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【決定版】文庫本300冊調べて分かった、安い文庫・高い文庫⑤

値段分析 バックナンバー

こんにちは、卯月です。

文庫本の値段分析、最終回です。
今回は文春文庫編・まとめ編です。


調査対象

角川文庫・講談社文庫・集英社文庫・新潮文庫・文春文庫から、2023年4月から2024年3月に発売された300冊(2024年3月は、発売予定を含む)。
内訳は、1ヶ月につき5冊×12冊×5レーベルの計300冊。

調査方法

各レーベルの検索エンジンで発売日を任意の1ヶ月間に指定し、表示された中の上から5冊を抜粋しました。
ただし、講談社文庫は検索エンジンがないため、一件ずつ確認しました。
抜粋した書籍でリストを作成し、レーベルごとに60冊の平均価格を算出・比較しました。
以下は、リスト作成に使用したウェブページ・作成したリストです。

角川文庫 書籍検索

講談社文庫 書籍一覧

集英社文庫 詳細検索

新潮文庫 検索

文春文庫 既刊リスト(タブから発売月切り替え可能)

リスト
https://docs.google.com/spreadsheets/d/1Czx_i6tHUplsmpbbVFUtLyyZMxKPKWuHWATGca426UM/edit?usp=drivesdk

予想

本題に入る前に、私の予想を書いておきます。

・新潮文庫は安い
→持っている本を見る限り、値段が安めな気がするから。

・相場は700円代〜800円代
→文庫本のカバーに印刷されている値段が、そのくらいであることが多いから。

・講談社文庫は高い
→持っている講談社文庫だと、値段が高めのものが多いから。

結果

本項に表記した本のデータは全て、順不同・敬称略とします。()内は定価です。

2024年3月6日発売
・堂場瞬一「罪の年輪 ラストライン6」(935円)
・畠中恵「いわいごと」(836円)
・朝井まかて「白光」(1,056円)
・北川悦吏子「生きとし生けるもの」(792円)
・加藤正人「碁盤斬り 柳田格之進異聞」(792円)

文春文庫 既刊リスト

定価が1,000円以上のものが1冊入り、その他も比較的高価な本が多いです。
そのため、平均価格は882.2円と高価になっています。

2024年2月6日発売
・阿部智里「追憶の烏」(803円)
・辻村深月 他「時ひらく」(770円)
・顎木あくみ「人魚のあわ恋」(803円)
・岡本さとる「恋風 仕立屋お竜」(803円)
・小杉健治「情死の罠 素浪人始末記(二)」(869円)

文春文庫 既刊リスト

5冊中4冊が定価800円台でした。
そのため、平均価格は下がって809.6円でした。

2024年1月4日発売
・風野真知雄「耳袋秘帖 南町奉行と死神幇間」(792円)
・佐伯泰英「恋か隠居か 新・酔いどれ小籐次(二十六)」(869円)
・伊岡瞬「奔流の海」(979円)
・藤井邦夫「流人船 新・秋山久蔵御用控(十八)」(847円)
・宮部みゆき 他「江戸に花咲く 時代小説アンソロジー」(770円)

文春文庫 既刊リスト

様々な価格帯の本が含まれました。
唯一の900円台である「奔流の海」が含まれたことにより、平均価格は851.4円に上がりました。

2023年12月6日発売
・平野啓一郎「本心」(979円)
・黒川博行「騙る」(803円)
・望月麻衣 桜田千尋「満月珈琲店の星詠み 〜秋の夜長と月夜のお茶会〜」(770円)
・佐々木譲「帝国の弔砲」(1,133円)
・山口恵以子「とり天で喝! ゆうれい居酒屋4」(759円)

文春文庫 既刊リスト

こちらは定価1,000円以上の本が1冊含まれたため、平均価格は上がって888.8円でした。

2023年11月8日発売
・今野敏「ロータスコンフィデンシャル」(825円)
・堂場瞬一「赤の呪縛」(924円)
・原田マハ「お帰り キネマの神様」(660円)
・芦沢央「汚れた手をそこで拭かない」(770円)
・竹村優希「その霊、幻覚です。 視える臨床心理士・泉宮一華の噓2」(748円)

文春文庫 既刊リスト

こちらは、定価1,000円以上の本が含まれていません。
そして、「お帰り キネマの神様」や「汚れた手をそこで拭かない」など、比較的安価な本が多く含まれています。
そのため、平均価格は785.4円に下がりました。

2023年10月11日発売
・宮城谷昌光「孔丘 上」(880円)
・宮城谷昌光「孔丘 下」(880円)
・冲方丁「剣樹抄 不動智の章」(880円)
・中山七里「銀齢探偵社 静おばあちゃんと要介護探偵2」(825円)
・山本文緒「ばにらさま」(704円)

文春文庫 既刊リスト

こちらは定価1,000円以上の本が含まれていませんが、800円台の本が多かったです。
そのため、平均価格は833.8円に上がりました。

2023年9月5日発売
・佐伯泰英「夢よ、夢 柳橋の桜(四)」(880円)
・辻村深月「琥珀の夏」(1,155円)
・瀬尾まいこ「夜明けのすべて」(803円)
・石田衣良「炎上フェニックス 池袋ウエストゲートパークⅩⅦ」(803円)
・吉永南央「薔薇色に染まる頃 紅雲町珈琲屋こよみ」(693円)

文春文庫 既刊リスト

こちらは定価1,000円以上の本が1冊含まれました。
そのため、平均価格は866.8円に上がりました。

2023年8月2日発売
・三木大雲「怪談和尚の京都怪奇譚妖幻の間篇」(759円)
・佐伯泰英「二枚の絵 柳橋の桜(三)」(880円)
・麻見和史「凍結事案捜査班 時の呪縛」(913円)
・風野真知雄「耳袋秘帖 南町奉行と幽霊心中」(770円)
・岡本さとる「父子船 仕立屋お竜」(803円) 

文春文庫 既刊リスト

こちらは「凍結事案捜査班 時の呪縛」が913円と、比較的高価でした。
しかし、他が700円台から800円台と比較的安価であったため、平均価格は下がって825円でした。

2023年7月5日発売
・佐伯泰英「あだ討ち 柳橋の桜(二)」(880円)
・岩井俊二「キリエのうた」(759円)
・大沢在昌「冬芽の人」(1,155円)
・一穂ミチ 他「二周目の恋」(858円)
・竹村優希「その霊、幻覚です。 視える臨床心理士・泉宮一華の噓」(748円)

文春文庫 既刊リスト

こちらは「冬芽の人」が1,155円と、高価でした。
その他は高くとも800円台でしたが、「冬芽の人」が平均価格を跳ね上げ、880円でした。

2023年6月7日発売
・永瀬隼介「逃亡遊戯 歌舞伎町麻薬捜査」(935円)
・佐伯泰英「猪牙の娘 柳橋の桜(一)」(880円)
・夢枕獏「陰陽師 水龍ノ巻」(803円)
・山口恵以子「写真館とコロッケ ゆうれい居酒屋3」(759円)
・あさのあつこ「舞風のごとく」(935円)

文春文庫 既刊リスト

こちらは比較的高価な本が集まりましたが、定価1,000円以上の本が含まれていません。
そのため、平均価格は下がって862.4円でした。

2023年5月10日発売
・佐伯泰英「奔れ、空也 空也十番勝負(十)」(847円)
・阿部智里「烏百花 白百合の章」(759円)
・濱嘉之「警視庁公安部・片野坂彰 天空の魔手」(935円)
・風野真知雄「耳袋秘帖 南町奉行と首切り床屋」(770円)
・藤井邦夫「帰り道 新・秋山久蔵御用控(十六)」(836円)

文春文庫 既刊リスト

こちらは定価が高い本が含まれたなかったため、平均価格はさらに下がって829.4円でした。

2023年4月5日発売
・馳星周「少年と犬」(858円)
・今村夏子「木になった亜沙」(682円)
・井上荒野 他「Seven Stories 星が流れた夜の車窓から」(682円)
・赤川次郎「幽霊終着駅」(726円)
・門井慶喜「東京、はじまる」(1,001円)

文春文庫 既刊リスト

こちらは定価が1,000円を超える本が含まれましたが、「木になった亜沙」が682円と安価でした。
そのため、平均価格はむしろ下がって789.8円でした。

終わりに

この記事で取り上げた60冊の平均価格を算出したところ、842.1円となりました。

60冊の平均価格で比較すると、
・角川文庫(883.7円)
・文春文庫(842.1円)
・講談社文庫(838.4円)
・集英社文庫(788.5円)
・新潮文庫(731.5円)
となりました。
5レーベルの平均価格は、816.8円でした。

ここで、私の予想を振り返ります。
私が毎回最初に書いていた予想は、
・新潮文庫は安い
・相場は700円代〜800円代
・講談社文庫は高い
でしたね。

予想と結果をまとめると、以下のようになります。

・新潮文庫は安い
→的中。5レーベルの中で最安値だった。
・相場は700円代〜800円代
→的中。800円台だった。
・講談社文庫は高い
→ハズレ。平均価格が5レーベル中3番目なので、それほど高くはない。

これで、文庫本の価格調査は終了となります。
5回にわたってお付き合いくださり、ありがとうございました。
ではでは。

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