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【読書感想】「ザ・万遊記」 万城目学

読了日:2012/6/6

「鹿男あをによし」「プリンセストヨトミ」の作者、万城目学のエッセイ集。

渡辺篤史の建物探訪の素晴らしさを語ったり、
スポーツ観戦と湯治を兼ねた旅企画で色んなところにいってみたり、
新潮社の井上靖の本を1ヶ月で全部読むという企画にチャレンジして胸焼け起こしてみたり、
サッカー観戦で世界各国に行ってみたり、
色んな内容のエッセイてんこ盛りで本当に面白い。
電車の中で何度もニヤッとしてしまった。

いい大学(京都大学)をでて作家になったすごい人、と勝手に思ってしまうのだが、
旅企画の前日に友達とフットサルしてアキレス腱を完全断裂しちゃうとか、普通に運動不足な同年代のおっさんなのが笑える。

ワタクシ的名文

・甘いものを食べたあとに塩辛いものが食べたくなるように、いろいろなテイストの作品を順々組み合わせ、じっくり楽しむのが読書というものだ。同じものばかり食べていたら、胃がもたれる。その前に飽きる。
・エッセイ「幼き日のこと・青春放浪」にたどりついたとき、ついに私は降参した。もう勘弁してくれ、と音を上げた。こんなおもしろくないエッセイ、はじめて読んだ。そもそも、著者に「おもしろく書く」という意図が微塵もないのだから、どうしようもない。
・日本は恥の文化の国だという。その割に外国人でも恥じらう、公衆浴場での裸の付き合いがあったり酔うとすぐ裸になりたがる輩がいたり、恥のありかがよくわからない部分もある。
・流行に左右されず、「これが好き」と中長期間にわたり、ブレない嗜好を維持できる人は案外少ない。 何故なら、好きなものを見つけることは、嫌いなものを見つけるより何倍も難しいことだからだ。

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