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【読書感想】「嘘をもうひとつだけ」 東野圭吾

読了日:2012/7/6

刑事加賀恭一郎シリーズの6作目。
長編だと思っていたら短編集だった。

・嘘をもうひとつだけ
とあるバレエ団の事務員がマンションから自殺。加賀は同じマンションに住む元バレリーナを訪ねる。

・冷たい灼熱
自宅で奥さんが絞殺されて死亡。一歳の息子は行方不明になる。
加賀は失意の夫をある場所に連れていく。

・第二の希望
母子家庭の親子の部屋で、母親の交際相手が殺される。
誰が彼を殺したのか。加賀は推理する。

・狂った計算
妻を駅まで送った夫がトラックに潰され死亡。
その妻の元に加賀が訪れる。

・友の助言
居眠り運転で事故を起こした友人の病室に加賀が訪れ、語りだす。

短編集だけど、それぞれのストーリーで、悲しい余韻があとに残って、いい作品だけどしんどかった。夫婦や親子に関連しているものは、特に心にくる。

家族が家族の方をきちんと見て、向き合うということは、簡単なようでいてとても難しい。
仕事や、外の刺激や、過去の夢など、何かに逃げたり、目をそらしたり…。悲しいことだ。
悲しい結末になる前に向き合うことができればよいのだろうが、やっぱり現実は難しいのだろうな。

人と真剣に向き合うのはとってもしんどい。
無理に会わなくてよい程度ならまだしも、
向き合って対話して、継続していかなければいけないんだものね。
目をそらせる方に、人は簡単にいってしまうんだろう。

それにしても、小説にでてくる男たちのなんともムカつくこと!!
東野圭吾の作品にはいい男が全然でてこない。
やなヤツばっかり。

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