文章って書くほどに上手くなるわけじゃないようだ

先日、20年以上昔、自分がmixiに書いた記事を読み返してみた。
…何の違和感もない。

えっ

それ、大丈夫?

mixiをしていた頃は短大に行ったり事務をしたり、学生に戻ったり、講師をしたりと、ひたすら人生を浮遊していた。

当然ライターは未経験。

卒業文集とか、成人してから読むとアオハルしてる自分や稚拙な言葉が恥ずかしくて読めたもんじゃない、あの感覚になると思っていた。

まがりなりにも今は文章で金を落としてもらう立場になり、過去の記事を読んだなら
「若気の至りでお恥ずかしい限りです」的コメント、出てきてしかるべきじゃない?

人生って三歩進んだら二歩下がるけど、一歩分は進むんじゃなかったっけ?
顔面に、明瞭に歳を刻み込んでるあいだ、脳内の進捗どうなってたん?

私だけかもしれないが文章は、上達する意思を持って書かなければ、もしくは意識があったとしても、報われる結果をもたらすわけではないらしい。

ショック。
結構なショック。
なので最近、語彙や言い回しをきちんと血肉にするためのノートを始めた。

今回のmixiで私がダイオウグソク脳であることは立証済みなので、効果があるかどうかの検証が終わる頃には召されているかもしれないが。

どれほど変わっていないか、18年前、2006年に私が書いた、蚊と格闘している記事を転載してみる。

前提として、季節は11月。今のようにワンプッシュで蚊を死に至らしめる魔法は存在しなかった。

猫型ロボットに憧れていたわけでも、メガネと同棲していたわけでもないが、当時は実家に住んでおり、なぜか自室の押入れで寝ていた。

長いので、興味のある方はどうぞ。

「モスキートウォーズ」

こんな時期に飛んでるものなのか。

我が家に蚊が出現している。
1階2階問わず、少数だが異常に体躯のよい蚊が、深夜になると現れる。

一階でネットをしている時はまだいい。
空間的にも広いので、お互いがお互いを放っておけば、不快ではあるが共生できる。
また、もしも彼等が私を食そうとするのであれば、攻撃する事もできるから。

問題は、2階の私の寝床である。
知ってる方もいると思うが、私の布団は押入れにひいてある。
押入れの1階部分。当然天井は低い。起き上がるとき注意しなければ頭を打ってしまう。
そして狭い。入った事はないが、1人入りの棺おけくらいのスペースで寝ていると想像する。

寒くなってきたので、体は布団に守られ安心。
しかし奴等はサーモグラフィを装備しているので、
体温に近い温度を感知して寄ってくる。
すなわち、唯一外気にさらられている、顔面に。

私は寝るときは真っ暗派なので、彼の姿が見えない。

うみぃぃぃぃぃぃぃんん・・・・
うみぃぃぃぃぃぃぃぃん・・・


っと、羽をふるわせる音が、近寄ったり、遠ざかったりする。
ストレス度数200%。
ピロリ菌大増殖。

その音がピタッとやんだりなんかすると、それはそれで不快。
食事中だとすれば私の顔面以外に食堂はない。

いつもは、ヤバイと感じると
1.布団をかぶって暫くやりすごす
2.そのうち熟睡
3.休戦(ある意味敗戦) 

を繰り返すのだが、昨日の私は、早くに床に就いたため、2に失敗し、眠れず彼等と格闘する羽目になった。

うみぃぃぃんが聞こえると、とりあえずは手で追い払ってみる。
すると敵、一時退却。

うとうとしだした頃、またも敵襲。
空襲警報が近づき出す。
最初は遠慮がちに遠くの方で鳴っていたものが、どんどんとニアリーに。
たまらず、再び追い払う。
天井にぶつかった手、打撲。

なにせ目に見えぬ敵である。彼等は、暗闇でも私の体温をしっかり感知し、的確に皮膚を狙ってくるのに、である。
しかも私の陣営は極端に狭い。硫黄島の戦いとはこのようなものであったか。

入眠を邪魔されたうえ、手の痛みでさらに目が冴える。イライラしてくる。
死んでもらうしかないだろう。
枕元にある学習用デスクスタンドを装備。敵を探す。

何と素早い事か、羽音も遠く、見当たらないぞ。
インバーターな光が、私の視交叉上核を刺激する。

やばい、このままだと本格的に目が覚める。
明かりを消して、防空壕へ。(頭から布団をかぶった状態)

ちょっとウトウト。でも息苦しい。
奴等の現れる気配がないので、ふたたび地上へ。
と、またすぐに奴等の攻撃再開→明かりを点ける→2,3度繰り返し。

そうだ!狭さを逆利用!カーテンを閉めれば、蚊帳状態ではないか!と、気付いた時間は午前5時。

ちなみに、私の押入れにはフスマではなくカーテンがかかっている。フスマは取った。あまりにド●えもんなので。


とにかくカーテンを閉じてみる。
何故だか隙間ができる。左端(頭側)と、中央部。さっきまで強い味方だと思っていた電気スタンドも、隙間作りに一役買っている。
ちょっと首を上げて、左端のカーテン固定に協力させてみる。

起き上がってクリップを探し、真ん中を閉じる。
ぴったりと閉じた空間で、一安心。先程の防空壕よりかなり居心地が良い。満足。

・・・1時間後。

あと一歩でノンレム睡眠かというところで、再び警報が!
何故!?

ひとりでに首を曲げた電気スタンドが、カーテンに隙間を作っている。

起床まで、あと1時間の出来事。

絶対ミクシィに書いてやる!って思いながら寝たら、仮眠とれました。。。

私はこの出来事を覚えている。
結構な勢いで手をぶつけて、かなり頭にきたことを昨日のことのように思い出せる。

もともとストレージが少ない我が脳は、常にアンインストールできる何かを探しているというのに、他に入れとくことあるやろ。

此度作成した言葉ノートが効果を発揮し、10年後には晴れて赤面できますように…。
本日も、進まない一歩を目前の巨岩に押し込んでゆく。

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