就職に役立つ資格取得体験記

資格は自分をアピールする材料として最も楽な手段

俺は今回、初めて本格的に資格取得を目指した。ぶっちゃけ今まで資格試験に全く興味を持ったことはなかったし、なんならいろんな恩師からいろんな資格を勧められたけど、丁重にお断りしてきた。そんなこともあり、今は資格を一つも持っていない。そんな俺がなぜ、今回資格試験を受けようと思ったのか。それはExcelを使ったバイトをどうしてもしたかったからだ。常にクレームや意味わかんないことばっか言ってるお客を相手にしながら多彩な仕事をこなさなければならないコンビニバイトに嫌気が刺した俺はアプリでExcelのバイトを探した。もともと学校の授業でも使っていたこともあり、自分で言うのもなんだがある程度は使える自信があったので面接さえ通ればすぐに楽な仕事が出来ると思っていた。だが、面接でどのくらいExcelを使えるのかを説明するのが難しく、よく落とされた。それから俺は「このレベルぐらいな余裕でExcel使えます」と証明するため、資格取得へと乗り出したのであった。
※俺なりに資格試験のポイントを途中途中でまとめで入れてあるから全部読むのがめんどかったら太字にしたポイントの部分だけ読んでみて

なめてかかって早速心が折れる

Excel試験やMicrosoft系統の試験のことを『MOS』というのだが、俺は楽勝だと思っていた。先刻にも言ったように、俺はある程度Excelは扱えたからだ。学校でも毎日のように使っていたため、ぶっちゃけ勉強する必要ないと判断して、そのまま早速模試をやった。

90%以上が出れば合格はほぼ確実。出た数値「20%」…え。ExcelのEの字も知らないやん、俺。
それもそうだ、だって問題文、殆ど何言ってるのか分からなかったもん。データラベルだのセルのスタイルだのスパークラインだの…スパークラインって本当になんだ?必殺技か?

そしてなんでもかんでも数字でも文字でも式で解決しようとするのが『MOS』です。
問:隣のセルの英語を全て大文字に変換してください。
俺:楽勝やんw
問:ただし式で
俺:ん?

模試の結果に加えて訳のわからない単語たち、そしてなんでも式にして解決しようとする数々の問題は、自信満々の俺のメンタルを破壊するのに十分過ぎるほどの威力があった。俺は会心の一撃を食らい、家で倒れこんだ。あとで冷静になると、俺はExcelの知識を身に着けてた気になっていただけだと気づいた。

資格試験を受けるポイントその1‼️
・自身がそれに対して知ったかぶり(もしくは知った気になっている)ことに気づく
・以外にも基礎知識が全くないことに気づく

お先真っ暗ではない!?試験勉強開始

初めて模試の試験を受け、すでに瀕死状態になった次の日、俺はすぐMOS試験の勉強を始めた。俺の長所『心が折れてもやる気は折れない!!』を発動させ、「頑張れ!頑張るんだ俺」とどこかのアニメで聞いたことあるようなセリフを自分の中で繰り返し己を鼓舞して、重いテキストの表紙を開いたのだ。開いたテキストはまさかの『カラーなし』。俺がテキストを読みたくない要因の一つだ。全く見たいと思わない。すでにやる気がほぼゼロに等しかったが、それでも受かった後のことを想像し、モチベーションを必死になって維持しながらテキストを読み始めた。そうすると、拒絶したのも初見のみ、中身を読んでみればものすごく分かりやすく一つ一つの操作や用語が解説されていた。以外にもやりやすく、気づけば5項目分も終わらせていたのだ。それどころか、一つ一つ便利な機能を覚えられることが嬉しくて、たったの二日間でテキストを一周してしまった。このとき途中で出てくる解説用の画像で「自身が使っているExcelとUIや操作が少し違うなぁ」と思うところがあったが、気にせず勉強を進めた。このときのこの違和感が後日飛んでもない混乱を招くことは、このときの俺はまだ知らなかった。
こうして俺の本格的な資格試験の勉強がスタートした。
資格試験を受けるポイントその2!!
・興味があれば意外と勉強する(高校までの授業とは違いしっかりと勉強内容の使い道が明 確なのも相まってよりヤル気が削がれにくくなる)
・とにかくテキストを読む(テキストを読めば大体分かるようになっている)

準備は整った!いざ試験へ!

それからしばらく一か月ほど勉強し、模試でも90%以上を安定して叩き出せるようになってきた。『もういけるだろう』と思った俺はすぐに受験の予約をした。
そしてついに試験日がやってきた。だが、想定外な事態に陥る。当日の三日前当たりでMOS試験日と東京ゲームショウの日がかぶっていることに気づいたのだ。『まじかよ』と一瞬思ったが、もともと試験当日はテキストを開くつもりは毛頭なかったので、東京ゲームショウを満喫してから試験会場へ向かうことにした。
ここで、なぜ試験前なのにテキストを見ないのだろうと思った人もいるだろう。そこで質問。これをよんでいるあなたは、例えば高校や中学受験の時、直前に勉強した内容はどのくらい頭に入っただろうか。試験前でソワソワしている状態で入る情報なんざ、たかが知れてるということは経験済みだろう。だったら一旦試験を忘れて楽しいほうに時間を使ったほうが有効ではないか。そう思うだろう?試験対策ばっちりで準備しておけばまず直前に焦って勉強する必要はないのだ。さらには資格試験だから、中学、高校、大学と違って試験日は自分自身で決めることができる。自分で準備は整ったと思ったタイミングで試験日を決めればいいのだ。そうすれば焦る必要もないだろう?
話を戻そう。俺はそのまま朝食、昼食を抜いて東京ゲームショウを楽しんだ。ふとスマートフォンを見ると試験の時間が迫っていることに気づき、丸一日ごはん抜きで遊んだ俺は、もつれながら試験会場へと向かった。
そして電車で乗り継ぎ3駅、ようやく試験会場である蘇我のアリオ(イトーヨーカドー系列のショッピングモール)についたが、あまりにも早くついてしまったため、「50分後にいらしてください」と追い返されてしまった。ここから地獄の50分ソワソワタイムが始まった。
とりあえず昼食を済ませた。エネルギー不足でプルプル震えていた足と手も徐々に落ち着き、スマホを持つほど握力も回復した。そして『勇者ヨシヒコ』を見る、それでも全然気がまぎれず、次に向かったのはゲームセンター。しかし、試験が迫っているソワソワ感でどのゲームもなかなか集中できなかった。試験が迫っているという恐怖から出た手の震えを利用した太鼓の達人での素晴らしい連打は今となってはいい思い出だ。
「ジブリなら僕の心を落ち着かせてくれるであろう」そう思い、いつもの某有名ジブリグッズ販売店へと向かった。店はシャッターがしまっていた。シャッターの壁に張られていてた髪を読むと「イオン幕張新都心に移動しました」とメッセージが…。もう何も手が付けられなくなりそうなくらいのソワソワ感に襲われた俺は、本屋へ向かった。そしていつも読んでいる漫画の最新刊が出ていたため「これを読んでまぎらわそう!」とウキウキでレジへと向かった。レジへ並び財布の中をのぞくとあら不思議、200円しか入っていないではありませんか。それもそう、その前に言ってた東京ゲームショウで俺は爆買いしてしまい。お金は殆ど使い果たしてしまったのだ。泣く泣く本を戻し、メンタルが崩壊寸前の状態の中、いよいよ試験の時間が迫っていたため、急いで会場へと向かった。
資格試験を受けるポイントその3!!
・どうせーテスト直前に振り返りをしても入る情報はたかが知れている
・ゲームをしても動画を見てもソワソワは止まらない

見た目がインテリ系?!メガネ受験者たちとともに試験準備

試験会場へと入場し、割り振られた椅子に腰を据えてOdyssey(コンピューターを使った試験のシステム的な?)に家で何度も何度も確認した自身のアカウントを打ち込み準備を始めた。会場にはすでに7人の受験者が集まっており、全員眼鏡をかけていた。あまりにも頭よさそうな雰囲気を出しているので、謎の不安が俺を襲った。そんなことを考えている中。準備が終わり「それでは始めてください」と黒スーツの試験官が合図したと同時に試験が開始したのであった。
資格試験を受けるポイントその4!!
・メガネ率が多い(偏見)
・周りが頭よさそうに見える

試験開始!意外とあっけなかった50分

試験開始と同時にExcelの問題を開いた。模試でやっていたときよりも解像度悪いしUIは古いし見た目が気持ち悪かったけど頑張って一問目にとりかかった。
開始に操作方法を誤り、セルに変な書式が入ってしまった。そこでようやくテキストで勉強していたときの違和感の招待に気づく。どうやらバージョンが違ったようだ。俺が勉強で使ていたテキストは2019というバージョンのExcelで、練習用で使っていたほうのソフトはoffice365という別のバージョンのExcelだったのだ。そして試験の方は2019のバージョン。つまり今まで使っていたショートカットキーや機能が使えない可能性が出てきたのだ。俺はものすごくテンパってしまった。さらに追い打ちをかけるように周りから高速のタイプ音が聞こえてくる。焦りがかなり増して極度の不安状態に陥ってしまった。
そんな状況でとりあえず大問1を解き終わった。ここでふと気づいた。「別に周りの人より早くやらなくてもいいんだ。ようするに時間内に解き終わればいいんだ」と。
そう、試験とは他の人とのスピード勝負ではなく、自身と問題との戦いなのである。どれだけスピードが低かろうともどれだけ正答率が低かろうとも既定のラインさえ超えてしまえば誰でも同等の資格を得ることが出来るのである。
それを改めて思い出し。集中しなおした俺は、大問2、3と自分のペースで解き始めた。自身が使用していたテキストの練習問題や解説、模試と殆ど類似した問題だったため、落ち着けばスラスラ解ける問題だらけだった。
順調に進み、いよいよ最後の問題も解き終わった。試験終了まで20分も余裕がある状態で終了したが、ここで大問1での誤操作の不安が急に大きくなり、一度回答をリセットして解きなおした。そうすると徐々に、「もし大問2のこれとこれが間違ってたらどうしよう」「大問3で書いた数式……あれで本当に良かったのか?」「大問4のグラフ、なんか違う気がする」とだんだんと不安になり結果的に全部の問題を解きなおしてしまった。余裕があった試験時間も残り3分となっていた。もはや見返す時間もなかったため、そのまま試験を終了した。

資格試験を受けるポイントその5!!
・試験は自身との戦い、時間さえ気にしていれば他を気にする必要なし
・勉強すればするほど試験が楽になる
・余裕があれば二周解いてみるのもありかも

終了した瞬間に現れる試験結果!?受験者に心の準備すら与えない

受験終了ボタンを押したと同時に結果がすぐに反映された。合格の欄にチェックがついているのを見て、俺は試験会場で思わず発狂しそうになった。これで人生初の資格を取得したのである。
試験結果をよく見てみると、大問3以外の全ての大問が正答率100%だった。俺は自身の最大限の力を一度の試験で二回も発揮できたことに満足した。こうして俺はExcelを使いこなせる人間として明確な証拠を手に入れることができたのだ。

資格試験を受けるポイントその6!!
・デジタルな資格試験は受験者の心の準備関係なく結果が出るので要注意!
・自身がその分野に精通しているという称号(証拠)を得ることが出来る

大事なのはその後

結果的に俺は資格を手に入れることが出来たが、それ以前に得られたことがあった。それはExcel技術そのものだ。
現在、ゲーム制作においても今回の資格試験の工程で得た力を余すことなく使い、プロジェクトマネージャーとしてチーム制作の管理をスムーズに行うことができた。今まで知らなかった便利な機能や基礎能力により、1年制の時よりはるかに管理能力が向上した。資格取得をしたことにより技術そのものが大きく向上したのだ。
また、『知ったかぶり』から『知っている』に自分の中での考え方を変えることができた。今まであやふやな情報の状態で言っていたことが、今では的確に説明できるようになっていた。他者からの信頼度も上げることができた。この資格を取ってからバイトの面接へ再度望むと「Excelがここまで使えるならPCスキルはここまでなら問題なさそうだね」と言ったような感じで殆ど話をせずに決めることができた。そこから、似た分野での信頼性も必然的に上がるものなのだと新しい発見をすることもできた。
資格試験で実際に資格を取ることはもちろん、その工程でどんな力をつけたいか、その力を使って今後どうしていきたいかを思い描きながら勉強に望むことがモチベーションを保つうえで大事なことだと思った。

資格試験を受けるポイントその7!!
・「知ったかぶり」から「知っている」へ
・自身の自信に繋がる

結局、どうすれば資格試験は受かりやすいか

俺の持論だが、自身の先の未来を想像しながら勉強することが手っ取り早く合格する近道なのではと感じた。
俺が今回この資格を受ける時も、資格を取ることよりもこの技術を使ってこういうことができるようになりたいという自分なりの未来像を想像しながら勉強に望んでいた。実際、今は自信の思い描いていた通りに、チーム制作でもかなりの時短且つ質の良い仕事を出来るようになった。
資格試験を合格することを目標にしてしまうと、ただ辛くなるだけなので、この勉強を経て自分がどんな姿をしていたいのかを考え、そこをゴールにすることによってモチベーション維持につながるのではないかと考えた。
また、努力の仕方を見つけることも重要だと思う。
これが最も重要なところであり、同時に難しいところでもある。俺の場合は実際にチーム制作で実践したい技術から順番に選んで勉強をしていた。次第に技術が身についていくにつれ、実際に自分の仕事で使って行くことによって学習意欲が上がり、実用化ついでに合格にたどり着くことが出来た。

資格試験とは、その分野の正しい知識を身に着け、自信のレベル向上をし、そのレベルがどこまで上がったかを分かりやすく称号にしたものだと俺は考える。資格は取っておくと面接時や他人にその分野について教える際、説得力が格段に違うのであなたも何か今極めているものがあればその分野の資格を取ってみるのもいいかもしれない。


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