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【読書感想】「壇蜜日記0」壇蜜

読了日:2017/2/14

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グラビア付電子書籍オリジナル! 裸単騎で現代日本を生き抜く33歳女子の生活と意見をつづった『壇蜜日記』(文春文庫)。この『日記』執筆のきっかけとなった月刊文藝春秋「この人の月間日記」を再録し、さらに『壇蜜日記』をテーマに撮影された週刊文春グラビア「原色美女図鑑」+セクシーアザーカットを完全収録したのが本書だ。週刊文春「阿川佐和子のこの人に会いたい」記事や、直木賞作家桜木紫乃さんとの対談「魅せる女の流儀」も必見。壇蜜の魅力が余すところなく詰まった壇蜜読本! やっぱり壇蜜はすごかった
Amazonサイトから引用

この本の概要

壇蜜日記には、壇蜜日記0、壇蜜日記1、壇蜜日記2があるらしく「はじめてなら0かな」と思い、買ってみました。
でも、どうやら0は2番目だったらしい(笑)
間違えた。

テレビのイメージ通り、雰囲気ある文章。
文章ってこんなに人柄とか雰囲気がにじみでるんだなぁ。
いいなぁ、こういうアンニュイな雰囲気を醸し出す文章。

経歴の行間

壇蜜さんのことを詳しく知ってるわけではないけど、グラビアの領域、越えてますよね?!
グラビアより格段にエロスですよね?
AV的なカテゴリーなの?!
壇蜜さんの魅力は「なんなの、この人!」という気持ちにさせる、既存の枠からはみ出した感じなのではないかしら?

最初の頃は
「え、なに?このエロい人」
と思っていました。
でも、サンジャポのようなワチャワチャした番組でも、しっとりしているのが素敵でだんだん好きに…。

この本は壇蜜さんの日記や、対談が掲載されています。
そのなかで書かれてる経歴が面白い。

昭和女子大

就活で失敗。就職できず

製菓学校でお菓子作りを学ぶ

お店を出すはずが出資者の方が亡くなり頓挫

遺体の修復士になるための学校入学

葬儀屋から内定受諾。しかし、修復士の仕事はいつできるかわからないと言われ辞退

グラビア

遺体修復士という仕事をはじめて知りました。

面白いなぁ。
たくさんのターニングポイントがあって、そこでうまくいかなかったから今がある。
壇蜜さんの経歴を見ていると、履歴書や職務経歴書には書けない経歴の行間にこそ、その人の思いや考えがあるように思う。
芸能人でも一般人でもその人の人生の歩みを知るのは面白い。

ワタクシ的名言

わかってもらえなくて当然だし、わかってあげられなくて当然だと思えば、大抵のことに腹は立たない気がして。
結局、話せばわかるという理屈がまかりとおっていたら、五・一五事件で犬養(毅)さんは死んでないと思うんです。
(桜木紫乃との対談から抜粋)

「日記でもテレビでも愚痴やネガティブを言わないけど、決め事とかあるの?」と聞かれた時の壇蜜さんの回答。
そもそもあまり腹がたたないとのことです。
ここでいう犬養さんは犬養毅。「話せばわかる」と言ってたのに、結局わかりあえず暗殺されてしまったので、「世の中、話してもわかりあえないんだ」と悟ったそうです。

壇蜜さんほど悟ってないので、時にカッカするときもありますが、言わんとするところは分かる。
でも、話してもわかりあえないけど、そこで話すことを放棄してしまうのはもったいない。
話してもわかりあえないからこそ最低限話し合わないといけないように思う。難しいけど。

「わかってもらう」には、「説明してわかってもらう」方法と「察してもらう」方法のふたつがある。
日本は「察する」が好きで、そこに美意識や良さを見いだしている人も多いと思う。
ただ、「察する」はたしかに素敵な文化だけど、最近、「察する」に強い同調圧力を感じることも多くて、すごく窮屈に感じる。
私には「察する」スキル、そもそもないし。

私は人のことを必要以上に察したくないし、察してもらいたくもない。いい大人なら困ったら自分で「助けて」と言わないといけない。「察してもらう」文化はそろそろ滅びてほしい。

嫌われたくないという正直な気持ちと、嫌われないと成立しないという気持ちをすり合わせるのはとっても大変です。だからこそ、二つがすり合ったときに「やっぱり好きだ」といってくれる人が、心から尊く思えるんです。この詩のように思ってもらえる想像の人が私の顔であるだけで、幸せだなと思います。
(桜木紫乃との対談から抜粋)

人からの評価がダイレクトにくるのは、理屈でいくら「万人には好かれない」とわかっていても苦しい。
セミナー講師をしていたから実感としてわかる。
最終日のアンケートにきびしいことを書かれると、自分のいたらなさをどれだけ真摯に受け止めたとしてもやはり悲しい。
人の感情は理屈やロジックだけでできてるわけではないので、気持ちをすりあわせるのは本当に難しい。

万人には好かれないからこそ、好いてくれてる人を大切にする。
忘れないようにしないといけないな。

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