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おてつたび行ってきた話🗾

さて、私は先週

大分の酒蔵で、

日本酒の製造のお手伝い

を2日間しておりました。


今回このような経験をさせていただいた経緯。

それは「おてつたび」という人材マッチングサービスの利用です。

おてつたびとはそもそもなんぞや。

⬇️⬇️

1言で申しますと、

地域の魅力をアピールしたい!
人手ほしいよー!


という事業主と、

知らない土地を訪れて、旅行感覚で働いてみたいー!

という人材を

結びつけてくれるサービスですね。

参加者の話を聞くと、リゾートバイトよりは割とライトな印象を持ちました。

単なる労働力として雇う、だけではなく

「人と人との交流」
「地域の魅力を伝える」


ということも大事にしておられる事業主の方が多いのも、このサービスの魅力であると考えます。

農家、市役所、レジャー施設、旅館など多くの事業主の方が求人を出されてます。

期間は
短くて1泊2日。
長くて1ヶ月ほどです。


日本酒造りのお手伝い

実際に行った作業は主に⏬

  • 洗米作業

  • 酒母やもろみの仕込みで使用する蒸米をほぐしてさます作業

  • 製麹作業

  • びんずめ作業

洗米作業 

専用の機械を使用します。
15
キロ程の米を、1分おきに機械の中に投入します。

とはいえ、実際に機械の中でお米を洗ったり、洗い終わった米を水の中に沈めて水分を染み込ませる「浸漬」という作業は人の手で行います。

(写真撮るの忘れました…🤳)

ただでさえ重いお米ですが、「浸漬」の工程を加えることで、水分を含んでさらに重くなります。

持ち上げるのが大変そうだったな…

日本酒造りに使用するお米は「炊く」のではなく、「蒸す」ので、水分を含ませるのは重要な工程のひとつなのだそう。

蒸されたお米を、適温にする作業

この中にぎっしりお米が..🌾

お米は固まっているとなかなか冷めないので、専用の機械の上に入れて、人の手でほぐしていきます。

蒸し器の中から米を取り出す作業では、米の重さを体感出来ました…

スコップを使って掘るようにしてとっていきます。

腰が抜けそうになりました…

麹米を作る作業

室温35度の室で行います。

室の中

米を大きな台の上に、薄く敷き詰めた後、麹菌をふりかけます。

その後、麹菌が米の中でしっかり増殖するように揉み込みます。

日本酒作りは基本冬に行われます。

真冬の日の作業では、一桁の気温の屋外と、この高温の部屋を行き来することになると考えると、かなり体に負荷がかかりそうです..

さて、前で紹介した工程を経て作られた、蒸し米、麹米に水を混ぜ、酒母を作っていきます。

未発酵の状態では、お米もとても重いので、かき混ぜるにもかなりの力が要ります。

まぜまぜ

木の用具で、米を満遍なくかき混ぜていきます。

ちなみに、こちらは発酵させてから20日目のものもかき混ぜてみたときの写真です。

少ない力でまぜれます

この段階になると、重さは感じず、混ぜる時の感触はどろどろとしていました。

日本酒は約1ヶ月間の発酵期間を経て完成を迎えるそうです。

ということは、あともう少しですね…!!


ちなみに、この時期の日本酒は、発酵のため大量の二酸化炭素を出しているそうです。

そのため、タンクをのぞきこもうとして顔を近づけると、酸欠になって倒れてしまう危険があるとのことです。

うっかり匂い嗅ごうとしないように…!

びんずめ作業

最後にびんずめ作業です。

実際瓶にお酒を入れていくのは機械の仕事です。

こんな感じ


ということで、レーンに瓶を並べたりキャップを付けたりするのが、人間の仕事です。

楽そうに聞こえるかもしれませんが、意外と体力が必要でした。

出荷する量が量なんで…
(3時間で1500本のびんずめ作業を行いました)

4人で役割分担をして、何とか終わりました。

なかなかハードな作業..!

瓶にキャップをつけるために絶え間なく、左手で瓶を持ち続けるので、すっかり腕が疲れてしまいました…。


驚くことに、今回お世話になった酒蔵では、これら一連の作業をたった2人で行っているそうです。

お酒の仕込み作業自体は、そこまで多い人数は必要なさそうですが、びん詰め、ラベル貼りなどの出荷作業などは、どうでしょうか。
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機械化が進んでいるとはいえ、一部の作業工程では依然として、手作業が必須であり、ある程度の人手が必要な作業があること。

そしてなんといっても、ほとんどの工程がかなりの力仕事であったこと。

緻密な品質管理や、同じ作業を幾度も繰り返して時間と労力を費やした末にやっと出来上がるということ。

それを、自分の目で確かめる、または実際に体験することができました。

いつも美味しい美味しいと、くっちゃべりながらぐびぐび飲んでいた日本酒。

これからは、ふとした時に生産者の方に思いを馳せることができるでしょう。

私にとっては大きな収穫です。

おてつたびで考えた
「地域活性化」

おてつたびが終わった後。

製造の現場をいいだけ写真に撮らせていただいた上に、お土産のお酒までいただき、工程を「体験させてもらった」といっても過言ではないくらいの作業量しかこなしていないのにもかかわらず、

「本当に助かりました」

と笑顔でおっしゃっていたのが印象的でした。

((え、、なんか、、しましたっけ、、、??))

おてつたび中は

普段の作業の邪魔をしてしまっているんじゃないか…

逆に面倒をかけさせてしまっているんじゃないか…仕事割り振るの大変そうだな…

と心配する気持ちが終始あったので、予想外の言葉に驚いたのです。

話を聞くと、

「人海戦術が必要な工程をすんなり終わらせてくれて助かった(特に瓶詰め作業など)」

とのことでした。

今回のおてつたびで、

私自身も、普段ではみられない製造の現場を間近でみられたこと、そしてその過程を実際に経験できて、新たな学びを得ることが出来ました。

生産者の方も、人手を得たことで、工程の一部を効率的に進めることができたようです。

とすると、今回の企画にて、両者共に良い効果を与えあっていたと言えます。

地域を活性化させる。

これは、人口減少や経済の低迷に悩む、日本全国の市町村の目標であると思います。

そのために、お金を給付したり、何かを無償化したり、いろんな政策をしています。(あんまり深くは知らないけど)

ただ、これらは本質的に問題の解決に導くのでしょうか。

お金を配れば、人は集まり、経済は成長し、街は活気づくのでしょうか。

もっとも、住民の潜在的なニーズを満たし、継続的に地域に利を生み出せる方法。

その一つに、おてつたびのようなサービスがあると言えるのではないでしょうか..。

人手を必要としている人と、そこで得られる経験を欲している人、この両者をうまく結びつけることができたら…

そして、そこで生まれる新たな交流の輪が、さらにポジティブな影響を連鎖的に生み出すのではないでしょうか..

仕事をするために、その街に赴いてきた人は、街のことやそこに住む人のことを深く知ることができます。

最近は、住む場所にとらわれずに働く人が増えてきています。

こういった機会が、移住のきっかけになることももしかしたらあるかもしれません。

実際に移住場所を探して、おてつたびを繰り返している方に出会いました。

雇用主、非雇用者。
互いに影響を受けあって、大きな相乗効果をもたらす。

それが全国で当たり前に行われるようになったら、未来の地方の姿は少しずつ変わっていくのではないでしょうか。

不勉強なので、お堅いことはなにも言えませんが、地域創生の突破口がそこにあるのではないかと思ったのです。


追記ですか、

今回は大分県宇佐市にお邪魔してきました。

私はあまり大分県に詳しくないので、観光地と言えば「別府」「湯布院」あたりしか思い浮かびません。

きっとおてつたびがなかったら、宇佐市を訪れることはなかったと思います。

今まで全く知らなかった土地に、ぽーーーんと行って、そこで思わぬ名産を知ったり、住民の方の話を聞いたり、街をとぼとぼ散歩してみたり、美味しいご飯を、その土地にて初めて会った人と一緒に食べたり..

そういう経験が、私にとってとても新鮮で魅力あることに思えたのです。

もっともっと知らない地域を、自分の足で赴いて知っていきたいと思いました。

おてつたび自体はたった2日だけでしたが、本当に良い学びの機会を得ることができたと振り返ります。

最後にお世話になりました小松酒造場の御二方に感謝申し上げます。


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