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大工、いこかもどろか

 大工は一日で終わるような現場を「一日仕事」とか「単発仕事」と呼んで、まとまった期間叩く現場と区別しています。


 一人親方である僕の場合、文字通り一人きりの身一つなので、複数の依頼が重なった場合は仕方なしにお断りさせて頂いております。あ~もったいない。


 しかし、依頼をもらった仕事内容が「一日仕事」で済みそうなときは今現在叩いている現場をなんとか調整し、予定をねじ込むことで対応します。これは一円でも多く稼ぎたいとか儲けたいわけじゃなく、依頼してくれた業者さんに対するお付き合いと顔つなぎのためです。


職人は横のつながりが全てなのだ。


 というわけで今回の話は明石家さんまの懐かしい映画とは全く関係がなく、この「一日仕事」の話。


 以前にも同じことを書いたのですが、常用契約の場合日雇いとほぼ同義なので、頼まれた仕事を早く終わらせても「夕方17時まではきっちり働いてもらうぞ」って感じで別の仕事を頼まれたり、雑用を頼まれたりして帰れなかったりします。強面職人や気の強い職人は頼まれない不思議があるけどね。


 逆に、請負契約の場合は成果報酬なので仕事が無事に完了すれば当然帰れるわけです。仮に別の仕事を頼まれた場合、追加料金別料金になる。頼まれたことないけど。


 問題は昼前くらいに一日仕事が終わった時だよ。いくかもどるか、それが・・・ってね。


 未だ終わっていない現場の方へ行って少しでも作業を進めるか、それとも事務所に帰ってたまった領収書の整理をしたり請求書を書いたりするか、はたまた開きなおって午後はお休みにするかのハムレット型問題。


 まあ僕はその日出向いた場所によることが多いかな。自宅に近ければ帰るし、現場に近ければ仕事に戻る。


 こういう自由気ままな感じもまた職人の特権だよね! へいへ~い♪

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