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一喜一憂の同人活動10年・前編

こんばんは。絵描きの苦悩・第3回目です。
今日は自分がやってきた同人活動10年についてお話します。

▶なぜ10年も活動を続けていられたのか?


最初のキッカケとしては、高校生の時に友人達とノリでサークルを結成。
ですが、わずか1回の参加で消滅しました。
そこから自分だけは活動を続け、結果的に10年で50冊の本を作りました。
これだけ見ると同人に熱意ある人なんだな~と思うかもしれませんが、一番の目的は「お目当ての本を確実に買うこと」です。。すいません。

・サークル参加は当たり前ですが会場に早く入れます。
・つまり開場した時にお目当てのサークルさんに素早く並べます。
・でもサークル参加するには頒布物が必要です。
・なので本を作ります。
・これを繰り返した結果、サークル10年、発行50冊になるわけです。

実際、開場してすぐに買い物に行くのでスペースは空席になりますし、本もそんなに部数を刷りませんでした。
友人が一緒の時は売り子を頼んでいたので、完全に空席ではないですが。
でも自分と同じ考えの方が他にも居て、本を買いたいのにずっと空席だったのは困りましたね。

▶合同サークルの難しさ


自分は個人サークルと合同サークルを掛け持ちしてたのですが、合同メンバー2人がとにかく締め切りにルーズで困りました。
自分は早割で入稿したいのになかなか原稿があがらなかったり、原稿に不備があったり。
あとは本のタイトルなどを打ち合わせしてる時に、話が脱線してなかなか話し合いが進まなかったり。
ですが複数人でやっていると短スパンで本が作れますし、思いがけないアイデアが出たりするのは楽しかったです。

▶9年目で引退を考え始める


ちょうどこの頃、自分が活動していたジャンルの熱量が冷めてきてしまい、また他に好きなものも無く、引退を考え始めました。
自分が読んでいても思うのですが「熱量が下がった状態で描いた本」って読み手にバレるんですよね。
それはこの作品を愛している人たちにも失礼ですし、自分もそんな状態で描き続けられないと思っていました。

9年活動を続けてきて思い始めていたことが、自分は「紙に印刷すること」と「イベント」にこだわりは無いということ。
自分は最初「人の本を買いたい」の一心でしたが、自信作が出来た時は「自分のこの話を多くの人に読んでもらいたい」と思うようになっていました。
でも自分は地方から遠征してきていて、それだけで出費がかさんでいたため、装丁をこだわることも、部数を増やすことも出来ませんでした。
だったらもう「本」を作って「イベント」に来る必要はないのではないかと。
pixivに作品を載せれば誰でも簡単に見て貰えるじゃないか、と思い始めました。

▶引退を決心した出会い


今までイベントで「いつも応援してます!」等の言葉や差し入れを貰っても、内心で「誰にでも言ってるんだろうなぁ…」と思ってしまい素直に喜べませんでした。
申し訳ないのですが自分はかなり卑屈な人間なので、誉め言葉を社交辞令だと思っていました。

そんなある日、サークルのポスターを欲しいと申し出てきた人が来ました。
しかも一緒に居た友人はその子が、どうしてもポスターが欲しくてずっと声をかけるのを迷っていたと教えてくれました。
正直、物凄く嬉しかったんです。そこまで想ってくれたのかと。
しかもこれだけでなく、また次のイベントで今度は差し入れとお手紙をくれたんです。
9年目にしてようやく初めて心に届いたんです。
あぁ、この人は本当に自分の絵を好きなんだと。
この人の想いは信じられると思いました。

その瞬間、心が成仏したといいますか、、「自分はこんな素晴らしい人に出逢えて悔いは無い。これで心置きなく引退出来る。」と思いました。

そしてその数か月後、pixivに「引退します」と告知して最後のコミケに参加しました。
新刊は無料配布にして、スケブはどんどん受けました。
イベントでは多くの方が声をかけてくださりました。
そして隣の方に「お疲れ様でした!」と言って去った日のことを今でも覚えています。
清々しい最後の日でした。

まだまだ長くなりそうなので区切ります!続きはまた明日!
次回「活動再開まで空白の7年4カ月」です。

ここまで読んで頂きありがとうございました。

ありがとうございます!