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【読書感想】「想いをカタチにする」ポジティブ思考 富樫勇樹

この本の概要

大切なのは自分のスタイル。人の真似をいくらしても、それは決して自分ではない―。BリーグNo.1ポイントガードが教える、成長し続けるための思考法。
「BOOK」データベースより

私が応援しているBリーグチーム「千葉ジェッツふなばし」のポイントガードで、日本代表メンバーでもある富樫勇樹の書籍!
この本が発売されたのは2020年でオリンピック開催前なんですが、今さらながら読んでみました。

感想

インタビュー記事や動画もしょっちゅうみてるので、彼がポジティブな人というのは前からわかっていましたが、この本を読んで改めて思いましたよ。
彼はホント根っからのポジティブマンだね。

山里亮太や若林など、内省強めだったり、マイナスなところが気になって仕方ない人たちのエッセイをちょっと前に読んでたから、考え方のギャップがすごい(笑)

人の性格や気質は、かなりの割合で生まれつきの部分もあるので、「私も富樫みたいにポジティブになる!」と頑張っても、なかなか難しいところもあるとは思います。
ただ、こういうポジティブな考え方をする人が近くにいると影響されるところがあるのもまた事実。

私、もともとネガティブ気質なところがあって、一人でずっと考えてるとネガティブスパイラルに陥ってたし、「どうせ私なんて…」みたいな卑屈な考えもしてたんですけど、スーパーポジティブな夫といるようになって、だいぶ変わってきた自覚があります。
で、生まれ持った気質はもちろんあるけど、ポジティブに考えられるようになった方が、ハッピーになりやすいだろうな、とも思います。私も夫の影響で前向きに考えられるようになったら、あんまり悩まなくなりましたもん。

ワタクシ的名言

何か新しい物事を始めようとする際、周囲から「無謀」だと言われ、諦めてしまう人も多いかもしれない。ただ、そのときにふと立ち止まって考えてみてほしい。それは本当に「無謀」なのか、それとも「挑戦」なのかと。 それが「挑戦」であれば、必ず何かを得ることができるだろう。
p39 「挑戦」という意識を持つ より

若林の本にも書いてたけど、行動の総数がその人の学びと経験値あげにつながるわけだから、無謀にみえることでもやってみるのは総数を増やし最高パターンを導きだすためにも大事なこと。
と、わかってはいるけど、でもなんでか人は自分の行動には慎重になるし、他者の挑戦にも色々いいがちよね。
特に子どもには失敗してほしくないからブレーキかけるような発言をいいたくなる。

富樫が高校からアメリカに行くと決めたとき、父親は「おう、そうか」だけだったけど、母親からは「ほんとに行くの?」って100回くらい聞かれたと書いてて(笑)。お母さんの心境めっちゃわかるわ、と思いましたもん。
私も、「福岡第一行きたい」なら「おう、そうか」だけど、「アメリカ行きたい」って言われたら100回くらい聞くと思う。

チャレンジしようとしてる人に「無謀」と言う人は、目指すゴールが「失敗しない事」なのかもしれないね。ま、それが悪いことかというとそうでもないし、どちらかというとヒトの自然な心理なんだろうけど、そこを目指してたら自分の成功パターンを見つけ出すのは難しくなるのかもしれない。はみ出したりつまづいたりしないと、自分の境界線ってわからないもんね。

このように、自分でコントロールできるところには責任を持ち、そこにすべてのエナジーを注げというのが大野ヘッドコーチの考えるバスケのスタイルだ。僕はこの考え方に強い共感を抱いている。
p87 自分でコントロールできることには責任を持つ より

「自分のコントロールできるところにフォーカスする」という大野さんの言葉はこれまでのインタビュー記事や千葉ジェッツの公式ブックなどでも出てきます。
私もこの考え方にすごく強い共感を抱いていて、この大野さんの考え方を知ったことで、仕事や人との関係性において、イライラが長期化しなくなったように思います。
コロナ禍の話もこの本のなかででてきますが、コロナも、審判の笛と同様、自分が(というか人類が)コントロールできないところなので、そこは割り切っていたというようなことが書かれていました。
アドラー心理学でいう課題の分離に近いのかな?

千葉ジェッツに所属してよかったと思うのは、チームメイトやスタッフに恵まれたことだ。チームとしての目標と僕個人の目標の間にズレを感じることはなく、同じ目標に向かってバスケができているという実感もある。
p99 自分より才能ある人に巡り合える幸運 より

バスケ界各チームの選手スタッフ含めたチームワーク状況や組織構造を知りたいなぁとよく思います。

「チームワークあふれる社会をつくる」という理念をかかげているサイボウズで働いてることもあって、組織のなかの関係性部分に興味があります。
選手間&会社組織全体の組織構造やメカニズムと、チームの強さの因果関係がどんくらいあるのか、知る事ができたらおもろいだろうな、と。

今のBリーグでもコーチの暴言暴力による制裁や、会社経営のゴタゴタみたいなのが漏れ聞こえてくることがたまにありますが、そういう組織って組織の発達段階でいうと、レッドとかアンバーに近いんだろうなと推測できます。
そういうチームや組織が実際どこまで強さを発揮できるのか?
チャンピオンシップ常連のチーム(宇都宮、千葉、東京、川崎など)はどういう組織状態なのか?プロスポーツチームの世界において、もっとも勝利に結びつくのはどういう組織構造なのか。ティール的な組織なのか?意外とアンバーな組織のほうがイケるのか?など、すごく知りたい。

ジェッツは企業理念をはじめとした目指すべきスタイルがとても明確で、それが選手だけじゃなくスタッフにもブースターにも浸透している。(ブースターに関してはグラデーションがかなりあるけど)
共感できる共通の理想があって、そのうえで役割分担が明確にできているので、今のジェッツは強いんだろうな、と思うんです。

自分の成長が人より遅かったとしても、相手のしていることをいくら真似たところで、同じ結果を得られるわけではない。自分と他人は違うのだ。大切なのは、比べたり真似たりすることよりも、自分をよく知って、自分に合った解決法を見つける姿勢だ。
p139 他人と比べてもいいことはない より

これと同じようなこと、若林の本にも書かれていました。

ぼくは、それを作る手筈を手に入れるために、とりあえず誰もやっていないことをやっていて、笑いも取っている先輩に近付いた。どうやら、誰もやっていないことに到達する前に、「自分の特性」を経由していることに気づいた。相方が「上から目線」であることはどうやら相方の特性だった。そして「ツッコミが冷たい」ことはぼくの特性らしかった。そのネタを引っさげ事務所のネタ見せに臨んだ。
ナナメの夕暮れ 若林正恭 オリジナル p96より一部抜粋

他者と比べる方がかんたんだし、わかりやすい。そして自分を知るというのはなかなか難しい。
でも、前向きに生きていくには、どこかのタイミングで、自分にちゃんと目を向けるのが大事なんだろね。

エッセイを直近で複数冊読んだけど、著者によって性格や思考のクセは全然違っても、最終的に到達してる視点には近いものがすごくたくさんあって、おもしろかったです。

あと、あれだね、バスケとか自分の好きなものも含まれると感想文も長くなりがち。

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