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猫には三歳児の知能があると言う。その頭で考える、ニンゲンを、信じるということを。

触れなかった孤高のサビ猫、チャコさまの人馴れ訓練はずっと続いている。毎日、毎日、なでる。一日のうちで一定の時間と場所でだけ、彼女はなでさせる。キャットタワーの穴蔵の中だ。穴蔵の外にいったん出てしまうと、まだなでさせてはくれない。でも、穴蔵の中でなら、安心して身体を任せ、ゴロゴロ喉を鳴らす。

そんな日々が続いて、最近、ずいぶん安定してきた。感情の発露も、抑制されるようになってきた。以前は、なでられるのに飽きると、噛み付いてシャーだったのが、最近は、身体をそむけ、そっと穴蔵の外に出ることで、もういいです、と言う。

昨年の秋口は、まず、なでなで棒でなではじめて、なじんだら素手でなでていたのが、もう、いきなり素手でなでても大丈夫になっている。こちらもチャコさまの意思を汲み取れるようになり、何を求めているか、何を嫌がっているか、わかるようになったというのも大きい。

彼女との間柄に必要だったのは、時間だった。一緒に過ごす時間を積み重ねることだった。彼女が家に来てから9ヶ月間、私は普通に会社員だったので、家に不在の時間があった(家人がいるので自宅は無人ではない)。その間はチャコさまはあまり馴染んではくれなかった。

会社を辞め、自宅で仕事するようになり、なるべくゆとり時間を作ってはチャコさまと付き合った。そうすることで仲が進展したのだ。猫は人間で言えば三歳児程度の知能はあると言われている。まさにそれを体感することとなった。理解力がある。時間をかけて付き合えば、このニンゲンは信じられるニンゲンだ、と自分で判断して心を開く。

ただ野良上がりの家猫はもっと難しいパターンも多いやに聞く。その意味ではチャコさまが馴染むのは早いほうだったろうと思う。とはいえ、まだまだ、なでられるようになっただけ、とも言える。

次は抱っこ、キャリーイン、お手入れなど、越えていかなければならないハードルは数多い。少しずつ付き合っていくしかない。家に来たばかりのチャコさまは、しっぽを立てていることも少なかったが、最近は、立ててばかりいる。しょっちゅう、のんびりと伸びをする。フミフミもする。日々ご機嫌は良いようである。安心して過ごせているなら、何よりだ。

なでなでの日々を記録した動画を、YouTubeの再生リストにまとめてあるので、リンクを張っておく。現時点では、昨年9月頃までの動画がアップされている。その後も動画のストックがあるので、少しずつ追加していくつもりである。

チャコさまは、話しかけると言葉を発する。猫語だが。でも、会話ができる。それも、心を開いてくれて以降だ。元々、頭は良いのだろうなと思う。これからも、焦らず、日々を積み重ねていこうと思う。

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