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ボツになった原案004-1
こんにちは!
昨日、ボツになったフォルダをあさっていると、まだアップしていなかった原案がありました。
しかも、今日投稿すれば昨日の話と続かなくなってしまうんです。
順番的には「ボツになった原案004」に続く話ですね。
***ここから本文***
JIPANG 0005 未来の展望
「運営本部からの徴収を日に3%に引き下げて貰いたいのです。」
俺の言葉に会場がざわつき始め、ヤジも飛び交う様になって行った。
そんな皆をロッシーニさんが鎮め、何故かと聞いてきた。
「税金は高ければ良いと言う物ではありません。税率が下がることによって、商店は店内の品ぞろえを豊かにしたり、その分、値下げをしたりできます。そうすることによって購買力が上がり、売り上げも上がるという物です。」
ロッシーニさんは、納得は出来ないけど道理は通っているので反論は出来ない。
「では、商工組合は商店からいくら貰うつもりですか?」
「商工組合は商店から売上金を貰う事は致しません。それは税務署の仕事です。」
「では、商工組合は何を商材にして売り上げを出すと?」
「新規の商店に証明書を発行したり、店舗の改築などの業者の手配など他にも沢山ありますがそんな所です。」
「なるほど、証明書ね。」ロッシーニさんは何やら考えているようだ。
「もし、この証明書なしで商売を始める、又はしている場合は違反行為として運営が決めていただけたのなら・・・。」
「商工組合が儲かると・・・。」
「そうです。違反行為をすれば10億円ですから、皆さんは慌てて証明書発行手続きをしにくるでしょうね。」
「それに、商工組合・冒険者組合は月の売り上げの45%を支払います。」
「なんですと!それでは、まる損ではないですか!」
「ええ、まる損ですね。」
「そんなことをして、何の得があるというのですか?」
「確かに、得はありませんが、秩序は守られます。」
ロッシーニさんは椅子に腰掛け直しながら、解りましたと言った。
ー***-
「続いて、よろしいですかな?」
「私はロシアのフランコフと申します。よろしくお願いします。」
深々と頭を下げるので、俺もつられるように頭を下げた。
「税務署に関することでお聞きしたい。」
「先ほど、私達運営側は売上金からの・・・。仮に税金としましょう、5%から3%に引き下げて貰いたいとの事でしたが、税務署はどう言った形を取られるのですか?」
「そうですね。年間売り上げの30%ぐらいでしょうか?」
「そういうことであれば、日に換算すると1%ぐらいになりますな。」
「ええ、店舗の必要経費などを差し引くと純利益が下がるでしょうから、純粋な売上金1%よりも下がると思います。ただし。」
「ただし?」フランコフさんは、俺を見つめた。
「税務署がこれは必要経費ではないと判断した場合はその限りではありません。」
「ほう、例えば?」
「高級車とか、衣服、アクセサリー等々ですね。接待の食事も含まれません。」
「中には仕事の為に使うとスーパーカーを買う人もいますからね。」
場内に笑い声が響いた。
「更に、毎日の帳簿の閲覧が行使出来る権限とお金の流れを特定できる権限も持ちたいですね。」
「例えば?」フランコフさんは、少しだけ身を乗り出してきた。
「所持金にも目を光らせる必要があります。」
「例えば、ログインした時点での所持金がログアウトする際には増えていた。おかしいと思いませんか?」
「カジノで勝ったんじゃないか?」
「その時は、ログに書き込まれているはずです。書き込まれていないお金の場合はどうでしょう?」
「つまり、不正をしているという事か・・・。」
「それを監視するためのシステムを構築して貰いたいものです。」
「それと、税務署だけでなく、冒険者組合・商工組合の話しなのですが・・・。」
「何だね?」
「国の為にある機関ですから、建物の代金は無料にしてくださいね。」
フランコフさんは、ワッハッハッハ!と大声で笑っていた。
ー***-
俺への質問コーナーも終わり、運営の役員が話し合っている。
そして、一つの答えとなって帰って来た。
「面白い提案だ!是非ともやってみようじゃないか!」
「日本サーバーで上手く行けば、全世界に広めましょう!」
いい感じで終わりそうだ。良かったと胸を撫でおろしていると
「そうだ、先ほどの冒険者・商工組合は本部に収める金額は40%でいいぞ!税務署に関しては、納める必要はないからな!組合などの運営に使ってくれ!」
「それで?いつから始めるんだ?」
「そうですね~来年ぐらいでしょうか?」
「今すぐにやれ!命令だ!」
「解りました!」
「それとですね、フランコフさん。」
「なんだ?」
「軌道に乗ったら、東京エリアの隣にリトル・トーキョーを作りたいのですが。」
「ああ、そう言えば君はリトル・トーキョーの副総長だったな。忘れられんのか?」
「いえ、そういう訳ではなくて我々の虐げられていた時代を忘れないように名前として残して置きたいだけなんです。」
「そうか。そこでは何をするんだ?」
「主にカジノと質屋ですね。」
「何?金を貸すのは違法だろう?」
「ええ。ですから〈買取〉という手段をとります。もう、貴金属の鑑定士のインストールが完了していると思います。」
「ハッハッハ!抜け目ないな、君は!気に入った!」
背中をバンバンと叩くフランコフさんだった。
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