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No.5 あだ名をつける

7月21日日曜日
 私は、いくつかの呼び名で人から呼ばれているし、あだ名で呼ばれるのが好き。小学生の頃から、友人からはケロと呼ばれていて、最近、家族の中では、私はマメと呼ばれるようになり、父はエリと呼ばれるようになった。母は、時々親方となる。
 私は正直、父とはいまだに仲良くなれないし、よくうんざりさせられているのだけれど、母との会話の中で、父をエリと表現したり、実際父をエリと呼んだりすることで、親子間のわだかまりというか、何かネガティブなものが少し軽減される気がしている。

 私についたマメというあだ名は、ミニチュアポニーのそら豆が由来なのだ。
そら豆は動物園で飼われていた、大きな犬より小さいポニー。お散歩が嫌で飼育員さんに引きずられている様子が、テレビに映っていた。靴下を履かされて室内に入れられたり、人間に抱っこされたり、目を開けたままゴロンと横になって、ただ休んだりしていた。
その姿が、まるで私のようだということで、その映像を見た日から、両親は私をマメと呼びはじめ、いつの間にか定着し、今では私自身もお気にいりの呼ばれ名となった。

 昨日、藤岡拓太郎さんの「大丈夫マン」という漫画を買った。かなり衝撃的で、釘付けとなってしまった。あまりの面白さに、どんどんページがめくれてしまうのだけれど、残りのページが少なくなってくると、終わらないで欲しいという気持ちになって、最後のページを読み終えた時には、幸福感と寂しさとが入り混じった複雑な気持ちになった。一人でこんなに爆笑したのは、生まれて初めてかもしれない。
そして、巻末にあとがきがあった。笑いすぎて熱くなった顔と頭が覚めていくのを感じなから、後書きを読みはじめたのだけれど、後半、再び笑いに襲われてしまった。
藤岡さんは、つかみどころのない苦しみに対して、「名前をつける」という対処法を持つことにした、らしい。

ぼんやりとした「不安」にニックネームをつけてやり、頭の中でキャラクター化し、うまく付き合っていくという方法です。僕も、今でもたまに鬱々とした気分に襲われてしまうことがあるので、そいつに名前をつけました。「しいたけゴリラ」と呼んでいます。頭にしいたけが生えているゴリラです。(中略)
心がふさいできたら、「出たな、しいたけゴリラ」「ノックぐらいしと」などと話しかけているのです。

大丈夫マン・藤岡拓太郎作

気分や感情に名前をつける。。。新しいアイディアをもらって、わくわくしている。 
身の回りのいろんなものに、愛称を与えることって、なんだかいいなって、改めて思ったのでした。

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