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ボツになった原案011

こんにちは!
今回でボツになった原案は終了します。
もし、これらの話がどう変わったかが気になった方は
小説家になろう インフィニティー・ワールド~希望の果てに 
を読んでいただければと思います。
ありがとうございました。

***ここから本文***

0009 クエストクリア

「え?」俺は呆然とした。
 俺と他のプレイヤーの時と違う!
 
 ちなみに他のプレイヤーにも同じ質問をしてみたら「緑のローブを着た老婆」だったり、「学者風の女性」だったと言う話しも聞いた。
 
 これでは、情報交換どころではないではないか⁉

***

「悟さん、やっちゃいましたねー。」
 喜んでいるのは運営の人で、この間にフォース・ヴィレッジのプログラムを構築中なんだとか・・・。

 そう、各プレイヤーが見ているNPCは「世界各国にあるNPC」なのだから、同じNPCが現れることは、まずない。ま、運が良ければまた会えるかもね。

 さらに、攻撃パターンも変えてある。このクエストの為だけにスーパーコンピューター1台を投入しているのだから、ほとんど同じ攻撃パターンはないのだよ。

 でもですね〜、そろそろ飽きて来たんですよね。
 すると、運営の人はそろそろ攻略法を教えに行きましょうかと言っていた。

***

『セカンド・ヴィレッジ。に戻りました。』

 俺達は疲れていた。もう、一ヶ月である。これだけ時間があれば、誰かがクリアしてもおかしくないはず・・・。
 なのに、誰も攻略できていない!

 竜の攻撃パターンは誰も被らないし、共通していることと言えば、最初が一番弱かった事と、回を追うごとに強くなっている事だ。

 剣では刃が通らず、魔法も効かない・・・。打つ手なしだ。

「これって、負けイベなんじゃね?」誰かが言った。確かにそうかもしれない。
 そう言えば、悟さんが、このクエストは柔らかい頭を使いますよとか言っていたな。どういう意味なんだろうか?

 もう一度、行ってみるか・・・。

 俺達は荷車と共に野道を移動する。この道も何度も通っているから、今では目を瞑っていても歩けるほどだ。
 それに、多数のプレイヤーが通っているから、道には草がなく、地面がむき出しになっている。

「熊イベ」何度も戦っているし、お陰で剣のレベルも上がっているから、今では一撃で倒せている。

 そして、少女は今回はいるのかな?
 いた!「白髪の少女」だ!

 その少女はツカツカと俺に向かって歩いてくる。顔が完全に怒っている。

「ど、どうしたの?」
「貴方が99回も負けてぐずぐずしているから、お母さんが死んじゃったじゃない!どうしてくれるのよ!」
 お母さんが死ぬ?このクエストには時間の概念があるという事なのか?
「どうすればいいんだい?」

『クエスト 竜の涙 受諾しますか? YES NO』と表示された。

「今更、竜の涙を取って来ても、どうにもならないんじゃ・・・。」
「何言ってるのよ!これで、お母さんを生き返らせるんじゃない!」
「それだけじゃないわ!私も若返らせて頂戴!」
「でも、勝てるかどうか・・・。」俺は下を向いてしまった。
「何?へこたれてんの?いい、このクエストは今日で終わりなの!今日竜を倒せなかったら、お母さんはもう、戻らないんだからね!」泣いてしまった。

「わかった。行くか!」と森に向かおうとすると、走って来た牧師が声を掛けてきた。
「私も・・・一緒に行きます!」牧師は息が上がっている。正直、戦力外なのだが智慧を貸してくれるかもしれないので、同行してもらうことにした。

 俺達3人は洞窟の入口へ・・・。異変に気が付いた。『松明が3本』あるのだ。

 洞窟内部に入ると、いつものように弱小の魔物たちは逃げて行く。
 最初にアリスと休憩をした、広い空間にやって来た。

「主よ、我らをお守りください。」と牧師が壁に向かって祈っていると、一面の壁が崩れ落ち神の像が現れた。
「さあ、松明をこちらに。」牧師が像の手に松明を持たせると、竜がいる所までの通路が無数の松明の明かりに照らされた通路となった。

『勇者にジョブチェンジできます。ジョブチェンジしますか? YES NO』と表示が上がった!答えは『YES』!

 俺の双剣が『グランド・ソードにレベルアップしました』になり、牧師が「神の力を勇者に!」金色のオーラが全身を纏った。

 これなら、勝てるかも知れない!

 竜がいる空間に差し掛かった頃、牧師が「アンチ・ドラゴン・サークル」と呪文を唱えると、竜はピタッと動きが止まり、更に「レベル・ダウン!」と唱えると、竜の姿が一回り小さくなった。

「騎士様、今です!」
 ウォオオオオオー!

 今、俺の手の中には「竜の涙」がひとかけらだけ転がっている。

「ありがとうございます、騎士様!」と抱きついてくるのは最初に出会った「アリス」だった!
「騎士様のお陰で、お母さんの病気も治り、元気になりました!」
「よかった・・。本当に良かった・・。」NPCの話だけど、今までの事を思い出すと、俺は泣かずにはいられなかった。

***

 牧師たちを連れてサード・ヴィレッジに到着すると、悟さんが拍手をしながら、出迎えてくれた。

「お疲れさまでした。これは、記念メダルです。」
 クエストクリアのメダル1枚と最速クリアメダル1枚とソロ攻略メダルの3枚があった。

「この最速メダルって、クエスト失敗すればはく奪だったんじゃなかったのか?」
「さぁ~て、何の事でしょうか?」


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