FFらしさ【FF16:吉田直樹の痛ファンによる感想】

メインストーリー1周終わってから書き始めたらFFモードも終盤に入ってしまった。完全に全要素終わってしまった

ざっとFF遍歴

中学生の頃:どちらかというとMMO好き(タダでできるゲーム&チャット好きだったので)
→創作コミュニティで知り合った人からFF14をオススメされる。有料だったが勇気を持って飛び込む
→FF14でFFパロディがよく出てくるので都度気になったものをやる
→12をやって「ガンビット最高!」となる
→以降、6,7(積),13(積),4の順でプレイ。11は買ってあるが利用券式なのでいつやるかな…となってる感じ。今気になっているのは5,8,9,10あたり


キャラクター

クライヴ・ロズフィールド

かわいい。
少年期、青年期、中年期をそれぞれほぼ順番に体験するのだが、青年期くらいまでは復讐の鬼となり全てを憎むようなキャラクターだった。中年期に入るといろんな人物(ひともの)を見聞して、自分以外の人間も様々な思いを抱えて生きていることを知り、だんだんと角が取れて言ったように思えた。最終的にはあんなに恨んでいた世界を存続させるために命を捧げることになる。
あと終盤復讐の理由がマジで消滅してしまう(有体に言ってしまうとジョシュアが生きてた)。村焼きイベントはアナベラへの憎悪理由を穴埋めするために追加されたのかなと思った。
まあオッサン。

開発陣のお気に入り

バイロン・ロズフィールド
 クライヴの叔父さん。小太りの富豪でストーリー上ではお金に関する問題を豪腕で解決する役割を持つ。
片手斧術で戦い「首狩りバイロン」だったかの異名を持つ。
俺も一番好き
オッサン。

ガブ
 シドの部下。斥候のプロ。妹が欲しかったが死産。
腕はあるが自分にいまいち自信が持てない。
チョロイン。
そこそこオッサン。

地味!!!!!!
売れるか!!!!!!
そういう地味だが可愛さのある青年〜中年キャラクターが好きな開発陣が作っているゲームです。
ここらへん、アイロニーがかかった漆黒&暁月の石川夏子キャラクターを期待した人とは乖離してるなという印象。

ストーリー

事前情報:各国が一つずつ最強兵器を抱える中で行われる軍事ストーリー

やってみた感想:内紛多くない?

松野風味の戦記物

序盤は全体的に戦記ものの要素を取り入れており、こことここが対立中だ、ここの要人を暗殺しにいくなどの展開が多い。
展開を補足するヴィヴィアンレポートの存在や、ドミナントという強烈な特徴を持つ戦力のおかげでスムーズに理解が出来、戦記ものへの入り口となるレベルの分かりやすさだった。

野犬の群れらしさ

吉田直樹や(たち)が常々ファンだと公言しているもの

  • 変身ヒーロー(牙狼)

  • プロレス

  • 怪獣映画

  • 松野泰己

それらのこだわりを全て詰めこんで、それでも吉田直樹が舵を取ったことで各要素が暴れずにまとまった、そんな印象だった。

「設定資料集で語る」ヘキ

シナリオの前廣和豊は松野に影響を受けた「松野組」を公言しており、吉田直樹も松野泰己のファンを公言している。
そのためか随所にFF12に似ている所が散見される。
特にシナリオにおいては顕著であり、シナリオとしては最低限のエモーショナルだけを盛り込んで、あと世界設定を作り込んで、設定資料集を作り込んでユーザーに自分でエモーショナルポイントを発見してもらう作りになっている。特に今回はゲーム内に設定資料集そのもののNPCが居るためそれが顕著だった。
昨今の消費者は「わかりやすいエモ」を求めていると思う。だがそれをやらなかったのも一つのファイナルファンタジーらしい選択という感覚もしてしまうからFFは不思議だ。

人と神の戦争

FF14でもこの構造に帰着したところではある。神は神なりに居場所を求めていたのだが、人として愚かな生を紡いでいきたいという願いをもって神殺しをなし得る。

正直、ファイナルファンタジーと戦記ものはあんまり相性が良くない。同じ戦記FFであるFF12は主人公が空気と言われたりわかりづらいと言われたりする。(俺は好きだよFF12)(ほぼガンビットの好きだけど)(FF14の冒険者小隊、コンサポと被ってるんでガンビットを組むゲームにしてください)

FF16は人と超常存在を戦わせるに当たって、「悪いやつといい奴」という構図ではなく「どちらも生きようとする生存戦争」という構図を取った。人間は愚かで戦争も謀略もするけど、クライヴ視点で見た世界はアルテマの掲げるものより良いものだった。だからその良い世界を守ろうとした。

それならアルテマさんの過去の掘り下げはもっと欲しかったなぁと言う印象。あと復讐設定が最後にあまり生きてなかった気もする。初代シドが死んだのちなんかなあなあになって再会も結構偶然に果たしてしまったので発売前インタビューとかで「復讐の鬼」って書かれているのが違和感。クライヴはちょっと控えめな気の良いあんちゃんだよ。少なくともジョシュアを殺した(と思っていた)のは愚かしい人間(アナベラ)の謀略のせいだしね

大人になれ

この見出し最近書いた気がするな

クライヴは物語開始時点で見た感じ15〜17歳(詳細設定あるかもしれない)。そこから13年経過しさらに途中で5年経過する。
見立て33〜35くらい。
一応数奇な人生を歩んでいるとは言えシドを引き継いだ事もありだいぶ考えが大人になってしまった。
復讐は意味の無いことだと言ってくるモブこそ居なかったものの、クライヴ自身も"復讐"よりも「この世界を守る」というほうにシフトした感じがあった。
守るべきものができたら復讐なんて考えられなくなるということか。人生かな。

大人になれPart2

どうでもいいことだけど、こないだ見たドラゴンクエスト ユア・ストーリーとちょっと似てる気がした。いやクソ映画では無いのだけれど…

列挙!

  • ラスボスの見た目

  • 少年期スキップモード

  • あっさりと幼少期飼ってた動物と再会

  • ラスボス戦前に船で味方が全員乗込んでくる

逃げやがった!

今やゲームに於いては、制作する上で本編の内容以外にも考えることがたくさんある。
アプデ、DLC、コラボ。それら商業的な制約をどうしても巨大IPでは課せられる。

全部捨てやがった!!!
コイツら!そんなしがらみをなにも考えずファイナルファンタジーを完成させやがった!!!!
そんな商業展開なんて知らないよ。俺達はあの輝かしいFFを作ったんだよ。という勝ち逃げ感を作った。
たしかに商業戦略を考えて逃げに走るFFなんてFFじゃねえよ!その時その時のスクウェア・エニックスが作った究極の幻想がファイナルファンタジーなんだよ。

とは言え

コラボ展開に期待が持てねえよ!DLCもだよ!出すとしても過去編かサブキャラクターメインだよ!という気持ちも同時に発生する。
ほんとどうするのよ異世界に穴があいた!みたいな展開が許される世界観じゃないよ

ただ漆黒の森の北あたりになんにも遣われてないドアがあるので、そこにモブハンあたりでなんらかの14モンスターを16チューンして入れてくれたら嬉しい。プルートジャスティスとかそういうのを。なるべくコラボ感の少ない絶妙なやつを(なんなら「歴代FFの地味に人気のキャラですが?」くらいの立ち位置で)



バトル
アクションは最高!コンテンツは不足

"ボリューム"は不足してない けど…

召喚獣戦最高!もちろんクライヴのアクションも最高!

ただ、ゲーム的にこの戦いが終わったら新しい何かをくれ!というタイミングで欲しいものが来ない。
アルテマを倒したらアルテマのアビリティ解放とかあると思ってた。
アビリティに関しては割と発売前と攻略途中で予想出来たもので全て。あんなに外側にも何か配置できそうなスフィア盤(じゃない)なのに…
それでなくてもストーリーのどこかの折で既存のアクションが強化されるなどあるのかとは思っていたがなかった。すべてのアクションは習得した時点で強化が可能だった。
やっとこのスキルが手に入ったぜ!なんか手に入ったけどなんだこれは!?と効果を確認するみたいな要素は、RPG好きだとヨダレが垂れる要素なんだけどカジュアルゲーマーには難しいと判断されたのだろうな。
武器作成も、既存の武器の完全上位互換が追加されるだけで、遊び方を広げるものではなかった。
これは(工数問題もあろうけど)アクションの苦手な人でも混乱しないようにという優しさが物足りなさを産んでいると思った。

まずはカジュアルに届ける

当然吉田および第三開発事業部、ひいてはファイナルファンタジーやスクエニ自体ももはや「FF14」しかやったことないという人も多いだろう。(現在のアカウント数は発表されているもので2700万)
FF14はMMOであり、バトルを楽しむ以外の楽しみ方もフォローされている。
そんな人たちが苗床である中で「硬派なアクションRPGを発売しました」と言って振り向いてもらえるとは思えない。とにかくプロモーションを考えると徹底的に「アクションはやらなくてもいいです!!」と宣伝していく必要があったのだろう。

あるんだろ????

とはいえFF16も現代のゲームである。
なあ!!最初はほぼストーリーしかやることがない状態にしておいてDLCとかアップデートで要素追加してくれるんだろ!!!!?????期待してるぞ!!!!!!!!

召喚獣合戦の期待値割れ

想像してたもの:クライヴが人対人で戦ってるところに召喚獣が登場し、ムービーを挟まずシームレスにイフリートに移行(技も含め)して今まで戦っていた人が雑魚扱いになる。オーディンとかも操作できてさっきまで大混戦だった戦場を斬鉄剣で一気に薙ぎ払う

実際:基本操作するのはイフリート(及び強化形態)だし、わりとムービーを挟んで移行する。

さすがに私の想像上のものは演出や工数上無理だったのかなぁ。
とは言え他の召喚獣や味方操作パートは欲しかった。
オーディンになって戦場を一閃してみたかった…

とはいえアクションゲームとしての完成度は高く、(特に発売前にプレイしたデビルメイクライ5と比べると)召喚獣というキャッチーさがあるおかげでアクションを覚えやすいしイメージもしやすい。

良くも悪くも安定感があった。逆に言うとそれはなにか物足りなさも内包してるわけで…

コンテンツ

構造

ゲームの構成はFF14の流れを概ね踏襲していた。
メインストーリーで旅をして困りごとを解決→いい感じのところでサブクエが解放される→インスタンスダンジョンを挟む→インスタンスダンジョンの終わりに蛮神戦を挟む→繰り返し

メインストーリー

まあ一本道。これは散々発売前インタビューで「1周目はストーリーにのめり込んでほしい」と散々言っていたように、誘蛾灯のようにストーリーを進めていくことが出来たので悪いところでは無い。

寄り道

サブクエストやモブハントなど。
サブクエストはFF14をやっていれば大体あれと同じで通じる。ただ数はかなり絞られていて、かなり明確に世界観が感じられるものに絞ってすぐにメインストーリーに戻れるようにしていたように感じた。

モブハントについてはFF14のというよりFF12のものが近く、モブハントボードに書いてある場所に行けば特になにもせずモンスターが出現する。
メインストーリーでも出たモンスターの強化版であったり、ただの強化版雑魚戦であったりFF14のように専用フィールドでバトルするものもあった。ここらへんは担当者の裁量が大きいのか割とブレ(いい意味で)があった。
1週目では失敗するたびにアビリティをそのモブに最適化して再挑戦楽しみがあった。2週目は上手くなりすぎて&アクションの最適化が済んでしまい消化試合だった。
個人的にはモブハントをもっと増やす(もしくはハクスラ要素にして)ほしかったなという印象。

クリア後の寄り道

"本来の難易度"であるファイナルファンタジーモード。

既存のステージでどれだけスタイリッシュにポイントを積めるか競うアーケードモード。

どちらも新規要素とは言いがたい(本当にただ同じ内容が高難易度になっただけ)ので1周目で遊び尽くしたら大きな驚きはないかも。
すべてのアビリティが解放された状態で始めからプレイするFFモードは最高のアクションゲームを体感する上でちょうどいいので、アクション好きならやったほうが良いとは思う。

アレは?アレは???

FFといえば恒例の高難易度チャレンジ:オメガ

ジェットコースターにはレールがある。

吉田の想定するジェットコースターはおおむね成功していたように見えた。
しかし吉田の整理癖も同時に発動し、粗削りでも許されるはずの要素も削り、きれいなレールを敷いてしまった感じがある。
ゲームの構造が途中から見えてしまうのだ。
「メインクエ」「サブクエ」「フィールド」「インスタンスダンジョン」「討滅戦」「ノーマル→ストーリーを見せてから零式」
など、FF14をやっているからかもしれないが、次に何が起こるかがかなりわかってしまう。
このあたり、同じスクエニのアクションでGOTYを受賞した「ニーアオートマタ」と対照的…というか演出としてニーアのヨコオタロウのビックリのさせかたがほしいなという感想になった。


まとめ

この世界にもっと居たいと思った。好きになってしまった。だからこそのあの終わり方は「ああ、もうこの物語は閉じてしまったんだ」ともの悲しくなった。

FFは16作+なんか-2とかついてるやつある+外伝作品が鬼のように出ていて、もはやどこにイメージの焦点を合わせればいいのかわからないんだけど、「その時のスクエニができるわがままを全部詰め込んだ作品」だと思う。そう思った上でFF16もまた髙井、吉田、マエヒロ、その他スタッフのこだわりを詰め込んだファイナルファンタジーだと思うことができた。

吉田直樹の強みといえば安定感と、フィードバックを拾い改善する力だと思うので、第三開発部の次のゲームに期待して待っております。
なんかふしぎなちからを使ってクライヴをそのまま使った狩りゲー(モブハンみたいなのを延々やって素材を集めるモンハン)が出来ないかな!

あとなんだろう、びっくり感のようなものが足りなかったのでヨコオタロウを演出に迎えて予想外のことが起こるという展開とかチャレンジして欲しいと思った。


その他、細かなよかったとこ

・999999
 やっぱりなんだかんだ色んなものを数値で表現するそれがゲームなので、999999ダメージはアツくなった。
でも直前のアルテマくんの顔が面白すぎて爆笑しながら「バカの数字だwwwwwwww」と思って見てた。爽快豪快で良い。後で妹にアルテマの顔を見せたら(真顔で)面白いと言ってた。そういう妹だ奴は。


良くなかったとこ(及び、要望)

  • アビリティ(とアクセ)をセット登録したい。雑魚用とボス用みたいな

  • 死んでリトライするときにアビリティを換えたい

  • わかりやすさを重視してるはずなのにリキャストタイムの表示どこにもないね?なんで?

  • QTEは影響ないとはいえやっぱ失敗したらウァってなるので極力わかりやすくしてほしいんだけど、2周目ボタンの指示がなくなったの辛かった(エフェクトでどっち押せば良いのかわかるっちゃわかるけど)

  • 武器には物理威力と魔法威力が設定されているが、その割合が違うものがほぼない。分かりやすさといえばそれまでかもしれないがフレーバー以上の意味を持っていない。

  • アクションは楽しいがそれを発揮できる場所がない(すでに攻略した場所の繰り返しじゃつまらない)モンハンのようにゆらぎのあるハクスラ要素がほしい。

  • 1周目で開放した探索要素(クロノス石塔群、モブハントの場所など)は2周目で簡単に分かるようにしてほしかった

  • ラムウのアビリティゲージだけやたら暗色でリキャストが見づらい。

  • 造船所のシーンカットシーンスキップできないぞ


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