デジタルとアナログの狭間

今年度から、息子の音読カードがQRコード形式になった。
昨年までは昔ならがらのカード形式で、音読の宿題をしたら親が評価をつけ、サインやハンコを押すタイプだった。

私はアナログ人間なので、QRコードでの申告がイマイチ馴染まない。
とくに音読カードのように毎日取り組む宿題は、月末が近づくにつれカードがハンコや落書きでいっぱいになると、愛着すら湧いてくる。

保護者目線でいうと、QRコードになって便利になったかというと、そうでもない。毎回コードを読み込んで名前と出席番号を入力し、評価をつけなければいけない。

そのうち教科書なんかもタブレットで、などという話も聞く。デジタルを導入することによって先生の手間が省かれるのであれば、反対はしない。
けれど、教育の現場にはアナログを残しておいて欲しいと思うのは、昭和生まれの性だろうか。

私もKindleで本を読むし、人並みにデジタルの恩恵にあずかっている。けれど「これは」という本は、紙の本を持ち歩いてしまう。
軽くて本棚ごと持ち歩けるデジタルの方が便利に決まっているのだが、なんというか、Kindleのライブラリには、人間味の入り込む余地がない。

もっとデジタルとアナログのいいとこ取りができればいいのに。
例えば板書なども、今はパワポをモニターに繋いで映しているが、それだと追加の書き込みができない。
プロジェクター投影にして、大事なところだけチョークやマーカーで加筆できるような方法があれば、先生の手間を大幅に増やすことなく、ライブ感のある授業ができるのではないか。

先生にとって負担が大きいものはデジタルに頼ればいい。けれど、徹底してアナログを排除するのが正しいかと問われると、私はそうは思わない。

デジタルにはデジタルの良さが、アナログにはアナログの良さがある。
子どもたちが、デジタルとアナログをケースに応じて選べるようになるには、どちらのメリット・デメリットも知っておかなければならない。

今は日常生活でもアナログの良さを知る機会が減っているので、せめて家ではアナログに触れさせたほうがいいのだろうか。
と、ここまで書いて思い返せば、私が何かを仕掛けるまでもなく、息子はかなりアナログなタイプだったと気づく。

持ち歩くのは文庫本だし、絵を書くのはコピー用紙だし、そのコピー用紙から絵を切り抜いて、手動で動かして遊んでいるし。

旅行に行くときでも息子はゲーム機ではなくUNOを持っていく。
以前息子が1980年代に放送された初代ガンダムにハマり、息子に影響された友人が視聴してみたが「絵が古すぎてついていけない」と担任に泣きついた、ということもあった。

やはり我が家はアナログ人間。
先生側でのチェックとか、面倒なことはしなくても真面目にやるので、音読、カードに戻してもらえないかなぁ。。

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