2月と3月と4月、なんなら5月に入って読んだ本までも時系列バラバラに紹介するよ。(1)百冊挑戦!主に小説編
あっという間に初夏ですね。(写真は5月に撮影したもの)
もう、いつ読んだか時系列で把握するのは極めて難しくなってきた。そもそもコロナが始まって以来、時間や日付の感覚がますます曖昧になり、多くの出来事を比較する際にどちらが先に起こったことかはっきり断言できない事が増えたと感じる。これも全てコロナのせいとしておきたい。
というわけで、読んで心に残った順に書いていくことに。
まずはずっと待っていたカズオ・イシグロのこの一冊。
「クララとお日さま」カズオ・イシグロ著
あっという間にクララに感情移入し、どんどん読み進む。大きく揺れないが繊細な感情。家族となった少女と母親とそれを取り巻く大人の心の機微を、AIロボットのクララの目を通して人間の感情を読み解くことでストーリーが展開する・・・。
カズオ・イシグロの小説は片っ端から全部読んでいる。そして次回作を待っていた。すっごく気に入ったから一番最初に書いたのに、書くことは以上です。きっとたくさんの人が読後の感想をきちんと書いているのだろう。全然書けなくてごめんなさい。多くを語る必要はない。とにかく良かったから読んでください。
気を取り直して次。
ここで一旦反省しようと思う。自分の読書スタイルについて。
「スローリーディングの実践 本の読み方」平野啓一郎
これは1月の推薦本。読んだのは4月中旬。早く読めば良かったよぉぉ。スローリーディングの薦めをいつもの読書スタイルでファストに読みました。
本を何冊読んだとか、早く読めたとかは自慢じゃない。ゆっくりじっくり読んで、後でちゃんと人に伝えられるような読み方を心がけましょう。はい。その通りだと思います。でも、活字大好き。読むの大好き。早くたくさん読みたいのですよ。何なら飛ばし読み斜め読みもへっちゃら。私は。
だから先程のような、子供の読書感想文みたいになっちゃうわけですね。大変勉強になりました。
「アーモンド」ソン・ウォンピョン著 矢島暁子訳
林千晶ちゃんに薦められて借りて読んだ本。心がシクシク痛みました。韓国ドラマも本当にストーリーや役柄がよくできているものが多いけど、この小説も同じようにうまい。心にダイレクトに突き刺さりました。翻訳者も大事ですね。
「セロトニン」ミシェル・ウエルベック著 関口涼子訳
出版されてすぐに買っていたのだけど、なんだか陰鬱で複雑な気持ちになるに違いないということは容易に想像できたので、気分的になかなか読み出せなかった一冊。いろんな意味で期待を裏切りませんでした。
これ百冊挑戦仲間の山崎亮さん読んでくれないかな。山崎亮さんの「ノルウェーの森」評があまりに面白くて、やっぱり「ノルウェーの森」は(まだ)読まないでおこうと心に決めたのだけど、これを読んで比べてみて欲しい。性的に過激な描写があって、出来事もまあまあ酷いのに、静かで、そして救いがないの。これはどう思うのか聞いてみたい。
「八つ墓村」 横溝正史
いやー本当に面白い。百冊挑戦仲間の嶋田洋平さんのおすすめでゴールデンウィークの直前に読みました。流れるような筆。無駄のない描写。文章を読むだけで全てのシーンが目前に現れました。(映画は観てないけど)本から目が離せない。という状態になったのは子供の時以来。
最高のエンターテイメント。横溝正史すごいな。
「身分帳」 佐木隆三
これ何?って思った人はこの上に重ねられていたこのカバーをご覧ください。
映画、素晴らしき世界の原作。大好きなジャンル。ノンフィクション小説。
脚本・監督の西川美和さんが「こんな面白い本が絶版状態にあるとは。世の中はなんと損をしているのだろう」と書いていたが、ものすごく膨大な資料と取材に基づいて書かれている、ある受刑者の一生を綴った物語。実話である。小説を超える実話である。しかも受刑者本人が著者に依頼して書いてもらったもの。
残念ながら映画は観たかったのに観逃した。何らか必ず観る。
「庭とエスキース」奥山淳志著
北海道に暮らす弁造さんの庭と彼が書いたエスキースを軸にいくつもの逸話が時系列行きつ戻りつして書かれている。この人はフォトグラファーなのになんて文章がうまいんだ!!最初から最後まで、弁造さんの生き方や含蓄にとんだ言葉に驚かされる。心震える一冊。
この本は買おうと思ってたら貸してもらえたので借りて読んだのだけど、やっぱり自分でも一冊買うことにする。
トップ画像は滋賀県朽木村。弁造さんのお庭はこんなだったのかしら?と思いながら撮りました。
ところで、何で書籍の写真、もうちょっとマシなの使えないのか?とかAmazonのリンク貼ってよ!とか思っている方もいらっしゃると思いますが、書籍は本屋さんで買うと、知らない本との思わぬ出会いがありますよ。というわけでAmazonのリンクは貼りません。(写真がひどいことの言い訳にはなってない)
百冊挑戦!はBOOK LAB TOKYOと無用の用という書店で運営サポートしています。二店舗とも百冊挑戦の棚を置いてますので、ぜひリアルかオンラインで買ってね。
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