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第Ⅱ部 勇者パーティ編 第12章 キリ商店編 5.魔王軍への備え

 いずれ、魔王軍が攻めてくる。それに備えて、軍備増強を図ることにした。それには、マナドールの強化が、最も、効果的だと考えられる。

 そこで、オリハルコンを使って、防具や武器を作ることにした。まず、ローザに思念伝達で、連悪を取った。

 「ローザ、オリハルコンで、マナドールの防具や武器を作りたいのだけど、今、手元にオリハルコンってある?」

 「オリハルコンは、ありません。どの程度の量がいりますか?」

 「取り敢えずは、10人分の武器と装備を作るだけの量が欲しい。その後は、大量に必要になるよ」

 「それでは、鉱山を購入した方がいいですね」

 「でも、高価じゃないの?」

 「そうですね。それなら、新規に鉱山を探しますか?」

 「そうだね。将来的に事を考えると探す方がいいね。どこか、いい所はあるの?」

 「これまでに、見つかりそうで、見つからなかったところがいいのでは?」

 「いいよ。その場所を取り敢えず、買ってくれる? それから、さっき、言った量は、至急送ってね」

 「はい。分かりました」

 私は、ローザとの思念伝達を切って、どのような武器や防具がいいか、考えることにした。

 「パープル、これから、街に行かない?」

 「うん、行く」

 私は、パープルを誘って、街の鍛冶屋を覗くことにした。私達は、転移魔法で、街の支店に移動した。

 「さて、色々と見て歩くよ」

 「キリ、何か、食べたい」

 「いいよ。先に何か、食べようか」

 「うん、甘い物がいい」

 「それなら、そこの店で、ケーキでも食べよう」

 「うん、ケーキ、好き」

 私達は、近くのケーキ屋に入って行った。

 「すみません。この店のお薦めのケーキと紅茶を下さい。それから、一つは、冷やしておいてね」

 暫くして、ケーキと紅茶が運ばれてきた。

 私は、甘いケーキと紅茶を楽しみながら、久しぶりのパープルと二人だけの時間を楽しんだ。

 軽い食事を終えてから、近くの立派な門構えの鍛冶屋に入って行った。

 「すみません。誰か、いませんか?」

 「あっ、すみません。何か、御用ですか?」

 「オリハルコンを使った、防具や武器を見たいのですが、何か、お薦めの物はありませんか?」

 「こちらに、どうぞ。あの棚の中にあります」

 私は、スキル鑑定を使いながら、棚の中の盾を見て行った。すると、一つ飛びぬけている物が見つかった。それを棚から、取り出して、パープルに持って貰った。

 次に、武器を探し始めた。軽い武器がいいので、細身の剣を探していった。そして、最後に、スキル鑑定を使い、最も良いものを選んだ。

 最後に、身に着ける鎧を探すことにした。また、スキル鑑定を使い最も、防御力の高い者を選び出した。それも、パープルに持って貰った。

 「すみません。これらを貰います」

 「はい、今行きます」
 
 従業員は、私から商品を受け取り、包んでくれた。それらをアイテムボックスに入れて、パープルと一緒に帰ることにした。

 「それじゃ、帰ろうか」

 「うん。帰ろう」

 人目を避けてから、転移魔法で、キリ商店の本店に移動した。店の中に入ると、ローザがいた。

 「ローザ、こんにちわ」

 「あら、キリ。どうしたの?」

 「先日言っていたオリハルコンを使った武器や防具の見本を買って来たの」

 「私にも、見せてくれる?」

 「いいよ」

 私は、アイテムボックスから、今日買って来た武器や防具などを出して、テーブルの上に並べた

 「どれも、いい商品ね。これを見本に作っていくのね」

 「そういうこと」

 「でも、大量生産するには、道具や人手がいるわ。どうするの?」

 「道具は、神具を作るよ。それに、マナドールがいるから」

 「そうね。人手は大丈夫だったね」 

 私は、ローザから、用意して貰ったオリハルコンを使って、見本通りの物つくれるか、試してみた。思ったよりも、魔力を使わずに作成することが出来た。

 次に、その過程で使った魔法を魔法陣化して、神具に組み込んだ。また、マナドールが扱えるように、魔石を組み込み、マナテリーと接続した。これで、魔力がないマナドールでも、オリハルコンを使ったアイテムを作ることが出来る。

 次に、大量生産できるように、作成した神具と同じものをそれぞれ、10個ずつ作っていった。

 本部の地下に新たに工場を作っていくことにした。地下4階に移動して、横穴を開けて、地下4階を拡張した。それから、拡張した部分の更に地下に5階分の地下を作った。

 それぞれの階にマナドール用のアイテムを作成する工場を作って、行った。

 「これで、準備ができたよ」

 「キリ、後は、オリハルコンの鉱山ね」

 「ローザ、有望な場所は手に入った?」

 「既に、用意しているわ。ダンジョン近くの森の中よ」

 「直ぐに行って見るよ」

 私は、パープルの背に乗って、ローザに教えて貰った場所に行った。直ぐに、スキル探索を使って、オリハルコンの鉱山を調べた。すると、地下20mの所にあることが分かった。

 そこで、土魔法で、鉱山までの縦穴を掘り、次に、そこに掘り出したオリハルコンの鉱石を地上に運ぶための転移用の魔法陣を作った。

 そして、地下にオリハルコンを精錬する施設をつくり、出来上がったオリハルコンを送るための転移用の魔法陣を描いておいた。

 この鉱山で働くマナドールをコントロールするために、ネットワークに接続した端末を設置した。

 マナドールを50体送って貰って、作業を開始させた。暫く、旨く動くことを確認した後、本部に転移魔法で、移動した。

 「ローザ、旨く見つかったよ」

 「よかったね」

 暫くすると、鉱山からオリハルコンが届き始めた。今日からは、これで、マナドール用の装備・武器を作っていくつもりだ。これによって、マナドールの攻撃力と防御力を上げることができる。

 見本用のオリハルコンで創ったアイテムに、更に、強化用の闇魔法の魔法陣を2つ刻印することにした。

 これで、大量生産ができる。オリハルコンのアイテムをマナドールが作って、その後の各基地に配送することができた。

 「キリ、順調に動き出したわね」

 「はい。思ったより、早くできて良かったわ」

 「それで、キリ、何個作るつもりなの?」

 「今の予定では、120万個作りたいの。出来上がった細身の剣・盾・防具は、マナドール用なので、各基地に送って行きたいの」

 「そんなに作るの」

 「そうだよ。すべてのマナドールに配布したいんだ」

 「えっ、マナドールって、そんなにあるの?」

 「各基地に2万体置いているよ。基地が60以上あるからね」

 取り敢えず、動き出したので、私は、パープルと一緒に転移魔法で、魔法学院の自分の部屋に移動した。そして、食堂で、食事をとってから、寝ることにした。

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