見出し画像

【万年筆】「LAMY Safari」漢字ニブのレビュー

LAMY Safariの漢字ニブを入手したので簡潔にレビューしたい。


入手の経緯

ある日文具店にて、たまたま漢字ニブが入荷しているのを発見した。ガワではわかりにくいが、値段が違うのでシールを見れば分かる。
その値段、8,250円なり。通常ニブの5,500円と比べ割高である。
特殊ニブに3,000円の価値を見出せるかは人によるだろうし、「買いたい!」と思わせられるかどうかが私の腕の見せどころだろう(苦笑)。まあ、アフィリエイトに属していないので完全にボランティアなのだが。

コイツはもう、一目惚れで購入した。
転売されプレミアがついているのを知っていたため、「よく残ってたな!」「いいものなんだろうな」と思ったのが一点、近々予算1万円程度で万年筆を買おうと思っていたのが一点。
さらに、かねてより限定色のフィールドグリーンが欲しかったのが一点……って加点がかなり多いのだが、売られているのを見た瞬間に目がハートとなり、「買います!」となったのである。衝動に任せた唐突な出費……いけないね。

見た目

それでは漢字ニブを見ていこう。フィールドグリーンの話もしたいが、それはまた…。


目を引くのはやはり、ドデカイ「漢」の字だろうか。
普段ここには「EF」「M」といった字幅が書かれている。それが一文字、「漢」である。
インターネットでは「おとこ?」と言われているが、これは我々が意味が分かるからおかしく感じるだけで、海外だと「Oh!クール!」と思われるのだろうか。逆に我々はEFを「エクストラファインだ」と読むことはまれ…かもしれないし。いや、海外の人は日本語や中国語は書かないか!
ちなみに私は「面白い」とは思うが別に嫌いではない。「漢字書くんですよ」と分かるので。

さて、見た目的な特徴は、側面が削られているところか。
機構的にはフォルカンに近く、これにより「しなり」を生み出せるという。筆記してみると確かにしなりを感じられるが、めちゃくちゃにしなるわけではない。元がLAMYのスチールニブだから、当然っちゃ当然か。

ペン先は尖っており、普通のものと比較してシャープな印象を受ける。素人なので分からないが、長刀研ぎのような形状をしているらしい。字幅はF相当か。

書き味

それでは本題。
漢字ニブと言っちゃうくらいなのだから、その書き味は日本人(日本語?)好みなんでしょうね!?ということを検証したい。
まあ、これを作ったのはドイツ本社ではなく中国の代理店と聞いたので、アジア系の文字は安心できるとは思うのだが。

その前に。
前提条件として私はセーラーの蒼墨を飲ませ、MDノートと大人のキャンパスノートに筆記したことを伝えておく。インクやノートによって書き味が異なってくるからである。
蒼墨は顔料インクのため、染料インクを使うであろう多くの方とは環境が異なるかもしれない。また、インクタイプはサラサラめで、インクフローが控えめに見える。


その上で書き味だが、なめらかだが制動がしやすく、キレのある文字が書きやすいと思った。
なめらかなのはLAMYならでは、といった感じだが、制動がしやすいというのはセーラーやプラチナの万年筆にあるような微かな引っかかりが感じられるということである。これにより力を制御しやすく、トメハネも容易だ。

しなりもあるので、漢字ニブはある程度筆圧(というか強弱)をかけて書くのがよい。舶来の従来Safariはインクフローに任せてさらっと書くのがよいが、これは少し勝手が異なる。

ただ、他の方の感想を見ると「ふわふわしてる」「変わらん」というのもあって「あら!?」と思ってしまった。もしかすると、サラサラめのインクで書いているからザラつきが強いのか…?個人差あり…?とにかく、これまでとは「別物」として考えると楽しめるだろう。

また、特殊なペン先をしているからか面白い線が引ける。

というのも、スリットと平行にペンを動かすと線が細く、垂直に動かすと太くなるのだ。……少しややこしい言い方で失礼。
これにより横線が細く、縦線が太い、理想的な漢字が書けるようになる。これがうまく扱えたら、他の筆記具より5倍は字がうまく見えるだろう。

ただ、これも「字幅が変わらん」という意見がある。

それは多分、筆記時にペン先が真上を向いている。それで縦線を引けば細く、横線が太い真逆の状態となる。それか筆圧をかけていないか。
私は少し角度があるため問題ないが、そういう持ち方をする方には少し厳しいだろう。

漢字ニブ……その名に恥じぬ、プレミアな字幅であった。

終わりに

総括すると、ちゃんと日本語も書きやすく、ある意味では「LAMYらしくない」ニブである。書き味は国産万年筆っぽく、ザ・舶来の従来品を想像すると面食らうかもしれない。
ニブにデカデカと書いてある通り漢字を書くのに適した加工で、しなりや制動も含めて文字を書くのが快感となる逸品である。

私はこれがSafariにつけられるという点が気に入った。私のSafari愛(?)は以前書いた通りだ。

この手のニブは探せばあるかもしれないが、「Safariだから」のメリットは何にも変えがたい。

高い買い物となるが、それに見合ったパフォーマンスを見せている。私はこれからも愛用し続けることだろう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?