【読書感想】指を置く 佐藤雅彦・齋藤達也
この本の概要
感想
前に読んだ佐藤雅彦教授のエッセイで、「指を置く」展が紹介されていて、めちゃくちゃ気になり芋づる式に購入してしまった本。
これは紙の本じゃないとダメなヤツです。
本の中身は半分以上がイラストで、そこに指を置いてどんな解釈がうまれるか、脳がどのように解釈していくかを感じるっていう不思議な体感型書籍。
おもしろかった!
脳がこの状況をどう解釈するかを感じながらひとつひとつのイラストに指を置いてみるんだけど、脳が勝手に施す解釈にまみれて日々過ごしているし、その解釈がナチュラルすぎるので、よくよく考えれば不思議なんだけど「え。でもこれって当たり前じゃん」って思ってしまうものも多くて、自分の脳が勝手にやってしまう解釈を俯瞰して感じるのって難しいなぁと思わされました。
指を置いてみて改めて思ったのは、我々は目の前にあるものをそのまま理解しているように思っているけど、実はありのまま物事をみるというのは極めて難しくて、「脳が勝手に施す解釈」というフィルターを通してしか物事を知ることができないのだな、ということ。
この脳が勝手にやってくれる解釈は、生きていく上でとても便利でもあるんだけど、この解釈が、ときに真実を歪めてしまうものでもあるのだと思う。
他者とのコミュニケーション上のトラブルの多くは、各々が独自に解釈を施したが故のものがほとんどなんじゃないかと思うので、自分の思考には常に偏った解釈が含まれているというのを自覚したうえで思考していく必要がある気がする。
自分を信じるけど信じないでおくというか。
こういうビジュアル中心の本って滅多に読まないので脳にもいい刺激になりました。
たまにはこういうのもいいね。
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