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前科あります(20)

と、いうことで思いがけず男ができてしまったけれど、日常は変わりません。

昼は、職能の研修で、十代の若者と授業を受けて。
ちなみに圧倒的に男子が多くて、割とモテてた。

夜は週末と他は不定期だけどクラブに出勤。
氏家が来る日は同伴出勤。そのまま、お泊り。

そんな日々が習慣になったころに、正確には書類を出して三か月ぐらいたったころに弁護士から連絡がありました。裁判官と会うよ、という内容でした。

書類を読んだ裁判官が、本人と会って質問等を行い免責に値するかどうかを判断するというものでした。確か正式には審尋とか言ったような。

これで、借金がチャラになるかどうか決まるから、頑張って。
弁護士はそういうけれど、なに頑張るのかわからん、というのが正直なところでした。

まあ、聞かれたことに正直に答えるしかないんだろうなと。
経験上、嘘は簡単にばれるし、プロはサクッと見破ります。

基本的なラインはあるみたいですが、あとは裁判官の心象。
まあ、きちんと現状を将来について答えること、それでだめなら、コツコツと返済するしかない。

もちろん、法定利息はかかるけど、過大な利息はなくなるから、かなり楽になるはず。

弁護士はまあ大丈夫なはずだけど、もしかしたら何割かは免責にならないかも、と軽くおどかしてくれました。

裁判官は普通のおっちゃんで、私の話をふんふん、と受け入れてくれたように見えました。

三十分もかからなかったかなあ、思ったより楽だった。
それから日にちを置かず、決定が送られてきました。

全額免責、ありがとうございます。
弁護士から次のような注意を受けました。

人生一回きりのカードを切ったから、あとはもう破産は使えない。
カードはおそらく七年くらいは作れない。

借金もどれくらいかわからないけれどできない。
何年かは弁護士とかできない仕事がある。

頑張って生きてください、ということで、弁護士さんとはお別れです。
費用は内緒ですけど、お安くしてくれました、ありがとうございます。

借金は消えましたが、弁当(執行猶予)はまだ三年ほど期間があります。
その間は本当に品行方正で行かなくちゃ。

一番やばいのは、業務上過失、もっと簡単に言うと交通事故です。
そっちの分は罰金ぐらいでも、執行猶予は取り消されます。

厳密に言うと、結構人は軽い犯罪を犯して生きています。警察が、やる気になれば、立ち〇ょんとか他人の土地に(知らずに)立ち入っても捕まる可能性はあります。

他人の土地に立ち入るって、なに、覗きか泥棒目的でしょ、捕まって当然じゃん、そう思ったあなた、それだけじゃないんです。

交差点にあるコンビニの駐車場、信号で止まりたくないからショートカットで通り抜けたことありませんか。

立派に違法行為なんです。そのたぐいのことやっていないと言い切れませんよね。

執行猶予中は、そんなことにハラハラするんです。
ちなみに、中華人民共和国では、執行猶予付きの死刑ってあるじゃないですか。

まあ要するに仮釈なしの終身刑なんですけど、結構ドキドキしますよね。
刑務所で、看守に逆らったり、なんかやったと判断されたら、問答無用で死刑。

まあ、さすがにないでしょうけど、精神病みそうだな、私なら。
私は、幸い氏家という男ができたので、素直に頼ることにしました。

お礼は、もちろん私のこの素敵な体(笑)。
えー、売春でも援助でもないもん。

ということで、次回は氏家のことについて。




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