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大工、『北の国から‘92巣立ち』

 自分の職業が映画やドラマなどで出てくるとモヤッとすることってありますよね。んなこたあないっ! ありえないっ! て感じに。


 大工としてのモヤつき度NO1は『劇的ビフォーアフター』なのですが、今回は別の話。


 名作ドラマ『北の国から'92巣立ち』(古くてすいません)に大地康雄さん扮する大工の親方金ちゃんが登場するのですが、この親方が東京に出る息子についてこんなことを言うんです・・・。


 「あいつにゃ大工はわかってないよ! ノミもカンナもろくに使えねえくせに、電動工具でごまかすことばっかり考えとる!!」



 ああ香ばしい。このただただ自分を偉く見せるだけのセリフ。これって・・・


 「俺は大工がわかってる。ノミもカンナもちゃんと使える。俺は電動工具でごまかしたりしない!!」

  

 と同義です。こんなこと言う職人がいたら僕は笑います。ただ意固地で新しいものや作業効率のことは考えず、自分だけが正だと思い込んでる劣等感強すぎおじさんの典型ですもの。オホホホ。


 このおじさん、小僧時代に親方や両親にボロカスに言われて育てられ、自己肯定感サゲサゲ人生だったのでしょう。これは合掌。正しい合掌ポイントキタ。


 そりゃあ息子、成りたいものも決めないままに東京に出て行くよ。また、こう言って息子を嘆く親方金ちゃんに対して五郎さんが入れるフォローも香ばしい。


 「したっけ金ちゃんの後継ぎだべさ~」


 いらないいらないそのフォロー。自分の親のみならず、その友人までもが息子を大工にさせようとするこの空気。これ。これが職人二世問題ですよ。


 『北の国から』って、役者さんの芝居がすごくって、ぐいぐい入り込めるし、夫婦で大好きで昔から何回も観てるけど。見れば見るほどナチュラルオーガニック生成りおじさんの偏見に満ちた脚本なんだよね。


 いや好きよ。好きなのよ『北の国から』・・・ううう、もう遅いか。合掌。


 はい、これは正しくない合掌ポイントですね。

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