13日の金曜日
デカいアメリカンサイズの乗用車には3組のカップルが乗り込んでいる。みんな若い、でも学生には見えない。ちょっとバカっぽいから。女性はみんな露出度の高い服装をしている。限界までカットしたデニムのショートパンツに、胸の谷間のところで結んだ白いシャツみたいなファッションが多い。ミニスカートは、なぜかあまりいなかったような気がする。カーステレオからは、ミュージックが最大ボリュームで響き、バーボンウイスキーのボトルをみんなしてラッパ飲みだ。もちろん、運転手も飲んでる。車がボコボコなのは、そのためだと思われる。もともともボコボコの中古車のようだけど。
車は、両側を森に囲まれた狭い道を走っていた。日は沈みかけていて、闇が迫って来ようとしていた。
車は古い別荘の前に停まった。
おい見ろよ、今日は、ここに泊まろうぜ、誰もいないみたいだ。
6人の男女は車から降りて、別荘の正面ドアの前に集まる。ひとりの男が何処からか段取りよくバールを持ってきて、別荘のドアノブを当然のように壊して、若者達は中に入っていった。
男達が別荘の中を荒らし回り、高級なブランデーと食べ物を見つけてくると、待っていた女性達から歓声があがった。 電気は通っていないらしく、これも何処からか都合好く見つけてきた蝋燭に火を灯す。
蝋燭の踊る炎の明かりに照らされて、部屋の隅に黒い人影が浮かび上がるが、若者達は、それに気付くことは無かった。
その晩、ひとり、またひとりと若者達は惨殺されていった。
13日の金曜日を明日にひかえて、やっぱりコレをやらなくては。
冒頭のショートストーリー風のスプラッター映画は、けっこう色々とあったはずだけど、みんな忘却の彼方に忘れ去られた。
内容が無いからな。誰がいつ、どんなふうに殺されるのかくらいしか、見どころが無い。殺される理由も別に無くって、だから、こんな奴らだったら殺されたところで問題無かろうと言う訳で、犠牲者はだいたい集団デート中の不良グループだったりする。
善良な一般市民の歪な道徳観念が、反映されているところだ。
ジェイソンは生まれつき奇形で、別に罪をおかした訳でも無いのに、醜いという理由で一般人に頭に麻袋を被せられクリスタル・レイクに突き落とされたのだ。
でも、死ななかった。
改めて13日の金曜日のシリーズのストーリーを見てみると、場当たり的かも知れないけど、ちゃんと物語の背景がある。だから、他のB級ホラーと違って、不死身の如く続いたのだろう。
しかし、今では大量殺人鬼なんて可愛いものです。いきなり数千発のミサイルが飛んでくる時代ですから。日本も他人事ではないです。何処ととは言いませんが、海を隔てた隣国は、何か面白くない事があると、ミサイルを飛ばしてきます。
ホラー映画では、出てくる人が全員殺される事が無くって、ひとりだけ生き延びるというパターンが多いように思えます。たいていは女性ですが、続編では、いきなり殺されてしまったりします。もう少し出番を増やしてあげればいいのになと思いますね。
では、今晩はこのへんで。
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