあったのかもしれないです。
(でも、今のマニュアルチームの動きとかみてるとたくさん発信したりしててすごいぞーと思うので、今、復帰したら異動しなくても楽しめただろうな、とも思う)

2020年、部署移動して一年くらい。異動してしばらくしてから「あー。スキルがゼロクリアされるって地味にきつい…」と痛感。
スキーだったら余裕ですべれるのに、スノボになったらにっちもさっちもいかない…みたいな感覚とでもいいましょうか…。ちゃんと、自分ケアしないともともと低い自己効力感がガンガン落ちる感覚があります。
もちろん完全にスキルがゼロクリアされたわけではないけど、周囲の同世代が一線で活躍しまくりですからやっぱりつらいですよね。

部署異動して得たスキルは緑色で表してみたんですけど、「マーケティング知識」とか「インサイドセールス」とかちょっとかっこいいめに書いたもののめっちゃ恥ずかしいわ…。
たぶんまだグラフ化しても糸一本くらいの知識とスキルしかないよ(笑)このグラフ、だいぶ盛ってしまった。

私の場合、会社での立ち位置ってこれからも変わる可能性あるので未来はわかんないんですけど、自分のトータルのキャリアで考えると、複業のコーチングを磨いて、そこを40歳以降の自分を支える土台にできるといいなーと思ってたりします。

あと、これ、すごく大事な主婦業が抜けてるんですよね。大事なもんを抜かしちゃったよ。

龍太さん的にみると「主婦」もひとつの複業です。金銭は発生しませんが、「主婦」という立場や役割から得られるものも多くある、という考え。

「こんだけ責任重大で重労働なタスクが金銭ナシってひどいわ…」
とか
「それは体のいいやりがい搾取な発想では…」
とか正直思ったりもしますが、でもまぁ得られるものはたしかにたくさんあります。

・家事スキル
・人をゼロから育てるスキルと経験値
・圧倒的成長支援スキル
・理屈じゃどうにもならない体験
・いい意味でのあきらめ力(悪い意味でのあきらめも含む)
・タイムマネジメントスキル

などなど。
これら主婦&親スキルをグラフにプラスすんの忘れちゃった。

私の社会資本(人とのつながり)

けっこうざっくりですが、歳を経るごとにより多様になってますね。

2017年、転職によって前職の人とのつながりは減りましたが代わりに今の会社の人とのつながりは増えました。
あと子どもが産まれて地域とのつながりやママ友という新しいジャンルのつながりがうまれました。子が増えると仲の良いママ友も増えるので少しずつ増えてます。

2020年、コーチング関連という新しいつながりもうまれました。これもまた増えていくんじゃないかしら?と期待しています。

やみくもにつながり増やすのがよいこととも思いませんが、楽しいと感じる場を複数もてるのは自分のセーフティネットにもなると思うので、やりたいことやって楽しく会話できる人が増えてくのはハッピーなことなんじゃないかしら、と思ってます。

今年は読書記録をもっとかんたんに書こうと思っていたはずなのに、自分を振り返ってたらちょっと楽しくなっちゃって、めちゃくちゃがっつり書いてしましましたわ。

疲れた。

でもやっぱ読むだけじゃなく、こうして可視化すると自分の生き方を噛み締められていいですね。

未来の自分がどうなるかはわからないけど、今の自分の自己効力感は少しあがった気がします。

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