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梅雨入りしたら梅が降ってきた

朝7時に起きて朝食を食べ、出勤する。
一日の仕事を終えて、帰路につく。

ヘトヘトなサラリーマン、キラキラしたOLさんたち、
店じまいをするカフェ、賑やかな居酒屋。

いつもの風景。みんな、今日もお疲れ様。

そんな風に何気ないことを考えながら家を目指す。

あれ、、、、

なんだか雲行きが怪しい。

そうだ。今朝の天気予報を思い出す。

今日の天気は”晴れのち梅”だった。

大丈夫。ばっちり、傘は持ってきましたよ!


しばらくすると、、、

ぽとっ、ぽとっ。

あ、梅が降ってきた。

傘をさす。ぽとっと傘に当たった梅はころころと転がって地面に落ちる。

地面に転がる梅を踏まないように、気をつけながら歩く。

もうこの時期か、、、。梅雨入りかな、、、。
と、季節が過ぎるのはあっという間だなーと、ふんわり考えながら歩く。

やがて梅はやんだ。

私は傘を閉じる。

地面一体に広がった梅。

これをどうするかって?それはもう、梅雨の時期、恒例のあれだ。

近所のおじさん、おばさん、サラリーマン、OLさん、学校帰りの子どもたちだって、みんなが外に出てくる。

みんなで梅を拾う。

こどもたちはとれた梅の数で競い合って、おじさんおばさんは今年の梅の良し悪しを語り合って。

梅干しにしたり、梅酒にしたり。

帰宅して、一息ついてからテレビをつけた。
ニュースキャスターが梅雨入りしたことを伝えている。

みんなが梅を拾っている様子が映し出される。

梅が降った日はみんなが笑顔になる。

私は梅酒にしようかな。

丁寧に漬け込んで、おいしい梅酒を心待ちにする。

梅雨入りしたら梅が降った。みんな笑顔になった。

私も笑顔になった。