りんご飴 〜お菓子の物語「番外編」へ〜
少し日が陰りはじめた
夕暮れの縁日
浴衣を着てりんご飴を買って
屋台をめぐる
通り過ぎる子供たちは
手にお金を握りしめているのか
くじ引きや型抜きのお店に並んでいく
花壇の縁にそっと座り
りんご飴をかじる
固い飴の、
こんがりとした苦味を含む甘さと
たどり着いたりんごの
甘酸っぱいジューシーさが
混ざっておいしい
赤い透明な色が
りんごの実に移って
その赤さがより鮮明になる
祭りの会場が山影に入り始めた
提灯がぼんやりと
夕闇を照らしだす
人々はビールを飲んだ