mokemon

創作活動で没になったセリフや文章の寄せ集めときどき独り言

mokemon

創作活動で没になったセリフや文章の寄せ集めときどき独り言

最近の記事

過ちの正義感

僕は、正しさとは何か神も図りかねたものなのだと思う。 論理的。内的に獲得される「自らの思惟」により決定される正しさ。道徳的。正しさとは、外界によって与えられるもの。謂わば「規範」によって形成される正しさ。 正義感。 己の独りよがり。道徳的であるように見せた論理的に酷く傾いた思想。 いっそ正しいということが何か決まって仕舞えばよかったと生きているうちで僕は何度も考える。 僕の生き方は正しいのか。 僕は存在していいのか。 そんな社会規範に従って正しさを否定された時、僕は

    • 私は朝が嫌い。 朝は冷たいから。 まるで冷ややかな君の視線みたいだから。 温もりを逃さないように布団をたぐって閉じこもるけれど、けたたましくなり続けるアラームは私が動かなければ止まらない。 誰かが言った。 「他責は最も自己防衛をしているように見えるが、本当は最も自分を傷つける行為だ」と。 当時は納得できなかった言葉だったが、今の私にはよくわかる。他責を繰り返し何が自分で、自分は何を成したのかがわからなくなってしまった私にはその言葉が突き刺さる。 向き合うべきであった時

      • 本気がわからなくなったあなたへ。

        期待されることが怖くて、期待を裏切り失望されることが怖くて、手を抜くことが癖になった。そんなことを言う人は多い。 いつのまにか自分の「本気」がわからなくなった。しっかりと前を見て生きていたはずなのに、足元には自分から漏れ出した生暖かい過去に包まれてしまった。と。 けれど、この時間はいつか湯冷めするような現実を見つめ、「本気」で何かにぶつかれるように、温もり中、心を休めるための猶予なのかもしれない。 今のあなたも、もがいている。 それはあなたが人生について本気でぶつかって

        • 誰かに言って欲しかったこと。

          愛されることは当たり前ではない。 「もし、死ぬなーってなった時に美味しいご飯が脳裏に浮かんだら幸せだと思うんだよね〜。俺はね、そういうの大事にしたい」 夕風に撫でられる君のオレンジ色を、僕は酷く覚えている。柔らかい声色とは正反対な君の瞳にどれだけ心を惹かれたことか。きっと僕は、君のことがどうしようもなく好きだったんだろう。 だけど、だけれども。君の中で僕はただのクラスメイトDだった。どんどん温度をなくしていく君を想像して、僕はなぜかホッとしていた。 「死ぬ時は信じられない

        過ちの正義感