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【ゆる募】お菓子の物語

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皆さんからたくさんの記事をお寄せ頂いて完成したマガジンです。お菓子にまつわる皆さんの「記憶」や「感情」がつまっています。宝物マガジンとなりました。ありがとうございます。💗湯山昭さ…
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#夏

りんご飴 〜お菓子の物語「番外編」へ〜

少し日が陰りはじめた 夕暮れの縁日 浴衣を着てりんご飴を買って 屋台をめぐる 通り過ぎる子供たちは 手にお金を握りしめているのか くじ引きや型抜きのお店に並んでいく 花壇の縁にそっと座り りんご飴をかじる 固い飴の、 こんがりとした苦味を含む甘さと たどり着いたりんごの 甘酸っぱいジューシーさが 混ざっておいしい 赤い透明な色が りんごの実に移って その赤さがより鮮明になる 祭りの会場が山影に入り始めた 提灯がぼんやりと 夕闇を照らしだす 人々はビールを飲んだ

マシュマロを焼く

ふっくらとしたマシュマロを 串刺しにして、火で焼く ゆっくりとクルクルさせる 表面がジリジリと焦げてきたら 食べごろ マシュマロの膜が 唇に触れた瞬間の 焼けるような熱 とろける泡のような甘い食感 夏の夜のお楽しみ お菓子の物語へ参加させていただきます🤍 https://note.com/mokasanhamamatsu/n/n605cc6c7697f?sub_rt=share_pw

あんころもちに出会った日

真夏の陽射しの下、 両親に連れられて 守りの堅い城を散歩していた からっと晴れて、 さほど暑さを感じない そんな日だった 大きな石垣を上ってみたい気持ちに かられながら、あの天守を望む 城を出て城下を歩く ふらりと訪れた 大きな池のある庭園 緋毛氈の敷かれた縁台に腰掛け はじめて食べた、あんころもち 何であんこを外側にしたんだろう? なんてことを思いながら口にする よく練られた口当たりの良い餡の中に、 柔らかいながらも弾力ある餅が 包まれていた その美味しさに