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小説 本好きゆめの冒険譚 第五十九頁

 季節は4月。新学期です!

 私は「6年生」になりました!

 クラス分けは、少しだけドキドキしたけど、

 友達が沢山、同じクラスになってよかった!

 幼稚園からの友達は、ビックリするぐらい、

 ずっと、同じクラスになりました!

 最近の変わった事って、特にはないけど、

 私は「図書委員」になりました!

 これで、いつも大好きな本が読めます!


 今日の授業も終わり、いつもの帰り道。

「何だか、お腹が痛い…。」

 そう思いながら歩いていると、

「ゆめ様、お父様からのメッセージがあります。」


 何故、ゼウスにこんな機能があると言えば、
「儂の名前をつけたんじゃ、儂の分体と同じだから、繋がっとるんじゃよ。」と、お父さんに言われた。

 ゼウスには、お父さんからのメッセージが入った時に…。

「ゼウス様より、メッセージが…」それに対して、「ゼウス、ゼウス様のメッセージを見せて」と言うのが、変だったので、ゼウスさんからの物は「お父様」に変換してもらってるんです。

「ゼウス、お父さんのメッセージを見せて。」

 ゼウスが、私の中から出てきて見せてくれるのだけど、他の人に見られない?って言ったら、透明化しますってなったので、道端でゼウスを出しても、誰にもバレないんです。ゼウスは有能だ。

「ゆめ〜、お父さんですよ〜!」

 お父さんが、手を振っている。まるで、オンライン会議。

「どうしたの?お父さん。」

「いや、実はな…」

「ゆめちゃ〜ん、元気〜♡」

 と、お母さんが、割り込んでくる。

「今日、お父さんに、メッセージを繋いでって言ったのは、私なの〜♡」

 なるほど…

「何かあったの?お母さん。」

「前に約束した事を覚えてる?」

「何か、したっけ?」

「んも~、忘れてるじゃない〜♡」

「召喚術を覚えたら、私からのご褒美をあげるって約束♡」

「そんな約束、したっけ?」

 ヘーラーが、ズッコケたのだろうか、画面から消えた。

 画面がお父さんに変わり、小声で…

「ゆめ、アイツは、ああ見えて傷付きやすいんじゃ、合わせてやってくれ。」

 立ち直ったのであろうお母さんが、画面下から這い上がって来た。

「あっ、お母さん、思い出した、思い出したよ!」

 すると、ヘーラーの顔が、喜びでいっぱいの顔になって

「ゆめちゃんに、ピッタリのプレゼント用意してあるからね〜早く来てね♡」

「あ、あのね、おか…」

 切れてしまった…。

 今は、とにかく「お腹が痛い」のを、何とかするのが先!何だか胸まで張ってくるし…こんな感じは、初めてょ。

 何とか、家に辿り着いた。

 出迎える、ママをよそに、トイレにダッシュ!


 そして、驚愕…。


 慌てて、ママをトイレに呼んで、鮮血で染まった便器を見せたら、何故か喜んでくれた。今夜は赤飯よ!って言ってた。

 喜んでいるママに聞いたら「女の子の日よ!」って言って、包み紙をくれる。これから、毎月、こんな日が来て、大体、一週間位で治まるから頑張ってねって、言ってくれた。

 パパが帰って来て、一緒にお風呂に入ろうとすると、パパがママに呼び止められて、何故か、パパも喜んでくれた。一緒には、お風呂に入れなかったけど…。

 今日の晩ごはんは、「お赤飯」。
 流石に鯛は急には用意出来ないからって、焼鯖が出てきた。これは、私が好きな魚だからOK!パパからは、渋い好みだねって言われる。

 相変わらず、皆で食卓を囲んでの賑やかな空間。
 毎日が楽しくて、しょうがない。

 今日は、お父さんの所に行ってくるって言うと、よろしくお願いしますって、伝えてくれってお願いされた。

 いつものように、パパと一緒にテレビを見る。
 コマーシャルはテレビゲーム。
 パパが、欲しい?って聞いて来るから、そんなにって言ったのに、記念日だからねって買ってくれる事になった。


 夜、ゆめの部屋。


「さて、行きますか!」

 光に包まれて、私は消える。

「何もない空間」。

 いつも通りに、お母さんが飛びついてきて、お父さんが、良く来たなと撫でてくれる。

「今日は初めての女の子の日」って、告げると、2人は大喜び。パパからの伝言を伝えると、お父さんは黙って頷いた。お母さんは、今日はダブルでお祝いよ♡と、私を強く抱きしめてくれた。


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