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小説 本好きゆめの冒険譚 第六十三頁

 現実世界に帰って来た!

 本当は、もう少し居るつもりだったけど、落ち込む2人の顔を見るのは忍びない…と放置してきたのだ。

 今のゆめの姿は、「少女」に戻っている。どうやらイメージで、どうにでもなるらしい。

 それと、召喚獣は「現実世界」でも、召喚可能との事。何故かと言うと、ゆめは現実世界にも干渉が可能になったからと言う事だった。

 くれぐれも、召喚しないようにと釘をさされた…。

「ダメって言われると、やりたくなっちゃう。今度、誰もいない所で召喚してみよっと!」

「よろしいのですか?」

 心配するゼウスに向かって、「大丈夫よ!」

 リビングに下りてみると、パパとママはまだ起きていた。

「どうしたの?眠れないの?」

「ねぇ、パパ、ママ。これ見て!」

 ゆめは大人バージョンもとい、「女神の姿」に変身!

 ゆめの余りにもの美しさに2人は戸惑いを隠せない。

「ほ、本当にゆめなのか?」

「そうだよ、パパ!」

 発する声まで美しい…。まるで天使だ…。

 ゆめの美しさに見とれていたパパは、いかんいかんと頭を振り、正気を取り戻すと

「絶対に、外で変身しちゃいけないよ。」

 ここでも「釘」を刺された。

 これも、どこかでやってみようっと♪

「ゆめ様、大丈夫なのですか?」

 ゼウスが、小声で確認する。

「大丈夫、大丈夫だから!」

 悪戯の心を抑えきれないゆめなのであった。


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