【読書感想】失敗の研究 巨大組織が崩れるとき 金田信一郎

「研究不正」を生んだ理研、全国制覇から転落した代ゼミ、不敗のビジネスモデルが機能不全に陥ったマクドナルド、オンリーワンを生かし切れなかったベネッセ―。なぜ、21世紀に入って巨大組織が不祥事を繰り広げているのか。巨大組織が陥る6つの病(肥満化、迷宮化、官僚化、ムラ化、独善化、恐竜化)。長年、経済事件を追い続けてきた記者が、20の失敗事例から組織崩壊のメカニズムを解明する。
「BOOK」データベースより

この本の概要

数年間積ん読だったやつです。積ん読ゼロにしたく読み切りました!!

いやーーー、個人的に読むのがしんどかった…。
まず、最初から最後まで大企業の失敗の話はなんですよ…。全部失敗事例だから読んでて悲しくなるし、経済とか経営とか興味ないし(←大人としてどーなんだっていう発言ですが、興味の範囲ではないので仕方ない)、取り上げる事件が2015年とかけっこう前のもので事件を覚えてない(っていうかあまりニュースを見ていない)など、色々個人的な要因がありまして、後半は流し読みになっちゃった。

前半は小保方さんの理研の事件とか、ベネッセの情報流出とか、ロッテの親族争いの話とか、日本の大企業や大きな組織8つの事件の細かい話。後半はそれ以外の企業の失敗事例も交えながら、これら組織に共通している失敗の要因について作者なりの見解を語ってる感じ。
見解にはおおむね納得。でも、具体的な解決策までをちゃんと提示してるわけではないので、読んだところで失敗しなくなるわけではないと思う(笑)
基本的に失敗してる企業のだめなところをあげつらう感じなので、なんかこう…自分が中の人の立場になってしまって、あんまり読んでて気持ちよくはなかったです。

ロッテのお家騒動

我が家も3人の子どもがいる家庭ですので、ロッテのお菓子には日々お世話になってるわけですが、そんなロッテ、ずいぶんと揉めてたんですね。昔ニュースになってたのを聞いたことあったけど詳しいことはわからなかったのでこれを読んで「へぇぇ」となりました。
もともと、創業者の重光武雄という人がロッテの創業者で、この武雄さんには長男の宏之さんと次男の昭夫さんという息子さんがいるんだそうです。
宏之さんは日本のロッテ、昭夫さんは韓国のロッテを動かしていたらしく、会長の武雄さんが最終決定者みたいな構図だったらしいのですが、宏之さんが日本で失脚して、次男が後継者?!みたいになってから色々おかしくなりはじめ、兄と親父が組んで日本の本社ビルに乗り込んでクーデターを起こしたり、韓国の国会で昭夫さんが騒動起こしてごめんなさいって謝ったり、めっちゃ揉めてんの。

事業の売上的には韓国の方が圧倒的に数字が大きくて、でも株式の多くは日本側が多く持ってて、社員の持ち株会も30%くらいあるから、株式の保有が複雑に入り組んでるうえに長男次男で揉めてるところの権力どっち?!が持ち株会の理事がどっちにつくかで変わる…みたいな、そんな韓国ドラマみたいな世界。(詳しく書くのが大変なのでものすごくはしょってるので詳細を知りたければぜひ読んでください。)

で、気になって調べたらお父さんの武雄さんは今年の1月にお亡くなりになったそうです。
お家騒動もまだ続いていて、弟さんが今のところ優勢らしいのだけども、兄は経営権を取り戻すべく色々動いているとか。

男の子が二人出てきた時点で私はもうお母さん脳になってしまったので、お母さん視点なんだけどさ、まず後継者で揉める前にそこらへん親もはっきりさせておきなさいよ。。。
武雄さん、ちゃんとそこまでやってこその会長ですし、親でしょうが…。騒動の途中で倒れてから車椅子になって耄碌しちゃったのかもとか書いてたけど、そうなる前にちゃんと後継者問題どうするかとか伝えておいてほしいよね。

せっかく育てた自分の子どもたちが互いに助けあえずにいがみあって、他人も巻き込んで何年もケンカしてるの、お母さんはすごくヤだわ…。
正月とかどうしてるんだろ。親戚で集まったりできないじゃんね、こんな派手なケンカしてたら。。

大きな組織を動かすのはすごいことだし、立派だなと思うけど、足もとの家族や、互いに疑心暗鬼な環境に陥ってまでその組織を守って、いったい誰が幸せになるんだろうか。
なんだか悲しくなっちゃう。

組織を変えるのって本当に難しい。

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