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(コロナ)デンマークの受け止め方 まとめ

デンマークのコロナウイルス政策一覧まとめ。
写真は、隔離要請があった後のある日に乗った時、空っぽだったメトロ。

(4/9, ちょっとアップデートしました。閉鎖政策の緩和が始まった!)

コロナウイルス関連の政策決定が凄まじく早かったので、まとめてみました。

最初の陽性者発生からすぐに具体的な政策がもりもり発表される毎日。
東日本大震災以来の、ネットニュースをずっと見つめる日々でした。

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2/27
北イタリアのリゾートからの帰国した最初の陽性者発生

3/3   (最初の陽性者判明から5日目,感染者10人)
感染者のほとんどはアルプスリゾートからの帰国者だった。
 外務省会見
- 北イタリア・中国・イラン・韓国の一部からの帰国者は2週間自宅隔離。企業にその期間の給料を払うことを推奨。

3/4   (最初の陽性者判明から6日目,感染者15人)
 - 保健大臣は、感染症に関する法律の権限を施行することを示唆。(隔離・検疫などの強制措置を行える)

3/6  (最初の陽性者判明から8日目,感染者23人)
コロナウイルスに関する最初の首相&閣僚会見

- 1000人以上の集まるイベントの中止
- 感染地域からの帰国者は14日間隔離

3/10 (最初の陽性者判明から12日目, 感染者264人)
閣僚会見

- 今回の自粛要請でキャンセルされたイベント主催者への保証
- 企業の納税義務を一時的に延期
- 世界全ての国を対象に、渡航の際の注意。(いわゆる危険情報レベル1)

3/11 (最初の陽性者判明から13日目, 感染者516人)
WHOがパンデミックと表現
首相&閣僚記者会見にて

- 学校・保育所・全ての公共文化施設・図書館などの閉鎖
- 必須業務についていない公務員は二週間、有給での在宅措置
- 一般企業はできるだけリモートワークを推奨、少なくともオフィスにいる人数を半分にすること
- 100人以上の集まるイベントの中止と中止分の補償
- 海外にいるデンマーク人の帰国要請
- 1ヶ月間、不要不急の海外渡航の禁止
- 5千億円の公的資金が経済補償へ行くことを明言 
- 物流対策は完璧なので買い溜めしなくても大丈夫なことを明言

3/12 (最初の陽性者判明から14日目
デンマーク初の感染による死者
経産相会見
- 陽性者従業員への給与保証制度
- (失業者を減らすため)一時離職制度を推奨
- 金融機関へ、いろいろな緩和措置(専門的でわからなかったよ)
-  今もっと経済支援策について考えてるからまっててね
(ここで彼氏(設計事務所勤務)がリモート勤務開始)

3/13 最初の陽性者判明から15日目, 感染による死者1人
夜8時、首相&閣僚会見

- 翌日昼から国境閉鎖(発表から16時間で閉鎖!)
- 世界全ての国を対象に、渡航の延期勧告。(いわゆる危険情報レベル2)

3/14
最初の陽性者判明から16日目, 感染による死者2人
正午、国境閉鎖
(この段階で完全に国境閉鎖していたのはミニ島国を除くと全部で3ヶ国くらい。首相は、これは衛生的な判断ではなく政治的だと断言。やりすぎだと非難もあった。さすが、普段難民すら受け入れないデンマーク、EUの自分勝手キング。)

3/15 最初の陽性者判明から17日目, 感染による死者4人
首相&閣僚会見

- 条件付きだけど、企業が従業員を一時離職させた場合の給与を75%国が保証することが決定。
(わたし(建築設計事務所勤務)も(社長めちゃ嫌がっていたけど)リモート勤務開始)

3/17 最初の陽性者判明から18日目, 感染による死者4人
女王が戦後初めて、新年スピーチ以外でのテレビ出演・国民へメッセージ
(これが信じられないくらい効果絶大、女王が言ってるしやめとこ、っていうフレーズが日常会話で続出。ほんとに。)

首相会見
- 10人以上でのイベントの禁止(破れば25000円の罰金)
- レストラン・バー・ショッピングセンター・ヘアサロン・タトゥーなど客に密接するサービスなどの閉鎖要請
- 街中でもなるべく人と距離を取るように要請

3/18 最初の陽性者判明から19日目, 感染による死者4人
- 中小企業・フリーランス向けの補償パッケージの発表(損失の75%を補償)

<---ここから4/9更新--->
3/23 
最初の陽性者判明から24日目, 感染による死者24人
- まだまだ閉鎖政策の続行を表明(4/13まで)
- 有給での休暇扱いだった公務員、これ以上休む場合は無給での休暇や有給の消費になることを表明。(ちょっと恵まれ過ぎてたので、普通の企業と同じ対応になった。)

3/24-4/5
- この時期死者数などが毎日増え、政府は予断を許さない感じを毎日伝える(もっと締め付けの強い政策をチラ見せしてきたり)
- でも早期の閉鎖政策が功を奏したのか、割ともう大丈夫なんじゃないかのムードが数字と人々に漂いはじめる。いろんな閉鎖がはじまって3週間くらいたつ....

4/6 最初の陽性者判明から38日目, 感染による死者187人
首相会見
- 入院者数が減少して、感染爆発の恐れが小さくなった。
- 政府が閉鎖政策の緩和措置について3つくらいシナリオを説明してくれた。そのうち一番リスクの小さいものを取ることになった。
- 8月末まで大きなイベントの禁止(北欧夏にフェスとかめっちゃあるから)
- 現行の閉鎖政策はとりあえず5/10まで続く。
- 小学校・保育園・幼稚園がイースター休み開け(4/13)から再開することになった。中・高・大はまだ。
- 中学の卒業試験(これで行く高校が決まる)が中止。子供達はそれまでの成績で高校が決まることに。(わたしのデンマーク語試験どうなるんだろ...)


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これまでの重要な政策発表はこんな感じかな...

今はこのときに発表された政策・制限が粛々と国全体で施行されているところで、この迅速な閉鎖政策は今のところ効果が出ているといえている。
素早く閉鎖してえらい!🙌 と信じたい。
(というか、国の病院の数が少なすぎて、これ以上患者が増えたら絶対に医療崩壊すると思う。怖すぎ。)

政策決定の迅速さ、具体的さ、私についてこれば大丈夫!とテレビ会見からビンビン伝わるメッテ首相の格好よさ、女王パワー、のおかげで、人々はパニックにならず、"適切に怖がっている"印象です。
すんごく悪くいえば、ここまで意思統一ができるなんて、独裁国家みがある...と思うほど。

それでも今(3/29現在)72人の人が亡くなり、数字は他国日に日に増加し曲線はまだ上へ登っていくばかり。
友人の糖尿病病棟の看護師さんは来週からコロナ専門病棟で働くなど、国はコロナとの戦いの真っ最中です。
ここで気が緩めば感染爆発もありえる。

3万人(国民1%くらい)の失業、ホームレスの人々への支援の問題、DVの増加、他の医療の延期(がん患者などさえ手術が延期されている)などなど、コロナに付帯する社会問題はやはりどんどん出て来ている。(が、対応策もバンバン出ている。)
なにより、普段ストレスフリーなデンマーク人がこの状況下で受けているストレスは並大抵ではなさそう。(みんな、ほんとメンタル弱いからね...)

まあ一応みんなちゃんとルールを守っているので、今のところこれより厳しい政策(外出禁止とか)はなく、人気の少ない場所なら普通に街をぶらぶらしたり、美味しいパン買いに行ったりできます。(店内には3人までしかはいれない。)

どうせ在宅勤務だし、可愛いお店はあいてないし、友達とは遊べないから暇なのでどうせ引きこもってるけど。
ちゃっかり現金支給とか欲しかったな...(こら)

今政府はこの制限をどうやって解いて行くか、もう一度デンマークをリスタートさせる為にどういう手順でやって行くか...という前向きな議題に入っていて、暗いだけじゃない雰囲気。いい感じ。

世界中のいろんな国がこの未曾有の事態に、何が正解なのかわからないまま、様々な種類の政策を試している最中。
まずは自分のいま属する国の方針を理解してその実情を人に伝えたく、とにかくまとめてみました。

以上、デンマークからでした。
気をつけながらも、ありがたいことに家から仕事できているので、わたしは
落ち着いて過ごしています〜。

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画像2

(メトロの全駅には全ての広告が取り払われてこんなサインが代わりに貼られていた。車内で気をつけてほしいことと、風邪だったり感染してるかもだったら乗らないで。のお願い。)


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