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ボツになった原案010

こんにちは!
今回は昨日の続きとなります!

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0008 クエスト「竜の涙」②

 『セカンド・ヴィレッジ。に戻りました。』アナウンスの声。

「くそぉ・・・。」
 斬撃は一言、悔しさを口にした。

「あの少女が竜って、ありかよ!」

 全く手ごたえのない竜を倒したと思ったら、背後に変身した竜がいて、それに気づいた時には、炎のブレスで焼かれて終わっていた・・・。

「今日は、もう寝る!解散!」と牧師達4人を残し、後を去った。

 そしてログアウト・・・はしない。村にある宿屋で寝ることにした。なにせ、ログアウトした世界では「眠る」と謂う行為をしなくてもいい。このゲームの中でのみ眠る事ができるからだ。

 次の日。

 よっぽど疲れていたのだろう俺は熟睡をしていたようだ。
 気を取り直して、いざ、出発!

 昨日と同じ「熊イベント」を終了して、少女が・・・2人?
 一人は昨日と同じアリス。もう一人の青いドレスを着た少女は一体?
 顔は二人とも同じ顔だ。服の色だけで見分けるしかないようだ。

『クエスト 竜の涙 受諾しますか? YES NO』と表示された。

 少女の話は・・・昨日聞いた。と思ったら・・・
「どうして、昨日は私を置いて逃げたんですか!」セリフが違う!
「慌てて、森に逃げて妹に助けてもらったんですからね!」
「そうよそうよ!騎士様、見た目と違って、本当は弱いんじゃないの?」妹が俺を煽ってくる。
 まてよ、このNPCは昨日の事を覚えている?という事は、昨日の竜はこの子ではない?
 いやいや、確かにこの子が変身したんだ!俺は見た!・・はずだ。

 洞窟には『松明』。昨日と同じだ。燃え尽きないうちに早々と洞窟の奥へと急ぐ。
 洞窟に入って、ムカデ・コウモリ。これも、昨日と同じ。

「騎士様、もうすぐで泉です!」アリスが・・・走らない⁉

 洞窟の奥に昨日と同じ竜がいた。これは倒せるだろう。問題はその後だ。
 昨日はアリスが竜に変身した。今日は妹がいる。全部で竜が3体!捌ききれるのか?

 まずはともあれ、目の前の竜だ。これを倒さないと話にならん。

 俺が双剣を抜くと、目の前には炎のブレスが・・・。

『セカンド・ヴィレッジ。に戻りました。』

 なんだ、あれは?
 昨日は炎を吐かなかった竜がブレスを吐いてきた。しかも、前触れなしで。

 これは、マズいかもしれない。勝てないかもしれない。
 しかし、これを攻略してなんぼのゲームよ!勝てないゲームなんてない!

 
「熊イベント」終了。
 少女が・・・。妹だけになっている?

『クエスト 竜の涙 受諾しますか? YES NO』

「騎士様、昨日も逃げて帰ったから、姉はふてくされています!なので、今日は私が一緒に行きます!」
・・・。なんだか、申し訳ない。

 洞窟、モンスター終了。いよいよ竜とご対面。

 俺は双剣を抜く。

 後ろから、ブレスが・・・。

『セカンド・ヴィレッジ。に戻りました。』
『セカンド・ヴィレッジ。に戻りました。』
『セカンド・ヴィレッジ。に戻りました。』
『セカンド・ヴィレッジ。に戻りました。』
『セカンド・ヴィレッジ。に戻りました。』
     ・
     ・
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***

 もう、何度チャレンジしたのだろう・・・。数えきれん。
 一度勝った相手が周回で強くなるのは分かるよ!でも今回は一度も勝ててない!それなのに毎回のように攻撃パターンが変わるって、どういう事だよ!さっきの時はお嬢ちゃんの姿すらなかったんだからね!クエスト表示だけだったんだからね!

「どうやったら、勝てるんだ!」他のプレイヤーも同じことを言っている。情報交換するしかないな。

 4人組のパーティーに声を掛けてみた。4人は「斬撃さん!」と逆に攻略法を聞かれてしまう状態になった。それでも話は聞かなくてはならないな。

「どんなクエストだった?」
「竜の涙っていうクエストです。」大剣持ちの青年、リーダーなのだろう。
「女の子がいただろう?」
「え?青い目をした男の子でしたよ!」
「え?」
「え?」


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