誰かに言って欲しかったこと。
愛されることは当たり前ではない。
「もし、死ぬなーってなった時に美味しいご飯が脳裏に浮かんだら幸せだと思うんだよね〜。俺はね、そういうの大事にしたい」
夕風に撫でられる君のオレンジ色を、僕は酷く覚えている。柔らかい声色とは正反対な君の瞳にどれだけ心を惹かれたことか。きっと僕は、君のことがどうしようもなく好きだったんだろう。
だけど、だけれども。君の中で僕はただのクラスメイトDだった。どんどん温度をなくしていく君を想像して、僕はなぜかホッとしていた。
「死ぬ時は信じられない